今日はお彼岸の中日、春分の日だ
何かと仏教では意味のある日なのだろう
太陽が真東から昇り、真西に沈む
ちょうどその日に当たる
ということで、今日は日の出前にアンコールワットに到着して
アンコールワットの塔の真後ろから日が昇るのを見ようという企画だ
日の出は6時10分ころだという
5時半にホテルロビー集合でまだ真っ暗なうちにアンコールワットに到着した
アンコールワットの境内に入って振り向くと
月がまだきれいに見える
アンコールワットの塔はまだまだ暗い闇に包まれている
観光客がドンドンと集まってくる
月は赤みを浴びて光っていた
朝日が昇ってきた
まさにアンコールワットの塔の後ろから真っ直ぐに昇ってきた
まるでロウソクの炎のようにオレンジ色に光って見える
アンコールワットでの彼岸の日の出だ
車で田舎道をドンドンと走る
1時間も走っただろうか
バンテアイ・スレイという所だという
なんでもきれいな彫刻が見られるという
東洋のモナリザと評されているという
たしかに彫刻の彫りが深くて細かい
その脇にある人物の彫刻は顔面が削り取られたようになっている
聞くところに寄ると、イギリスかどこかの国の西洋人が持ち帰ろうとして剥ぎ取って
国外に持ち出そうとしたところで見つかったというような話だった
だいたい西洋の歴史は略奪の歴史、あの大英博物館は略奪物の展示場なのだ
ようするに自己中、横暴なのだ
また、この遺跡はそれこそ森の樹海の中に埋もれていた遺跡で
あるとき焼き畑で樹海に火を付けて燃やしてみたら
その焼け跡からこの遺跡が出てきたという
だから遺跡の表面が黒く焦げた跡が残っているという
さらにくるまで30分ほど走っただろうか
ここは発見当時のままに遺跡を修復したりしないでそのままに残して見せている場所だという
タ・プロムという場所だ
すごいのだ
確かに、南国の樹木は成長が早いから建物を覆い尽くしてしまっている
まさにインディージョーンズの映画の世界だ
信じられないようなすごい景観なのだ
とにもかくにもこの遺跡群はすごい
こんなにすばらしい建物を造る文化があったと言うことだ
王様は自分の権力を誇示するために大きな立派な建物を造る
そして、その国を征服したモノは以前の文化を徹底的に破壊する
相手を打ちのめすことを徹底的にする
人間は創造と破壊の種なのかも知れない
そして、今では遺跡となってしまったモノを
こんどは観光資源として国の重要な財源にしている
カンボジアは良い印象だ
ホテルが良かったのだろうか、ホテルでの食事はタイでの食事より良かった
ヌードルがよい、豚骨ラーメンのような感覚だ
文化も高く、民族もおとなしく感じられる
だが貧しい国だ
マダムサチコの店は元気がよい
「どもアリットザイマシタ」
現地の若い店員が声をそろえて挨拶する
アンコールクッキーと名を付けて
お土産10箱で特製バック付き
クッキー20枚で10ドルという
10ヶでバック付きと言われてなんとなく10ヶ買ってしまう
単なるアンコールワットと名入りでしかないのだが
現地で買ってきたという正真正銘のお土産なのだと言うことで皆さん買って行く
なんでもこのマダムサチコさんは群馬県の出身で
21才で来てから9年経つという
今では年商1億円の売上げだという
オールドマーケットなる地元のマーケットをのぞいてみる
地元では電気冷蔵庫をもっている家庭は少なく
さらに電気代も高いから普通の家庭では冷蔵庫はないという
ビールは冷やすなら氷をコップに入れて冷やすという、ま
だから毎日三食の材料はここに買いに来るという
マーケット内に入ってみるが息を詰めて通り抜け
外で深呼吸してからまたマーケット内の狭い通路を通って見学する
みれば、豚の頭がそのまま、目玉のついた状態で並べられている
豚足もそのまま
内臓もパレットに入れられて並べられている
ハエがたかっている方が美味しいのだそうだ
宝石店なども並んでいるが
ガイドに寄れば、本物はまず並んでいないから気を付けるようにと言う
暑い、とにかく歩くのもゆっくりとなる
暑い、日陰にだんだん集まってくる
暑い、リズムがゆっくりとなってくる
アジアの生活はなにやら生きることとの戦いという感覚がしてきた
そして、世界中どこでもといってよいのだろうか
女性は元気なのだ
そしてお話好きなのだ
女性が集まるとペチャクチャとお話が始まる
「ウェィウヮ、コンク、ウェイ、コンゴートン、アートン」
私には意味がわからないが
ま、要するに世間話なのだろう
カンボジアの家族はふつう子供5人兄弟が多いという
お風呂に入るという習慣がないが沐浴をするという
井戸を掘るのは2万円ほど掛かるので現地の人にとっては高いという
公務員は給料が安いモノだからワイロが横行しているという
国民の70%にあたる農民は税金支払い義務がないという
さらに、農家の人は一戸に1ヘクタールの土地を払い下げたという
その土地は自由に使用することも処分することもできるという
いま、金持ちがその土地を買いあさっているという
「イッコ イチダーロー、イッコ イチダーロー」
現地の子供たちがまとわりつく
扇子や写真、絵はがきを売りに来る
ようやくバスに乗ると誰か1人は買ってくる
そして言う
「あまりにもかわいそうで買ってしまったよ」
「1ヶ1$だったよ」
すると隣の人が言う
「私は3ヶで2$だったよ」
「いや私は2ヶ1$だよ、値切らないと」
「ありやー、定価で買っちゃったよ」
「違うよ、定価は半値のことだから倍で買ったんだよ」
そんな会話が続く
彼らもなれたモノで
まず観光客を直ぐに値踏みする
まずは女性に近づく
さらに目を見て気のよさそうな人に近づく