誕生日の翌朝

前編「ブルーなバースディ」 後編「誕生日の翌朝」

誕生日の翌朝
そう、コンビニ弁当の後寝てしまった翌朝
会社に出かけるとき長女が
「お父さん、私今日で東京に帰るから・・・」
おう、そうか、もう帰るのか
「そう、アルバイトがあるから・・・」
そうか、そうそう、冷蔵庫にケーキがあるぞ
昨日コンビニから買ってきたやつが・・・
「昨日、お母さんが帰ってくるまで待っていたのに
お父さん寝てしまうんだもの、レーズンケーキあまっているよ」
あぁ・・・そうか・・・じゃ、気を付けて行けよな・・・
「うん、じゃ」
ふと、私は思った
私が買ってきたのはマロンショートケーキ
あれ、レーズンケーキなんて買ってないよ

その日の夜、10時頃家内の残業につきあって家に帰ってみたら
テーブルの上に置き手紙と箱が置いてあった
「お父さん、お誕生日おめでとう、昨日は寝てしまったので
渡せなかったけれど、せっかく用意していたので置いていきます
もう50歳なんですね、これをつかって50年間の疲れをとってください」
と書いてあり、リボンの付いた箱があった
そこにいた息子は
「お父さん、プレゼントがあって良かったね」と
「冷蔵庫にケーキがあるけど食べる?、みんなは飽き飽きしているけどサ」
冷蔵庫には私が買ってきたショートケーキの他に大きなケーキ箱があった
そうなんだ、そっか、昨夜、私が一人でイジケて
結局寝てしまったから、自分で自分のバースディーをブルーにしてしまったのだ
早速ウキウキしてプレゼントを開けてみたら
アロマテラピーというのか、癒し系の香りのするキャンドルであった

2002年4月5日 柏報掲載

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