またあの眠られない夜が来るのかと思うと
夜が怖い
そう思った
看護婦に痛み止めを点滴に混ぜてもらうことにした
とにかく2分でなく3時間でも眠られればうれしいと思った
しっかりした呼吸ができない
浅い呼吸しかできない
そんなことを看護婦に話したら
「酸素マスクをつけますか」と答えが返ってきた
私はパイロットが付けるマスクのような、あの前夜付けていたものを思い出していた
が、次の瞬間、看護婦は「鼻から管を入れる」と言う
それを聞いたら
自分が鼻から管を入れて寝ている姿を思い浮かべた
まるで重病人みたいだと思って「いらない」と断った
AM4:00
窓の外に見える景色
車のヘッドライトが右の方から動いてくると
どういうわけか、中央部でパッと消えてしまう
不思議な現象だと思ってみていた
昼間外を見ると不思議な現象は理由がわかった
中央部には商業高校の建物があったのだ
だから車は建物の陰に隠れてヘッドライトが見えなくなるのだった
外は暑そうだが私は寒いと言いながら汗をかいて寝ていた
とにかく寝ていても痛いのだ
ドクターは回診時に言う
痛みは時間の問題だと
傷口は順調に回復しているから明日には退院できると
痛み止めを飲んでくださいと
私は極力起きているようにしていた
そんなベットに家内が寝ていた
家内は私の付き添いで時間がかなりつぶされてしまい
その分、自宅に帰って徹夜で仕事をしているようだ
病人が一人出ると周りの人にも大変な影響が出てしまうと実感した
食事は工夫されている
トレーの右は暖かいもので左は冷たいものになっている
搬送用の設備がそうなっているようだ
だから食事を受け取りにゆくと
トレー自体、右は暖かく、左は冷たくなっている