平成17年11月05日(土曜日)
いよいよ今日が本番だ
朝早くなじみの床屋に行って髪をオールバックにしてもらい
今日のためにそろえた小物
ゴールドの懐中時計
真っ赤なネッカチーフ
錦織のネクタイ
ワインレッドのワイシャツ
などなど
しかし、ほとんどは私のいつもの支度と同じだ
いつものスーツにいつもの帽子
ほんと、いつもよりちょっとハデメだというだけだ
楽屋入り口からシアターへ向かう通路
何となく晴れ晴れしい気持ちでこの通路を歩く
久しぶりに大勢の観客の前でスポットライトを浴びる
楽屋に入ると私の場所が用意されていた
私の隣は刑事役の彼だ
皆さん段々緊張が溜まってきているようで何かはしゃいでいる
さて、ようやく舞台へと向かう
舞台上から観客席を見る
大勢の観客がこのシートを埋めた姿を想像する
舞台上の大道具をチェックする
舞台中央におかれた段の上に立つ、結構高さがある
足元を見下ろせば、そこに仕込んである靴の片割れが見える
舞台の袖には小道具置き場が用意してある
これは音響調整板、舞台の袖に設置されている
楽屋ロビーから見える中庭の池、ここが太陽光を取り入れてくれるから落ち着く
おしゃれなイスが置いてある、そう、リリックが作られたときは単純なイスではなく
こういったおしゃれなイスなどがきちんと設計士により指定されていたのだろうが
その後の維持管理にはコストだけが優先されて
椅子が壊れればそのままとなってしまうのだろうか、などと考えてしまった
舞台に置かれたイスの後ろに仕込まれている小道具の靴
舞台から客席真上の照明を見上げる
春先に照明技術のワークショップがあったとき、あそこに上がって足元がすくんでしまったことを思い出した
楽屋にはお昼のお弁当代わりにおにぎりやオードブルが運び込まれた
みんなでかまっている様子、本番前は何となくみんなテンションが上がって
どうでも良いことにでもみんなで反応し合う、何となくワイワイガヤガヤとなってくる
今日は11時からゲネ、本番前のリハーサルが行われる予定だったが
照明の調整が間に合わないと言うことで、場面転換だけを
行うと言うことになった
結局、この舞台で大道具や衣装を付けて通し稽古をしたのは昨夜1回キリで
あとはそれこそぶっつけ本番となってしまった
いよいよメイクに入った
プロのメイクの方から仕上げてもらった
そう、右の彼女が本職の方だ
どうです、目力(めじから)がありますでしょうか
今回の芝居で舞台上の写真を撮る余裕が無くて
結局これだけ、オールバックのこれって、どこかのスナックのマスター風ですな、ハハハ
彼は悪の権現とでも言いましょうか、イタチです
なんとなく舞台道具を見ていたら気になったので、網です
本番直前に大道具などに取り付けられた「ホタル」、目印用の明かりです
なかなか決まってますよ、キューピーさんみたいでおもしろかったのでパチリ
ここは舞台の裏を通る通路、足音がしないように下にカーペットを敷いた
本番が始まった、出番を待つ人が大道具の陰できっかけのセリフを待っている
みなテンションが上がっている、順調に芝居が進んで行く
やはり衣装を着るとそれなりに決まってくる
芝居も最終場面へと進んで行く
「男なんか産まないわ」とつぶやきながら妊婦の女が去って行く
客席は静まりかえって最後の場面へと注目している
「クロ」と言いながらシロが右手を差し出し、クロは傷ついた右手を躊躇しながら差し出して握手する
シロは
「あんしんあんしん」といつもの口癖を言いながら暗転する
あっと言う間の本番だった、来場者は180名ほどだという
すぐさま舞台は取り壊されて明日の劇団の準備へと忙しい
大道具を奈落に運び込むためにオーケストラボックス部分の客席がおろされた
奈落が見えてきた
ここは荷物置き場となっている
薄暗い奈落に真っ白なマネキンが無造作に置かれているのが目に付いた
何となくこんな寂しいところにポツンと置かれているマネキンがかわいそうに思えた
上が舞台、下が奈落
打ち上げ会場に向かったが、少し時間が早かったので一緒の人と別な店で時間つぶし
お通しに出て来たものは菊
打ち上げが始まった、アンケートへの記載コメントなど読みながら一喜一憂している
「オッス」「お父さんにビール注がさせて下さい」「あいよ」
皆さんにぎやかにお開きとなりました
とにかくけが人が出なくて無事終了したことはめでたしめでたしですね
そして、私も久しぶりに舞台に上がることができて楽しかったですよ
やはりお芝居は観るよりやる方がおもしろいですね、ホント
楽しかったです
できればまたチャンスがあればやりたいですね、ハイ