平成7年8月1日(月曜日)その2
まつりの朝、長生橋は良く見える
長岡駅前にみこしが飾られていた
今日も誰か有名人が来るのだろうか
駅の改札口前にものすごい大勢の若者が集まっている
改札の駅員にだれが来るのかとたずねたら
「知りませんけど、他のお客様に迷惑にならなければいいのですが」と返事が返ってきた
そうなんだよな
他の人に迷惑が掛からなければいいのだが
どうしてもマスコミなどで情報を載せると反応が大きすぎて
そう、弊害も大きくなる
マスコミは増幅器みたいなものなのかと思った
きょうは新潟で会議があった、気分はまつりなので
会議だけでその後の懇親会は欠席させていただいて長岡に戻ってきた
駅前のみこしはやはり長岡の祭り気分をもり立ててくれる
会社に帰って、報告書など作成していたら雨が降ってきた
おいおい、だいじょうぶかよとおもって業務をこなして自宅に戻り地元のCATVをチェックしたら
雨の中で大民謡流しが始まっていた
大手通で繰り広げられる大民謡流し、私はあまり興味がないのだが
この民謡流しの後、8時50分からみこしが始まる
雨の降り具合をチェックしてどうしようか
みこし用の支度をして会場に向かおうか
それとも今年はあきらめようかと地元CATVをつけて見ていた
毎年、みこし担ぎを続けている
それは悠久町の蒼柴神社みこし担ぎが最初だった
その後、青年会議所でみこし担ぎを本格的にするようになった
結局、そんなことから毎年みこし担ぎをやってきたが
息子が高校の頃からだろうか
一緒に担ぐようになった
今年は息子も東京に行って帰ってこないようなので
どうしようかと思ってはいたが
できれば担ごうと決めていた
急に、息子が帰ってきてみこしを担ぐという
じゃ雨でもかまわず支度をして祭りに行こうと出かけた
まもなく8時50分になる
悠久町のみこしだ
今年は、青年会議所の米百俵みこしは新しくなって提灯御輿となっている
御輿の前を露払いのごとく提灯をかざして歩く
長岡の祭りには県内各地からいろいろな御輿が集まる
いよいよ大手通の交差点に入る
ライトに照らし出されて活気づく
もみくちゃにされる
動きが早くなる
かけ声が元気よくなる
悠久町の御輿もライトに照らし出され元気付く
「セイヤ、ァセイャ、セイヤ」とリズムを取る
「サァサァサァサァ、セィャ、セィャ」とかけ声が掛かる
額に汗が噴き出してくる
肩に重さがどんどんと食い込んでくる
御輿はライトアップされ光っている
カメラマンがあちこちからフラッシュを浴びせる
へたばりかけている御輿もある
テレビカメラが近づいてくる
地元のお笑い集団「ナマラ」のメンバーがカメラの前で祭りを紹介している
ここは大和デパート前の交差点
夜店がにぎわっている
悠久太鼓がドドドンと威勢のいい音を響かせている
祭りには夜店がやはり似合うようだ
子供はやはり気になるようだ
これはそう、何か型をうまくくりぬければ景品がもらえるというもので昔からある
こういったものがやはり皆さん行列を作る
外国の方も大勢見学に来ている、太鼓に興味があるようだ
雨の中、太鼓は濡れなかったのだろうかと心配になった
ヤァーと威勢のいい声が掛かる
これは栃尾の「ほだれ」御輿
毎年、この御輿を担いでいる知り合いが手を振って挨拶してきた
みなさん背中に「ほだれ」と染め抜いた揃いの法被を着て担いでいる
これは栃尾の確か下来伝だっただろうか、地域のお祭りで
子孫繁栄祈願のお祭りのご神体のレプリカを御輿として担いでいる
あまり粗雑な扱いをすると罰が当たると言われている
私も、青年会議所時代にこのご神体を長岡まで持ってきて
お披露目したことを思い出した
そうそう、たしか「ほだれ」酒というお酒があって
容器がこのご神体と同じ形をしているユニークなお酒がある
いろいろな御輿がある
これは地元のCATVのスタッフ
上半身裸になったり、ふんどし姿で、いや失礼、締め込み姿で威勢のいいお兄さんがけっこういる
こちらはサラシを巻いて背中を見せている子連れのお姉さま
約1時間、とにかく大手通は御輿の渦だ
指示台の上に立って御輿を先導する先導者
これはけっこう大きな御輿だ
威勢のいいお姉さんが増えてきた
笠を腰にぶら下げていろいろ指示を出す商店街の役員
とにかく大手通は御輿の熱気で騒がしいが
何か足りないと思ってみていた、もう一つ何か足りない
そこで私は思った
そう、大手通のビルの屋上からスポットライトを各御輿に当てて照らし出してはどうかと
光は真上から照らし出すと神々しさが演出できる
そう、御輿の神々しさを真上からねらったピンスポットライトで照らし出してはどうかと
もっと総合演出する人がいないのかと思った
この祭りは、長岡まつり協議会という組織が仕切っていると思うのだが
やはり、総合演出するプロがいない
素人集団がワイワイガヤガヤとやっているのではないのか
やはりこれだけ大きな人を集めるお祭りになってきているのだから
総合演出ということをキチンと考えられる人物を
引っ張ってきてはどうだろうかと思っている
子供の祭り姿がだんだん粋になってきた
やはり暗いところより明るくライトに照らし出されたところで
担ぎ手は元気が出るようだ
彼は広井さんと言って
明日の震災復興花火フェニックスの打上実行委員長だ
3,000万円掛かるというフェニックス花火の募金をあちこちにお願いして
やっとの思いで震災被災者からもそれ以外の人からも募金を集めて
ようやく打上にこぎつけた
私の顔を見て、私がおめでとうと声をかけたら「イヤーどうもどうも」と
うれしそうにしていたので記念に一枚
ほんと、こういった人がいないと何も動かないのですよ、ご苦労様です
子供が喜んでくれているようだ
いよいよ御輿もクライマックス
御輿の集団のなかで最後の担ぎ上げ
「差せ差せ」と声が掛かる
悠久町の提灯は真っ暗な天に向かってかざされている
大手通の中央、お立場に市長が登り、回りに参加御輿全てが集まり
最後の三本締めが始まる
何とも言えない熱気が、エネルギーがぶつかる
揃いの三本締めで揃いの手拍子
拍子木でリズムを取る
そして、最後にバンザーーイとばかりに諸手をあげてボルテージは最高潮
祭りの後、何とも言えない余韻を残して、大手通は静かになって行く
あとは警察の立ち退き命令だけが冷たく響く
御輿の前で記念撮影