平成17年4月4日(月曜日)

3日が締め切りの雑誌掲載論文をやっとの思いで今朝方までかかって書き上げた

月曜日は朝礼がある、何とかその朝礼に間に合わせて出社
明け方、何とか書き終えて原稿をメール送信する時の気持ちは
何となく衣装が破れているままで、補修する暇もなく舞台に立ってしまう感じだ

かといって、もう手直ししている時間も気力も体力もなくなっている

いつも思う、もっと資料を読み込んでおきたかったのに
もっと、あの論文も、この文献もチェックしておきたかったのに

こまごまとした時間の空きはあるが、まとまって3日とか集中できる時間がとれない
こまごまとした時間でいくら文献を読みあさっても砂上の楼閣のように
他の仕事が入った瞬間にあっさりと流され崩れ去ってしまう感覚におそわれる
1時間ほどのこまごまとした時間で文献や判決文を読み込んでいても
なかなか私の頭の中で新しいものが発酵してこない

まず1日どっぷりと論文を読み込む、あちこちから集めてきた文献を
どっかりと腰を据えて読み込む
これをしないと問題が見えてこない
そこで発酵してきた問題をからめながら更に文献を読み込む
そう、2日ほど読み込みに浸れると、心が落ち着いてくる
まだ1日くらいでは今までのガチャガチャした俗世間のリズムが体から離れない
2日目くらいになると体の中のリズムが落ち着いてくる
低周波のようにじっくりと論文の中に浸みてゆくような気がしてくる
こうなってくると頭の中の発酵も段々本格的になる
この発酵が起きてくれば後は筆が進む

発酵が十分でないと文献引用ばかりの論文となりページが進まない
発酵が十分になってくると書きたいことがどんどん広がってくる
そのうち頭の中に浮かんでくるポイントを書き留めることが間に合わなくなってくる

こうなればしめたもの、あとはどんどん筆を進めてゆけばよい

3日目には原稿が形をなしてくる

だが現実はこんなに悠長な時間を許してくれない
どんどん手裏剣のように仕事が飛び込んでくる
細い糸を紡いでゆくような作業が求められる
そんな作業中に手裏剣がどんどん飛んできて
糸を切断してしまう
そんな状況に似ている

論文を書く時間はとにかく集中することができるかにかかっている
自分の中にある高周波を消し去って低周波に切り替える作業だ
そのなかで一番大変なことは自分の甘えと戦う時間だ
そう、結局自分の中の甘えとの戦いだ

今朝の長生橋だ

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