今日はある団体で山古志視察が企画されたので参加させてもらった
まず最初に訪れたのが、なんとインフォメーションセンターなるところがあるのだ
正式には「国道291号災害復旧事業インフォメーションセンター」という
そこには素敵なお嬢さんが常駐しているという
場所は国道を長岡から妙見堰の橋を渡って小千谷方面に向かうと左カーブが始まる
そこの除雪車回転場としてある場所にこのインフォメーションセンターが建っているのだ
ま、私も初めてこんな設備があると言うことを知った
普通、こんな看板、国道291号災害復旧事業インフォメーションセンター
これを見て地震関係の情報を提供する場所だなどとわかる人は少ない、というよりいない
この災害工事関連の業者に発注する予算の中から社会貢献費用などと言う名目で
この設備や人件費をまかなっているという
だから今年の9月でほぼ工事は終了するので
このインフォメーションセンターも9月で閉鎖されるという
なにやらお金を使えばいいという感覚のようにしか思えない
使うと言っても使い方があるでしょうと言いたい
やることは良いのだが、やればいいという世界じゃない
効果的な使い方をしないと
それは無駄遣いと言われてしまう
もったいない話だ
妙見の崩落現場を川の向かい側から見てみた
こちら側に来てみたのも初めてだ
現場の上半分はほとんど削り取られて
山が無くなっている
なにかこんなところに最近はいろいろ費用がかかる、大変だと思う
山古志村役場に久しぶりにやってきた
かなり工事が進んでいた
土台が浮き上がっていたところがかなり削られたりしていた
この建物、裏の駐車場から見たが
確か傾いていたような気がするが
今見ると、だいぶまっすぐになっているような気がする
ここは山が上から崩れて土砂が広場を埋め尽くした場所だ
この脇にトンネルがあり、以前はバスの回転場所として広い広場になっていた
それが全て土砂で埋まってしまって
その土砂が今ではかなり排除され
上の方からコンクリートを吹き付けて固めているのだろう
その排除された土砂は役場の裏の沢に埋めているという
このトンネルも地震の折、床が盛り上がったという
そして、現在は脇にもう一本トンネルを掘るという
地元の旧家を借りて何でも山古志センターなる場所ができていた
そこで昼食を出してくれるという
メニューがついていた
そして、最後に「あねさの会」と書かれていた
そう、この「あねさの会」は例の丸山由香さんたちが立ち上げた会で
その「あねさの会」が地元山古志のモノを使って料理した食事を提供するという
ご飯もおいしいし、自前のみそ汁も良い
ナスもうまい、なかなかおいしい昼食を戴いた
短期間でトンネルを堀上げたという場所にやってきた
ここには見学者が大勢来るのだろう
トンネル現場が良く見渡せる場所に見学用の場所が設置されている
この場所で喫茶店でもやったら結構繁盛しそうである
なんでも10月1日にこの場所でマラソン大会が開かれるという
トンネルが二本あるので聞いてみたら
向こうのトンネルが本トンネルで
手前のトンネルが工事用の臨時トンネルだという
それは、本トンネルに入る前に橋を造らなければならなかった
この橋の完成を待っていたのでは工事が遅くなる
少しでも早く工事を完成させるために
トンネル工事を先にとっかかれるように
手前に臨時の橋とトンネルを掘って
途中から本トンネルを先行して掘り進めるという方法を採用したという
だから、手前のトンネルはすぐ行き止まりになって
本トンネルにつながっているという
このトンネルを掘ることになった理由は
本来の道路がこの写真のごとくあまりにも悲惨なため
この道路を直すよりトンネルを掘った方が安く早く完了するという理由らしい
事実、本来の道路はずたずたになっている
その道路の途中に車が見える
よく見ると軽トラが土砂に押しつぶされている
手前のガードレールなど垂れ下がっている
目を山の上に転じるとスキー場が見える
そのスキー場の上にあるナイター設備だろうか
