お盆ということで親戚が集まってくる
すると昔の話が出る
そんな中で
昔、「高久の料亭」はあかがねの小さな鍋でドジョウ鍋を出して評判を取ったという
さらに、8月のシーズンを過ぎてドジョウ供養もしていたなどと話が出る
また浜松までウナギを仕入れに行った話がでて、そんな話を聞きながら
私は祖母が昔、ウナギをさばくので右手の親指の爪が割れるという話をしていたことを思い出していた
そして、今度はそのドジョウ鍋に「高久」の屋号が入ったフタがついていたと話が及んだ
すると、「そのフタならありますよ」などと現物がどこからか出てくる
私は初めて見る代物だ
確かに漆の塗り物に朱で「高久」と書かれている
ついでに、お茶茶碗のフタに家紋が書かれたモノも出てきた
湯飲みの蓋(ふた)に家紋が書かれている
この家紋は我が家の家紋で
浮き草だと聞く
さらにこんなモノまで出てくる
というより、これは私が小さい頃
当たり前のように使っていた代物だ
これはご飯を中に入れて塩ごまを振りかけ、上からもう一つの型を押しつけると
あら不思議、にぎり寿司というか鉄火寿司というか
良く子供の頃作ってもらって食べた記憶がある
またおもしろがって私もお手伝いして作った記憶がある
そういえば、昔は当たり前のように刺身包丁や出刃包丁が台所にあった
それが普通だと思っていたが
刺身包丁などはもちろん、出刃包丁も家庭で見なくなった
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