2004年11月1日(月曜日)

花園町の並木も色づき始めている

今日から初出社が2名、一人は山古志村で離村し避難所生活を送っている女性
一人は栃尾市で、まだ水が通らないという男性
二人とも久しぶりの出社で、顔を見たら自然とみんなが集まって声をかけてきた
しかし、まだもう一人出社できないでいる男がいる
彼は川口市だから、今回の地震で一番被害の大きい震度七を記録した地域だ
彼からは毎日報告が入る、先週末からようやく自動車での寝泊まりからテント生活に移ることができたそうだ
テントと言えば自衛隊のテントではないかと想像している
家の中はまだ手をつけられない状態のようだ
もう1週間出社できないと報告が入った

この彼は、地震の時私の近くで残業をしていた男で、3回目の地震で落ちた蛍光灯の電球をはずそうとしていた男だ
あの後、「じゃ帰りますので、お先失礼します」などといって車で帰った訳だが
私はしばらくの間、彼は家には帰れなかったモノと思っていた
なぜなら、川口市は全ての道路が寸断され行き来できなくなっている訳で
あの地震の時会社にいたのだから自宅に帰れるわけがないと思っていた
そうしたら、本人は実にラッキーなことに地震が起きてから動いたので土砂崩れした道を車が通れるほどまだ開いていたそうだ
その空いていた隙間を通って川口まで帰れたそうだ、しかしその後、再度土砂崩れが起きて完全に通れなくなったようだ

山古志村の彼女は避難先が変更になって、我が社の隣り町内にある工業高校が避難先になったと報告してきた
いつの間にか会社に一番近い社員となった

午後、少し悠久町の自宅から離れた地域を迂回しながら自宅に向かった
自宅から車で5分程度の所に市営スキー場がある
このスキー場のゲレンデが土砂崩れになっているように街中にある私のマンションから見えたので気になっていた
悠久町の自宅まで行くのに迂回して市営スキー場をのぞいてみようと思った
スキー場の駐車場近くに行ったら進入禁止になっていたが駐車場はどうやらヘリポートになっているようで
ヘリがちょうど飛び立っていった
近くまでいってみたらどうもテレビ局関係のジャンパーを着た人が目に入った

スキー場の駐車場はヘリポートとなっている

市営スキー場から戻って悠久町の自宅に向かう途中きれいな虹がすぐそこの畑から立ち上がっているのが見えた
道路はひび割れしているが自然の織りなす風情は素晴らしいモノだと、きれいな虹を見ながら感じていた
なにか自然に逆らって独善的に人間が自然を支配しているような錯覚を覚えて勝手気ままなことをやった結果が今度の地震
そんな風に自然の絶対的な力を見せつけられ、そのあとで繊細な自然が織りなす美、虹のきれいさ、山々のすがすがしさ
空気のおいしさ、木々の芸術的な紅葉の美しさ等々、自然の偉大さと美しさをまざまざと見せつけられた気がした

虹がきれいに見える

栖吉の部落を望む景色

途中で我が社のお客様の所に寄ってみた
驚いた、建物の危険判定は「要注意」の黄色紙だった
その説明に寄れば屋敷裏の川に陥落する危険性があるという

裏の川を見ると対岸のお宅は土留めが崩れて庭が崩れ落ちていた
当社の川の土手は、社長にいわせればたっぷりお金をかけて組み上げた土留めだから崩れないという
しかし、私が見る限り、ひび割れが進んでいるような気がする

川の縁はひび割れている

手前のヒビが進めば先方の川に崩れ落ちそうな気がする

避難指定を受けている栖吉地区の民家

こちらのお宅は我が家の真裏のお宅、車庫の裏手に見えるのが我が家

自宅に着いてみたら、火災保険会社の調査員が来て建物をつぶさに確認していた
聞いてみた、これは全壊なのか半壊なのか、一部損壊なのかと
何でも地震保険は全壊、半壊、一部損壊の三種類しかないという
全壊とは中心柱が3度以上傾いたときだという
どうも我が家は半壊扱いのようだ

雨戸よの管が曲がっている、そこに母親が分岐用の管を取り付けて雨水を庭の池に流れるように細工を施した

家の脇に付いている雨戸よ管から分岐された管を伝って雨水が手前の池に水がくる
我が家の水道管のどこかが壊れているらしく、水道メーターを開くと異常にメーターが回るという、そこで仕方なく水道の栓を閉じたままにしてある
そうなると、池に水を入れられなくなって、池の鯉が大変だという

この震災はそう簡単に収束しそうにない
一時より余震の大きさは小さくなったような気がするが、まだまだ終わったわけではない
長丁場となる覚悟が必要だ
そこで、両親には少しでも体力を温存してもらいたく、ここらで少し休養してもらう方が良いのではと考えた
早速両親に意向を聞いたら近くの岩室温泉に行きたいという
ではということで岩室の地元の税理士先生にどこの旅館がいいのか聞いたらおすすめの宿があるというのでそこを予約した
1泊では休めないだろうと言うことで2泊の予約とした

私のマンションの部屋に置いてあるピアノの足が動いていた

マンションの建物の隅を見たらやはりコンクリートがひび割れていた

正面側のマンションの土台を見たら地面から少し盛り上がっていた

これは大手通角にある元内山パンのあた建物の壁が落ちていた

富山ナンバーのバキュームカーが数台走っていた

 

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