電信柱が曲がったままの姿で残されている
トンネル現場から戻ってくる途中
この風景を思い出していた
そう、あの雪の残る頃、初めて山古志に入ったとき
トンネルの向こうから地元の人が歩いて来る姿を思い出した
あれはいつだったろうか
平成17年4月17日のファイルに掲載されていた
そう、あのときはまだ雪が多く、トンネルはひび割れ、土砂が崩れたままで
そんな悲惨な中、地元の家族がスコップとお弁当を持って
自宅の除雪にやってきた、そんな姿を見た
親父が親父然として一家を引っ張ってゆく姿が印象的だった
母ちゃんが親父の一歩後からついて行く
なんとなく世話焼き女房という雰囲気で
息子はちょっと離れて歩いている
地震にうちひしがれた家族かと思いきや
久しぶりの我が家に向かって生き生きとした足取りで歩いてくる
なにか暖かい家族を見た思いがした
さて、こちらは新しく掘ったトンネルの出口だ
こんな状況で10月1日には道路も供用開始だという
これはまるでダムのように水が流れている
例の芋川の自然ダムの現場だ
ここに来るのは二度目になるが
よく見るとまるで黒四ダムの工事現場のような雰囲気だ
ここにもお立ち台というか見学者用の場所がある
この前に、学校の中をホースを通して自然ダムの水を放水していた小学校
その小学校があった場所として写真が掲載されている
いまでは環境がまったく変わってしまって
小学校は取り壊されてしまっている
初めて芋川の上流に入ってみた
川がダムでせき止められて木が水没している
ここは地域の民家が水没した場所だ
いまでは水没というより泥に埋まってしまっている
悲惨な状況だ
家の中は泥だらけ、そしてその泥の中に
もうあれから二年近くになる、草が生え始めている
自然の力とはすごいモノだと思った
人間がいじくり回すことなどたかがしれている
自然に任せておくのが一番素直な生き方なのではないかと思ってしまう
まわりは完全に泥沼となっている
泥に埋もれた上を水がせせらぎのようにゆったりと流れている
全てを飲み込んで、その上を水がサラサラと流れてゆく
なにか自然が全てをきれいにしてゆくような
そんな作業の途中を見てしまったような気がする
これは平成17年02月19日の時、ヘリコプターから写した写真だ
丁度この写真の中央に見える橋の位置を上流から写していることになる
下の方に見える対岸の二階建ての家
この家が上に掲載してある二階建ての泥に埋もれた家になると思う
この地区の民家は皆泥に埋もれて
いや、泥というのか土砂というのか
そう、土砂に埋め尽くされてしまった地区となっている
上流を見ると何もないように思うが
この下に橋や道路があったようだ
だが今ではまるで上高地のような雰囲気をも醸し出している
自然の力とは恐ろしいモノだと
そして、その力は美しさを生み出してゆくのだと感じた
昔を知っている人から見れば悲惨さを感じるのだろう
初めて見る人から見れば静けさと美しさを感じるのだろう
だが、よく見るとやはり電信柱のようなモノが川の真ん中に立っていたりして違和感がある
そして、ちょっとまわりを見渡せば
雪で壊れたのだろうか、荒れ放題になってしまった民家が目に入る
不思議な空間を体験した
自然の美しくも無惨な姿を見せつけられた
メンバーの向こうに広々と続く自然ダムが見える
ここは自然ダムの現場が一望できる場所だ
以前、この場所から初めてこの芋川の自然ダム現場を見たときのことを思い出す
平成18年05月09日の記録に残っていた
この平成17年05月09日の写真には
よく見ると小学校がまだ取り壊されていない
橋も造り直されて立派なダムの上にかかる橋としてできている
よく見るとわかるのだが、橋の下にはまた橋がある、この橋が地震の時にパイプが並んでいた
橋なのだ
平成17年02月19日の時にヘリコプターから見た写真
この橋の上に新しい橋が造られた
自然は崩れた土砂を雨風で少しずつ削ってゆく
風に運ばれてきた草が根付いて緑を増やす
自然の力はすごい