平成17年8月28日(日曜日)
せっかく松本まで来たのだから上高地へ寄っていったらどうかとすすめられた
しかし、今年はあまり天気が良くなくてきれいに見えるかどうかはわからないと聞かされた
行くのだったら朝早く出かけてゆくのがよいと聞かされて松本を7時に出発して出かけていった
曇り空のように山には雲が掛かっていたので見えないかなと思って見たが
とにかく登ってみた
途中からマイカー規制とかで駐車場に車を置いて乗り合いタクシーで登っていった
どこまで行くのかと聞かれたので「河童橋」と応えた
初めてかと聞くので「そうだ」と言ったら
「それなら大正池で降りて、歩いて河童橋まで行くのがおすすめだ」という
距離は4キロほどあるが平坦で歩きやすいし、苦にならないから是非歩いてみよと言う
乗り合わせた関西なまりのおばちゃんも「そうだそうだ」と相づちを打つ
そうかということで、大正池でタクシーを降りた
驚いた、目の前に見覚えのある景色が広がった
そう、この景色も写真やテレビなどで何回も目にしている風景だ
大正池は大正時代に焼岳の噴火によってできた池だという
それなら、先の震災で山古志の芋川が土砂崩れでせき止められたあとに自然のダムができたが
これなんかもヘタにいじくり回さなければ観光名所になり得たのではないかと思った
ま、そんなこと言っても、下流の民家が危険にさらされるとか何とかといろいろ言われて
気が付いてみれば大型重機で山が削られ、コンクリートで固められ、ポンプや管が張り巡らされ・・・
安全とは何なのだろうか
人が人工的に自然をいじくり回して「治山治水」する事なのだろうか
自然の流れに逆らって、人が自然を支配することなのだろうか
そうではなくて、自然に適応するという考えはないのだろうか
自然の流れに応じて「適応」するということが必要なのではないだろうか
そんなことを考えながら梓川のほとりを歩いていた
河童橋までまだ3.2Kもあるが、歩いていてすがすがしい
左の山は3千Mの前穂高だという
この風景はなにやら中国の山水画に似た風情を感じた
小さな子供を背負って家族で歩いている
穂高の山々と梓川のほとり
奥穂高の真下に見える沢にはまだ雪渓が残っている
その雪渓を背景にした河童橋にようやくたどり着く
吊り橋だからゆらゆらと揺れる
そのたもとにあるホテルで一服休憩をした
ここのサインマークもおしゃれなマークを使っている
だんだんと人が増えてきた
景色は実に良い、3千Mクラスの山が目の前に、そう、ホントに目の前に見える
ヘリが穂高の頂上に向かって飛んでゆく、頂上付近でホバリングしているのが見える
遭難者でもいたのだろうか
肉眼でも山の峰を歩いている人が見えそうな感じがする
ドンドン人が増えてくる、皆さんカメラを持って、そう、あちこちで「チャリン」とか「ポロン」とか音がする
最近は携帯のカメラで写す人が増えている
私も、携帯で写して子供に添付してその場で送ってやった
「河童橋」だ、何故河童なのかはわからない
しかし、これだけ人がいると、さすがの河童も顔を出すことのままならないようだ
ちょっと早めだが、ホテルでブランチを取ることにした
このホテルからは河童橋が見下ろせる
早い時間だったので席の予約はできた
「五千尺ホテル」となっている、ふと思った、「アルプス一万尺」と口ずさんでいた
スイスの山々より高さが半分なのだろうかと
きれいにホテルの窓から西穂高、奥穂高の山々が目の前に見える
梓川の水は本当にきれいだ、川底の石が良く見える
河童橋からバスターミナルまで歩く、大勢の人がドンドンとやってくる
高齢な方々も歩いている
せっかく、ここまで来たから「白骨温泉」をのぞいてみようと山道に入った
道は車両1台分しか通れない場所が多く、すれ違う車に手こずる
けっこう多くの車が行き来していた
どこか日帰り入浴させてもらえないかと地元の人に聞いたら、この宿を紹介してくれた
入ってみた、硫黄の臭いがする
硫化水素の温泉だという
楽々と湯船につかって
露天風呂のすがすがしさも堪能してきた
温泉街の入り口でお粥の振る舞いをやっていた
今日は乗鞍岳サイクリングレースなるものを午前中やっていたので、午後からその関係で下りてくる車が多いという