平成21年03月20(金曜)

故宮

故宮にある宝物はほとんど中国から持ち込まれたモノで、なんでも60万点もの財宝だという。

だから中国はこの故宮博物館の財宝が一番欲しいわけで、中国が台湾を攻撃してくるときでも

この故宮博物館だけは攻撃しないだろうと言うことで、この近辺に逃げてくるのが一番安全だという話がささやかれているという

そのためだろうか、この故宮博物館の周りには高級マンションや高級住宅が目につく

 

6千年を遊ぶ

じっくり見学する

故宮の展示物をじっくりと見学した

紀元前4千年というから、今からおよそ6千年ほど前の新石器時代の加工された玉石から始まって

天とか地とかを表すものとして、玉壁や玉方などという石を丸く切り出したり、四角く切ったりして加工している

これらは精神的なものをあらわすのだという

秦の時代には青銅器に文字が書かれていたりしている

 なんでも青銅器は最初食器というか年に一回の祭礼の時に王様が使った食器として始まったようで

 だから当初の王様は緑青などということを知らずに青銅器を使っていたモノで、早死にが多かったという

唐の時代、瀬戸物に新しい上薬が発見されて「三彩」といわれるように三色の色が使われた陶器が出てきた

それが紀元1,000年ころからの宋の時代になると景徳鎮などという窯元でなめらかで繊細な陶器が作られるようになる

これを見ていると以前のような陶器の素朴さから繊細でモダンな磁器へとの変化を感じさせてくれる

さらに1,400年ころからの明の時代になると色数も増え、なかなかおしゃれな磁器が目につく、黄色など特徴的な色だ

そして1,700年ころからの清の時代になるとさらに技巧が進み「伝動的瓶子」とでもいうのか器の中にある器が動いて

なにやら金魚が泳いでいるように見えるとか、そんな緻密な技巧がさえる陶器が目につくようになる

 

こうやって時代を通して見て行くと

最初は天地や神を意識するモノで、その後、色が意識され、繊細な技巧へとすすみ、ハイカラな多色、さらには動くものへと変化して

その時代時代に常に新しいモノが生まれてきているのだと

人間はこうやって進化してきた

過去だけを見るともうこれ以上の革新はない、などと人は言うけれど、時代は確実に大きく革新が起きてきている

確実に前に進んできているのだということを感じさせてくれる

 

白菜と肉片

故宮博物館の中で一番の人気は翡翠(ヒスイ)の白菜と肉型の石なのだ

この翡翠白菜と肉型石を見るためには大変なのだ

3階のこの展示コーナーは入場制限されて参観者の集中をコントロールしている

そんな会場の中で人だかりの中でフラッシュをたいて写真撮影しようとする人が必ずいる

まさにガイドの言っていた中国の人のようだ

 

故宮晶華

さて、インターネットで調べたら

この故宮博物館の隣に有名ホテルが建築したレストランがあり、そこで特別料理が用意されているという

そこで私は何とかそれを食べてみたいモノだと思い

故宮に到着と同時に、まずこのレストランに向かった

レストランはまだオープン前だったが

ガラス越しにスタッフと目が合い

中に入れてくれた

そして私の希望の品を予約してレストランの昼食の予約を済ませた

私の希望の品を書いてもらった

一つは故宮肉型石で280元(約900円)、もう一つは翡翠白菜で180元(約600円)

予約しないと食べられないと聞いていたのでとにかく最初に予約しておいた

さあ、これが翡翠の白菜をまねたモノだ

本物の宝物はイナゴとコオロギが付いているのだが、ここでは愛嬌ということだろう、干しエビが付いていた

写真の脇に見えるのはエビのおかゆなのだ、これだけで十分二人でお腹いっぱいになる

大きなエビの固まりが入っていて、赤酢をたらしてサッパリとした味で良い

この白菜は一つの株で、味はあっさりしているがレンゲの中に入っているエノキダケではなく

これは貝柱なのだ、この貝柱に付けられた味付けがほどよくて

これを白菜にかけて食べるとちょうど良いのだ

さあ、故宮肉型石だ

これは実にうまそうなのだ

早速食べてみる

肉だけを食べるとパサパサした感じで、脂身のコッテリしたコラーゲンたっぷりの部分と合わせて一緒に食べると

コッテリ・パサパサが合わさって、まろやかなうまみがのどの奥に伝わってくる

これは贅沢で、うまい

力と智

午後もゆったりと故宮博物館を見学する

見ていて感じたことは、中国はいろいろな皇帝が出てきて、とにかく圧倒的な力で支配して行くという図式が目につく

そこに今度はインドから仏教が伝わってくる

このインドの仏教は、中国の「力」にたいして「智」という感覚を持った

中国における三大思想として、儒教、仏教、道教があるという

そういえば、せんじつNHKで法隆寺のことを取り上げていたとき

聖徳太子が血で血を洗う荒れ果てた世の中を何とかしようということで

日本に仏教を根付かせようとしたという話をしていたことを思い出す

力だけの社会ではダメなのだ、心が重要なのだと

 

