平成19年07月20日(金曜)

考えてみたら地震の日から何も食べていない
そう胃の中は空っぽなのだ
治療方法は絶食となっている

絶食、すごい、食を断つ
胃袋どころか十二指腸もその先の小腸も大腸も空っぽなのだ

毎朝看護師に聞かれる
「お通じはありませんでしたか」と
私は言う
何も食べていないのだからあるわけがないと
すると、そうですよねと答えが返ってくる

とにもかくにも胃袋から大腸まで空っぽなのだ
その途中の十二指腸につながる胆のうが炎症を起こしている

そう、腹に腫れ物を抱えている状況だ

昨夜、寝る前に痛み止めを使ったから6時間は痛みなく寝られる
9時から6時間だから午前3時なのだ

その午前3時になるとしっかりと意識がとぎすまされてくる
いつもの痛みというか、いやだんだん痛みは明確になって
ここという具合に場所がわかるようになってくる
自分の体の中の感度が敏感になっているのだろう

今まで痛くて取らなかった右を下にした姿勢に寝返りを打ってみた
なんとなくそれもできるかな
そんな雰囲気で右をしたにしてみたら少し気持ちよかった
しかし、すぐにまた真上を向いてみたり左をしたにしてみたり
そんなことをやりながら少しウトウトした

何かおなかの中で音がした
そう、場所は明らかに十二指腸だろう
私の頭の中には昨日ドクターから図解入りで説明してもらった内臓の位置図が浮かぶ
胃でないことは明確だ
そこに何か放出されたような音が聞こえた
そう、水道の蛇口から洗面器に水が落ちているような音だ
確かに聞こえた
その後、またウトウトした

おなかがゴロゴロと言っている
ドクターが言ったことを思い出した
おなかが活発に動き出せば元気になってきた証拠ですよと
そうか、おなかの中の蠕動(ぜんどう)運動でゴロゴロと言っているのがわかる
これは少し元気になってきたのかなと思い始める

時計を見るとまだ5時前だ
ウトウトする
何となく下腹に力が満ちている
ん、あらゆる現象が力を満ち始めている

まるで干からびた田んぼに川の水が流れ出して水が染み渡ってゆくように

胃袋も鳴り始めたようだ
そう、何も食べていないのだから胃袋も乾いているのかもしれない
そう、水一滴飲んでいないのだ

起きてみた、何となく痛みが和らいでいる
早朝の院内を歩いてみようと思った
ナースステーションの前を通る
看護師が点滴の具合を確認する
「痛みはどうですか」と質問される
「今朝はかなり楽になりました」
「そう、それはよかったですね」

早朝の信濃川を見る
屋上に行ってみようと思った
エレベーターで12階まで上がってみる
なかなか見晴らしはよい
今度は1階に行ってみようと思う

家内が気づかって買ってきた健康サンダルが心地よい
1階のピアノを見ながら天井を見る
なんと天上は音響を考えたらしい構造になっている

なにかこの建物を見ていると
自分たちの理想とする病院を作ろうとして
あちこちに工夫がなされていることを感じる

昨日窓の外を見ていた
テーブルと椅子が目に入った
夕方だったから誰もそんな椅子に腰掛けている人はいない

しかし、実際だれがこの椅子を利用するのだろうかと思って見ていた

夕方の一番混む時間のスーパーなのだが
平日と言うことであまり混んでいる雰囲気はしなかった

夜、三日月が天上に見えた
いろいろ露出を工夫して写してみた
何となくおとぎの城のような雰囲気に見えた

病院の正面玄関前のモニュメントだ

朝の信濃川を望む

真っ正面の水道タンク、夜今度は写してみよう

もう花火の準備が進んでいる
船が用意されている

早朝の病院1階

天上は音響反射板設計のようだ

そう、病院の午前六時半なのだ

いつもはにぎわっている診療フロアーはまだお休みだ

「船上のピアニスト」という映画を思い出した

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