平成19年07月23日(月曜)

点滴で最低限の栄養は維持されているのだから問題ないはずなのだが

腹が減るのだ

ま、ドクターに言わせれば、それは体の機能が回復してきた証拠だという

確かに証拠という一現象ではあるのだろうが

それは教科書的な現象として終わるのではなく

当事者である私にとっては「つらい現象」なのだ

腹が減るといろいろ頭に来ることが多い

TVを見ていると、どれもこれも美味しそうに食べたり飲んだりする場面ばかり

そこで頭にきてTVを消しても

こんどは私の部屋のナースコールからアナウンスが流れる

「おはようございます、お食事の準備が整いました

食堂に来られる患者様は食堂にお集まり下さい」

聞きたくもないアナウンスが一日三回流れる

 

戦前だろうか、小学校の昼食時間にお弁当を持ってこられない子供は

他の生徒がお弁当を食べている時に一生懸命本を読んでいる姿のニュース映像を記憶する

まさにあの本を読んでいる生徒の心理と同じだ

幸いここは個室だから一人で本を読んでいればいいのだが

しかし、それにしても頭に来るのだ

 

点滴の袋に書かれている表示を読むと

500MLで総熱量210Kcalと書かれている

結局これを4本分点滴するから私の一日の摂取カロリーは840Kカロリーとなる

聞くところに寄ると成人平均一日2千Kカロリー前後だという

私なんかは週に何日かは宴会が入っているからもっとあったのだろうと思うが

それにしても今は千キロカロリーも取っていない半分以下いや1/3くらいだろう

昨日お見舞いに来てくれた仲間が少しやせたという

そうかなと思って今朝体重計は無いかと看護師に聞いたらナースステーションの前にあるという

早速行って計ってみた

ん、お、ふむふむ、なんと2Kg減っているではないか

ん、この際だからもう少し体重を減量することを考えてみようかと思い出した

しかし、いくら摂取量が少ないかといっても、ベットに横になっているから消耗量も少ないわけで

かといって病室でビリーズ・ブートキャンプのDVDを流してエクササイズをやっているわけにも行かない

ま、こんなもんなんでしょう

 

ドクターが毎日私の部屋にやってくる

いろいろ親切に説明してくれる

何かがあれば眠い目をこすりながらでもやってくる

過激な業務だと思いながら見ている

 

ベテラン看護師から話を聞く

胆汁はキレイな黄緑色をしているという

胆嚢炎の腫れが引かないときはチューブをさして膿を抜くのだという

確かにそこまでの話はドクターから私も聞いている

そして、この処置をするかどうかについて今日検査をして決めるとドクターは言っていた

だがその処置をした後の対応まではドクターの話にはない

ベテラン看護師の話を続ける

チューブで抜いた胆汁は良くこし器でこして

再度体に戻すのだという

なぜならば胆汁は体にとって大切なモノだから戻すのだという

これをしないと、いわゆる「おつうじ」が真っ白になって出てくるという

そう、胆汁はその「おつうじ」の独特の色

ターメリックのような色、まカレー粉ですな

とにかく体にとっては大事なモノなので戻すのだという

戻すと言ってもチューブで戻すのではなく

ようするにそれを自分で飲み干すのだそうだ

それがまた苦いのだとベテラン看護師は言う

 

臥薪嘗胆という言葉を思い出した

この最後の「胆」がまさに胆汁の胆だ、にがいキモ(胆)をな(嘗)めて悔しさを忘れず再起を図ることと言うような意味だ

そう、まさにこの胆汁はにがいのだ

私も臥薪嘗胆で頑張らねばならないようだ、ホヘ

【臥薪嘗胆】がしんしょうたん
目的を達成するため、自らに試練を課し、厳しい苦労や努力をすること 。
中国春秋時代、夫差(ふさ)が薪(たきぎ)の上に臥(ふ)し、また、勾践(こうせん)は苦い胆(きも)を嘗(な)めて恥辱を思い起こしたという故事から。

 

昨日の日曜午後2時半頃ようやく屋上の駐車場もほぼ満杯になった

ハイブ長岡でも何かイベントがあるらしく駐車場は午前中から満杯
道路はハイブから出てくる車とモールからの車で渋滞が始まってきた

飲食店コーナーもだいぶ混んできたようだ

まとめ買いの人が多い、そうワゴンに一杯買い物して携帯しながらワンボックスカーにのって帰る、そんな雰囲気の人が多い

だから子連れ、だいたい30代という雰囲気だ

そして近くの芝生で子供ははしゃいで走り回る
そんな風景が目に入る

点滴の表示を見るとこれはスペシャルなのだ
なんとビタミンB1入りの豪華版、カロリー210Kでダイエットにもお勧めと言うところだろうか
毎回、これは焼き魚、今度はパスタ、いやオムライスなどと言いながら楽しんでいる

こちらは私に言わせればデザートなのだ
しかしこれが抗生物質で化膿を止めてくれているのだ
ま、これで救われていると言うことだろうか

ん、昨日お見舞いに来てくれた仲間が美味しそうなモノを持ってきてくれた
しかし、しかしだよ、え、わたしゃ絶食などというとんでもない治療方法で治療しているのだよ、ホント
そんな私に美味しいケーキは、おいおい、目の前に出すなよ、はやくしまえ、治療に差し支える、ん、美味しそう、ガックリ

朝、もう5時を回ると目が覚める、覚めると言うより夜中中看護師が見回りにきて
懐中電灯でチェックしてゆくのだが
そのたびにと言うわけでもないが、結構目が覚める
そして時計を見るとまだ1時、やっと3時というぐあいに
朝が待ち遠しいのだ

明るくなればベットを出て少し歩いてみようと思う
窓から県立美術館脇の野外音楽場が見える

ナースステーションは誰もいない

信濃川の対岸を見る
長岡の中心街が見える

土手を早朝ウオーキングしている熟年夫婦と朝の散歩の老人が目に入る


窓からの景色をパノラマ撮影で写してみた

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