大学時代の友人から電話が入った
「お、めずらしいな、またあいつは単身で海外勤務にでもなったから電話をよこしたかな」
などと思って受話器を握った
電話口の向こうから懐かしい声が聞こえた
すると、その声から「実は悪い知らせがある」と告げられた
大学時代、一緒に騒いでいた仲間が昨日死んだという
やつとはよく一緒に騒いでいた
10年ほど前だったろうか
やつは母子家庭だったから
お母さんとやつを長岡の花火に招待したことがあった
そのときお母さんが喜んでくれて
お母さんが作った句集を贈ってきてくれた
そのお母さんが、その後ぼけが始まって
今は特別養護ホームに入っていると聞く
幸いやつも遅まきながら縁があって結婚することができた
やつは自立して自分で会社を作り設計事務所を開設した
そんなやつが死んだという
通夜は4日、葬儀は5日だという