平成19年11月23日(金曜祭日)

まだ山には白い雪が残っている

今日は少しは穏やかなようだ

 

 

 

 

非日常が突如やってきた

それは休日の午後、それも夕方頃だった

自宅の電話が急に鳴って、親父の声が

「お母さんが亡くなったよ、早く来い」と

「何?」何を言っているのか意味がよくわからなかった

「今、もう警察の人が来ているよ」

「今いくから」と言って電話を切った

事情が読み込めなかったが何かただならぬことだと思い始めた

とにかく私は携帯電話とカメラをもって隣の親父の住んでいる部屋へと向かうことにした

そのとき、一見落ち着いているように思えたが、実は相当あわてていたのだろう

手に持ったものをテーブルに置いてみたり、そのテーブルにおいたものが見つからないと、また探してみたり

やはりあわてていたようだった

ここから一気に非日常の世界へと飛び込んでゆくのだった

午後7時

なにか人工呼吸とか心臓マッサージとかしないでいいのかと思ったが

警察の人は救急隊が確認したときにはもう死後硬直が始まっていたということで

医師の確認がない限り死亡とは断定できないが、蘇生は見込めないという話だった

そこで検視のための医師を呼んでいるから待つようにとのこと

その間、私は親戚に電話をして現状報告をしていた

警察の人が状況を説明してくれた

そして、私からの質問は

「私は今何をすればいいのですか」と

すると警察官は「葬儀屋さんに連絡することでしょうかね」という

午後9時

お寺様の枕経が始まる

しかし、なんでもう数時間の後にお寺様のお経が始まっているのかわからないが、どうもそうなのだ

 

その後葬儀屋と打ち合わせが始まる

打ち合わせ2時間ほど、気がつくと深夜

26日の月曜が友引で葬儀場が休みになるからお通夜は24日土曜に行うか26日月曜かを決めることから始まる

葬儀の段取りを説明受ける

その打ち合わせが終わった頃には、死んだのだという印象が頭に植え付けられる

 

業者はまずこちらの値踏みをして話をするような雰囲気があっていやな気持ちになった

こちらは母だから会社とは直接関係ないのだからそんなに大勢くるとは思わないと

だが業者は会社関係の人も大勢来るだろうから大きな会場を押さえておくべきというような話ぶり

結局150名を超える人が集まるかどうかで会場のサイズが違うという

そこで、150名の会場で対応する、もし大勢になったら会場の外に立ってもらうしかないだろうと話て

業者からふつうの会場を押さえてもらった

次に棺はどのクラスにするかと聞いてくる

そこで、先方は勝手に中の上がおすすめと語りかける

まったく値段は何が相場なのかわからない

困ったものだ

安心できるというか信頼できる業者かどうか、ここでその担当者の言動を振り返ってみる

何となくふっかけてきているのだろうか、そんな雰囲気が伺われたのでこちらもよけいなことは話さなくなった

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