平成16年11月25日(木曜日)

今日、地元新聞社主催の懇話会があってそこでのテーマが「何故、新潟県中越地震は起こったか?」
今日の講師は鹿島建設の研究室においでの武村雅之先生
彼の話を聞いているといろいろなことがわかった
過去に置いて大きな地震で参考となるものがいくつかあるという
1828年の三条地震(M6.9)
1847年の善光寺地震(M7.4)
などがそれだという
それらの地震の中で特に有名な資料があるという
それは、小泉其明の「懲震秘鑑」という資料だという

さらに今回の被災地の写真を見せながら、どういう場所が被害が大きくなっているかを説明して
神戸の震災の時の資料なども一緒に説明しながら彼は言う「土地の来歴が重要ですね」と
要するに、昔沼があったような場所とか土砂が堆積してできた場所とかはよく揺れるという

そして、今生活している場所は地震の痕跡だらけなのだと
神戸地震を引き合いに出して、「関西には地震はない」などと勝手にみんなが思っていたようだが
そもそも六甲山は地震のたびに1Mほど高くなってできたようなものだから大昔から地震の繰り返しがあって1,000Mほどになった
だいたい、平地から急に山ができている場所は活断層があって地震の繰り返しで今の山ができたと考えるべきだ
そういう風に見てみると、現在の長岡と神戸は同じでないか、と彼は写真を見せて訴える
確かに海から見える神戸の街と六甲山の景色は、信濃川から見る東山の景色にそっくりで
神戸の時も六甲山の麓が大きな被害を受け、今回の地震も長岡の東山の麓が軒並み被害を受けている
そうすると、私の家のある悠久山は、神戸で言えば元町当たりの洋館作りの多い地域と同じだということであろうか
などと思いながら聞いていた

また、関東大震災の時、五島しんぺいなる人物が先見の明を持った復興をなしたことで今日の東京がある

そもそも、今人が住んでいる場所は、昔地滑りがあったりして平地ができ住めるようになったわけで
日本に住んでいる限り地震とは共存するしかない
むしろ、我々は地震が作ってくれた自然の上で生活をさせてもらっていると理解すべきだ
そして、「せめてこたびはかくありけりと・・・」と小泉其明が書き残したように
我々も地震の様子やその後の復興の状況など、子孫への戒めとして書き留めておくべきだと

今日の講演を聴いて、私が睡眠時間を削ってまで毎日更新しているこの震災の状況報告も
必要なことなのだと意を強くして、もう少しやれるだけ続けてみようかと思った次第だ

いつもはスーツ姿のカメラマンが、さすが震災中ということで現場にすぐ飛べるカッコウです

講師は地震を避けることはできないし防ぐこともできない、だから共に生きることを考えよと言う

インターネットで小泉其明と検索をかけたら次の2点が目に入った

「せめてこたびはかくありけりと…」

「文政十一年(1828年)十一月十二日朝五ッ時(午前8時頃)に越後平野中央部を襲った地震は、典型的な内陸直下の地震でした。世にいう越後三条地震です。この地震で、北北東−南南西方向の長さ40 km、幅20 kmの長円形のヘ囲に入る村々がほぼ全滅しました。
  この地震のとき、新発田藩領今町(現見附市)の村役人であった小泉其明(きめい)とその息子の蒼軒(そうけん)は、震災時の救出活動やその後の被害調査で大奮闘をします。今日に残る村々の被害状況や奇事・変事を記した文書の多くは、この親子がとりまとめたものです。小泉其明・蒼軒親子は、二代にわたって越後・佐渡の測量・地図作成に尽力した地理学者で、その名は江戸にも知られていたといいます。地震当時、其明68歳、蒼軒32歳でした。」(新潟県立西新発田高等学校 河内一男)

http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol28/v28p6.html

本間家懲震比鑑(ちょうしんひかん) 絵画

 「新津市市之瀬の本間幸雄さん宅にある絵画「本間家懲震比鑑(文政地震画帖)」は、文政11年11月12日、現在の三条市を中心に発生した大地震の情景を、当時今町(現在の見附市)に住んでいた本間家の祖にあたる小泉其明が、自分の目で見、耳で聞いたことをそのまま写実的に描いたもので、本間家が代々にわたり収蔵、保存しています。
  この懲震比鑑は、三条大地震の実態を知るとともに、地震学全般にとっても極めて貴重な資料です。なお、懲震比鑑とは、其明が「地震の懲らしめに慎む鑑」と言う意味で、後世の人々を戒めるために、画題にしたのではないかと言われています。」

http://www.city.niitsu.niigata.jp/mgr/area/iseki/takara2.html

けさ、マンションの一角にいざというときのための簡易トイレが置いてあった場所

よくみたら、そこがこのマンションで一番被害が目立つ場所のような気がした

マンションの駐車場脇にあるお宅の庭木が素晴らしい

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