地震の写真五ヶ月と二十六日目

平成１７年４月８日（月曜）

「守門岳は動いたか」

先日からの疑問が頭を離れない
そこで地図を３Ｄ（立体的）に表示してくれる無料のソフトがあるので
それを使って確認しようと思った
カシミールという名前のソフトでけっこう優れもののソフトだ

そのソフトを立ち上げて、まず確認してみようと思ったことは
守門岳から長岡はどのように見えるかということで設定してみる

守門岳の上空１万メートルから長岡方面を見る設定にしていろいろやってみた
１万メートルという高さはジャンボジェットが飛んでいる高さということだ
飛行機の窓から見るとこんな具合に見えるということだが
設定に地図を合成するようにしたから、町は赤く塗られて、行政表示も出ている
実際にジャンボジェットに乗って窓から長岡を眺めても
長岡は赤くはなっていないので「お気を付けあそばせ」、ハイ

中央上の赤いところが長岡のまちだ、そのすぐ上に左から右への青い線が信濃川
中央右寄りに見えるやや赤いところが栃尾のまちということになる

そこで、今度は、カシミールの機能の中で、指定の場所から目標地点が見えるかどうかと言う機能がある
それを使ってみると、守門岳から大手大橋は見える、ということになる
そのときの断面図が下の絵だ
見えるといってもギリギリと言うことだろう

とにかくギリギリでも見えるという

そこで、大手大橋上空３８０メートルから守門岳方面をみるとどうなるかというシミュレーションができる
その機能を使って出力させてみた

手前の山が東山、おくに守門岳が見えることになる

これはあくまで地図情報を使ってコンピューターがシュミレーションして描いた絵だ
守門岳は二つのこぶの右側だ

そこで思い出した、先日私はヘリコプターに乗って上空から確か回りの山々を写した記憶がある
早速探してみたら２月１９日のところに掲載されている
まさにシミュレーションの通り、長岡のちょうど信濃川上空から守門岳方面をながめた写真だ

２００５０２１９

守門岳は上の写真のように二つのこぶの右側が守門岳だ

そして、先日の大手大橋からの写真と確認して見た

２００５０４１２

上が大手大橋から真っ直ぐに守門岳方面を見た写真、下がその写真の明度、彩度を変更して雪山を際だたせた写真

２００５０４１２

そして、大手大橋から高さ１メートルの位置からの守門岳をながめるシュミレーションをカシミールで実施してみた
そうすると、守門岳はちょうど東山に隠れて、見えるのは二つのこぶの内の左側、大岳が見えるという絵ができあがった

この結果は、実写の写真と同じ風景で、やはり大手大橋から見える山は大岳で守門岳は見えないということになる

そうすると、いままで大手大橋の右側に見えたという山は、位置としては守門岳に間違いないと思われるが
そもそも大手大橋から本当に見えたのであろうか
地震以前に作成されている地図を基に書かれたシミュレーションによれば
上の絵のように守門岳はほとんど姿が見えないという結果になる

昔見えなかった守門岳が、地震後見えるようになったというのであれば、地震によって隆起したとかと話は続くのだろうが
以前から見えないはずの守門岳が、地震後も見えないと言うのであれば、何ら変化は無いことになる
あるとすれば、見る位置によって守門岳が見えたり見えなかったりする、ということならば話は説明付く

結論として、守門岳の位置は地震後も地震前も変わっていない
守門岳と思ってみた山は、大岳なのではないか
この大岳を守門岳と勘違いしたことにより、山の位置が動いたような錯覚を覚えたということが正しいような気がする

地震前は大手大橋よりもっと離れたところから、大手大橋の方に向かって走っているとき
大手大橋の右に守門岳が見えた、というより、今でも見えるわけで

いや、そんなによくは見えないですか、待てよ、地震の直後土地の隆起なり沈下なりが起きて
一時見えたのだが、その後の余震などでまた見えなくなってしまった
ということも考えられなくもないが、ま、そう言い始めるとわからなくなってしまうので
一応ここではそう言った事情は考えないとすれば

地震を境にして、大手大橋から以前より見える「大岳」が、守門岳のような錯覚を覚えて
守門岳が大手大橋の右から左に動いたように勘違いしたというところが、私の結論となる

「越後富士」はどの山か

ここまで来たら、こんどはカシミールをつかってもう一つ気になっていることを確認してみたくなる
すなわち、米山なのか黒姫山なのかという疑問だ

下の写真は昨年１２月３日に私のマンションから見た写真だ
２００４１２０３

そして、カシミールで長岡から米山が見えるかシミュレーションしてみると「見える」となって答えが返ってきた
その断面図を出力すると次のようになる

そして、その風景をコンピューターシュミレーションで描いてみると次のようになる

さらに、引き続き、黒姫山のコンピューターシュミレーションによる絵を描いてみると
次のようになる

これをみれば、私のマンションから見えた「越後富士」は米山ではなく、黒姫山であると納得した

じつにこのカシミールというソフトは優れものだと感心させられた

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