150日目の還付平成14年桜税会新聞掲載 原稿税理士 高野 裕 |
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4月1日、この日は私の誕生日である。この記念すべき日に、私は記念すべきことを計画した。それは、税理士法人の設立である。 よし、4月1日に登記をするぞ。カレンダーを見たらなんと月曜日、よしよし、税理士法人設立は4月1日の月曜日、何となく新しいスタートを切るにふさわしい日である。 3月15日号の「税理士界」に「税理士法人の手引」が掲載された。やっと税理士法人設立関係の手引きが公表になった。早速、「税理士法人の手引」をじっくり読む。「登記に必要な準備行為」との見出しがある。注目する。「@税理士法人の名称」これは決まっている。税理士法人パートナーズプロ・タカノである。「A代表社印を作成」これも準備は出来ている。「B社員となる税理士個人の印鑑証明書」ハイハイ、いつでもOK。「C定款を最低三通作成し公証人の認証」ということで、別添の定款サンプルのままに、句読点、見出し、記号まで同じにして作る。「D公証人による定款の認証・・・・公証人役場へ定款三通(一通は四万円の収入印紙を貼付します。他の二通は収入印紙が不要となります。)」じつに親切な説明である。さすが、我らの税理士会作成資料である。もう一つ記載があった、「E税理士であること・・・の証明書(日税連が発行する証明書)」おいおい、なんだこりゃ、ま、考えてみれば、税理士法人を作るのだから税理士であることの証明書がいるって当たり前といえば当たり前か、と納得した。 そこで真っ先に税理士会に電話した、税理士法人設立のために必要な税理士会の証明書はどのようにしたら発行してもらえるのかと。対応に出てくれた担当の女性はキッパリと、「4月1日施行の証明書類など4月1日以降でなければ受付しません。必要なら4月1日以降にお問い合わせ下さい」と。この瞬間に私の夢がうち砕かれた。 設立登記がだめなら認証をと、認証の日を4月1日に設定した。いよいよ、4月1日である。私の誕生日でもあり、新しい会社を生み出す第一歩の日ということもあり、緊張した面もちで公証人役場に向かった。「手引」どおりに作成した定款六通とまだ貼り付けてない印紙、念のため税理士会作成の定款サンプルを持参した。事前に税理士法人の認証だと電話で伝えておいたためか公証人は気さくに対応してくれた。そして、税理士会の定款サンプルも見せて欲しいということで渡した。問題なく認証が終了し、原本に印紙を貼り付けて提出した。 翌朝一番に公証人から連絡があった。税理士法人の設立には印紙がかからないと法務省民事局より連絡があったとのこと。税務署に還付の申請をしてはどうかとのアドバイス。日本公証人連合会からのFAXをも送ってくれた。確かにそのように書かれている。早速税務署にそれらの書類を持って還付申請手続きを相談に行った。税務署は印紙を貼り付けた原本提出が原則という。公証人の所に相談に行く。原本は公証人の金庫に保存されるので持ち出すことは出来ないがコピーならと協力的。税務署にその旨伝えるとコピーでは駄目、あくまで原本確認という。再度公証人に相談するが残念ながら原本持ち出しは出来ないと。税務署に再度事情を説明しコピーでなんとかならないかと交渉。国税局へ確認してみると答える。後日、局から返事が来たという。彼によれば、局でもはじめてのケースなので資料を提出してくれという。なにか局内ではじめての事例にたまたま自分が担当となり晴れがましいのか、彼はウキウキして話す。 それから3ヶ月後の7月上旬、署から電話があった。申し出の件については申し出通りに対応すると。「印紙税過誤納確認申請書」を提出して欲しいと。それもすぐではなく下旬に提出して欲しいと。結局7月26日に申請書を提出した。その結果、8月27日に4万円が国税還付金として振り込まれてきた。もちろん、4万円だけ。印紙を購入してから150日目のことである。 2002年9月27日記 |
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