昼食にどこに行こうかと思った
あまり知っている人に会わずにゆっくりできる静かな場所
そんなことを考えて車を走らせた
住宅街の静かなイタリアンレストランに入った
ここは何度かランチに来ている
まあまあの雰囲気で落ち着いている
ファミレスのようなガチャガチャした雰囲気はない
こぢんまりしていて、私のお気に入りの一店だ
ところが今日はドアを開けた瞬間から違った
子供の甲高い声が聞こえた
その声と反対の方に行こうかと思ったら
満席
結局空いている場所は、その子連れ二組の席近くだけだ
子供はまだ言葉も話せない乳幼児だ
目が離せない
パスタを手でつかんでツルツルと一本食べている
その手で壁にタッチしている
机にコップをドンドンと叩きつけてみたり
ま、子供ですからしょうがないわけで
元気の良い子供なわけで
甲高い声を上げて自己主張するわけで
何か気にくわなければ泣き出すわけで
ま、当たり前のことですね、子供ですから、ハイ
その子供はなかなかおしゃれなのですよ
かっこいいのですよ
ブランド品で着飾っているのですよ
お母さんもおしゃれなかわいいお母さんなんですよ
ま、食事が終われば子供は店内を動き回るのですよ
そんなとき、母は強しですな、ハイ
そのおしゃれなかわいいお母さんは
濡れティッシュで子供がべたべたとさわりまくった白い壁を
向かいのお母さんとペチャクチャ話しながら
平然と拭いていたり
床に転がっているおもちゃ
私なんか気づいていないのかと思ったのですが
それを平然と拾ってカバンの中にしまったり
ま、余裕なんですよ、ホント
なかなか賑やかなレストランになっていました
これからはこのお店、若い主婦や子供連れを積極的に受け入れる店とするのだろうか
どうなのだろうかといろいろ思いをめぐらせながら
店の人が何も言わないのだからわれわれがお店の人にクレームなど付ける状況ではない
そういうお店なのだと思い始めていた
こんどからは、私も小さな子供が一緒の時にここに来るようにしようかと思ったが
しかし、私だったらファミレスに行くな、と思った
落ち着いた大人の雰囲気のお店に小さな子供を連れて入るのは勇気のいることだと
そうやってみると、最近のお母さんは勇気ある行動を取る人が増えてきたのだろうか
そんなことはどうでも良い
とにかく静にゆっくり食事をしたいと思ったことが
今日は全く予定外になってしまったという事実だけが残った
もうあの店はお気に入りから外さねばならない