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じゃじゃ馬ならしは、全て逆転を軸としてとらえる必要がある
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リバーシブルな世界を認識する必要がある
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じゃじゃ馬の姉が貞淑従順な妻となり、妹の物静かな乙女ビアンカはわがまま女房となる
主人のルーセンショーが召使いのトラーニオと入れ替わる
マンチュアの学校教師がルーセンショーの父、ビィンセンショーになりすます
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恋に落ちたルーセンショーは詞の家庭教師にばけ、ホーテンショーは音楽の家庭教師にばける
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全てが入れ替わりになったところからストーリーも逆転(本来の姿に戻る)が始まる
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じゃじゃ馬ケイト(キャタリーナ)がペトルーチオにだんだんならされて来たところで化けていた全てが戻される
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そのキッカケとストーリーの逆転を進めるために登場する人物がルーセンショーの父で大商人、
ヴィンセンショーの出番となる
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ヴィンセンショーが出てくるまでに彼のことはすごい大金持ちでそれなりの人物であると何度か前振りがなされる、そんな前振りをしておいたところでいよいよ登場と言うことになる
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この前振りで彼の役割を高めることになる
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若者は恋に惑わされて身分を捨てても乙女に近づこうとするが、それは外見だけの見た目の乙女に惑わされて近づいて行く。自分の本当の中身をぶつけ合うのではなく、表面的な言葉巧みに言い寄るものでしかない。
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人の本質を捕まえること無しに表面的なことのみで人をだましてでもてに入れようとするおろかさについて最後の語りへとストーリーをつなげる転換場所に大商人ヴィンセンショーが登場する
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「起承転結」の「転」の役割を持ってルーセンショーの父であり、大商人であるヴィンセンショーが登場する
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彼がこの芝居の中で重みのある役を十分演ずる必要がある
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この芝居の最終場面へ観客の気持ちを切り替えさせて「なるほど」と聞かせる体勢にするための、流れを断ち切って切り替える役をヴィンセンショーは担っている
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前半のじゃじゃ馬をしつけるペトルーチオの強烈な個性とは違う、観客に訴える重みのある役所が大商人ヴィンセンショーだ
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ペトルーチオとじゃじゃ馬ケイトにからかわれても冷静に対処したヴィンセンショーほどの紳士が、自分の息子の召使いが主人と入れ替わっていることに気づいて頭から湯気を立てるほど怒って怒鳴り散らしていながらも、息子に謝られれば息子にはしかることをせず召使いを責める
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大商人といえば徳を持った紳士、そんなヴィンセンショーすらも、主人にばけた召使いを口汚くののしる、ここにもこの芝居の基本テーマである逆転が隠されている
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こんな流れの中でストーリーをエンディングに導く、これがヴィンセンショーの役
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現在この役に私ともう一人がエントリーされていますが、どうなりますことやら