ブタ

中国の干支の十二支も日本と同じで、最後のイノシシは中国ではブタだという

こんな話が出たとき、若い女性が私はブタなの、と悲鳴を上げていた

ブタは食べ物に困らないという意味で豊かな象徴なのだという

 

中国絵画

中国絵画は三つのパターンになると言う

人物、花鳥、山水だという

人物は3−9世紀ころに良く書かれ、山水は10世紀頃からだという

中国の書画にはいろいろな印があちこちに押されているが

これは各時代時代に時の権力者が有名な書画を自分が所有したことの主張としての力の世界を表しており

権力の主張だという

金せん茶

台湾のお茶を飲む

いろいろな種類があることに驚く

なんでも日本のお茶は煎てあり、中国のお茶は発酵させてあるという

そんななかで「金せん茶」なるお茶を試してみた

普段飲んでいるお茶とは全然違う

ふくよかな香り、甘い香りが印象的だ

いい感じ

定年後のご夫婦だろうか

日本語の個人ガイドを雇ってやってきた

我々の隣の席にご夫婦を座らせて、ガイドがお店の人に注文を出していろいろ説明していた

何となく奥様が台湾のお茶の流儀に興味を持っていたようだ

良い感じのご夫婦だった

ご主人はま、あまり高い関心はないようだったが、奥様はあこがれのお茶を体験して喜んでいる風だった

しばらくして、彼のガイドがどこからか戻ってきて、「もうそろそろよろしいですか」と時間を気にしていたようだ

我々も、この店で茶器と茶道具を購入した

店は人が売る

昨日、ここに寄ったときに女主人だろうか、色々質問したら親切に教えてくれた

それでなるほど奥が深いと興味を持って聞いていた

それで、今日もこの店に寄ってみた

しかし、残念ながら今日は若い女性の店員で機械的に対応するだけで今ひとつおもしろくない

店は人が売るものだと思った

色鉛筆

日本を出るとき、色鉛筆付のスケッチブックを購入して持参した

どこかで何かゆったりした時間を持てたら

スケッチでも描いてみたいモノだと思っていた

以前からそんな興味を持ってはいたのだが、なかなか実現する機会がなかった

そんななかで、今回の旅行で何かスケッチしてみたいとチャンスをうかがっていたが

なかなかそんな時間はとれなかったが

この店のトイレに入ったとき、どこかの画家が描いたのだろうか茶器の水彩画が飾られていた

それを見て私も書いてみようと挑戦した

道具は無印良品で買った12色の色鉛筆と小さなハガキサイズのスケッチブックだ

早速取り出して目の前にあったポットを書き始めた

ポットの赤いヒモが印象的だった

なんとか曲がりなりにも私の初スケッチを台北で描き上げた

隣の店の窓越しに見えた風景がなにやら映画のワンカットのように写った

スッゴーイ

日本人の若い女性の集団がやってきた

みな同じことを言う

「スゴーイ」「スゴーイ」

日本人!

「スゴーイ」しか言わない、あるよ、シェイ、シェイ!

 

自由の国

「台湾、自由の国」と若いガイドが口癖のように言っていた

そう、この国は「自由の国」ということに誇りを持っているのだろうと思った

中国とは違うのだということだと感じた

中国から軍事力でせめられたらひとたまりもない

だから軍備が重要なのだということだろうか

「台湾、自由の国」と言いたくなるわけだ

野良犬

野良犬だろうか、階段を上がるのかどうかと思っていたら

ポトポトと上がり始めて、ふとこちらを振り返った

松山夜市をあるく

市場、毎日が神社の夜店なのだ

食べる、着る、遊ぶ、ありあり

どら焼き、たこ焼き、大阪焼き、手巻き寿司、ありあり

臭い豆腐、臭うのだ

夜市を歩くと独特のニオイがする

それは、臭豆腐のニオイだ

臭い豆腐はチーズのようなものだとガイドは言う

美味しいから食べて見てくださいとすすめられた

煮る、焼く、揚げるの三種類あるという

そのなかで揚げたものが一番臭くないという

しかし、やはりこのニオイは強烈だ

私はパス

 

トラブル発生

家内が故宮に行くときにタクシーの中にカーディガンを忘れたという

タクシーの中に忘れたのではこれは大変ですね、見つからないでしょうとあきらめた

一応、ホテルに戻ってからフロントで日本人スタッフにその旨を話したらすぐに問い合わせをしてくれた

その後、食事に出かけて夜遅くホテルに戻ってみたら

部屋に忘れたカーディガンが届いていた

そう、海外に出かけて色々トラブルに巻き込まれたときに

キチンとしたホテルの方が安心していられるという理由はこんな所にある

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