嵐渓荘

せっかくここまで来たからと思い、ちょっと嵐渓荘に寄ってみようと思った

久しぶりである

いつもマイクロバスが脇道から急な坂道を下って吊り橋の入り口に付け

歩いて吊り橋を渡りながら川沿いに木造三階建ての古い旅館を見て

水車を目にしながら玄関に入ってゆくという嵐渓荘の演出を思い出していた

しかし、私は車で直接旅館の裏手に着ける反対側の道を知っているよ

という風に得意になって、チョット余裕を見せながらマイクロバスの入るべき脇道をみたら

なんと進入禁止になっている、あれ、どうしたのかなと思って少し先を見たら

これは大変、道が崩れている、ガードレールがつり下がっている

こんな所にも2004年7月13日の水害あとが・・・

嵐渓荘の裏手に車を止めて宿の正面にまわってみた

ここ嵐渓荘は東京のお客様を何回かご案内して皆さんに喜んでもらった

私は特に正面の三階建て建物が好きである

この奥にも鉄筋作りのきれいな部屋もあるのだが

この木造作り三階建ての三階の部屋が好きだ

ここは混浴になっていて古い作りの湯船に入り、湯煙の向こうに

女性用の脱衣所から入ってくるガラス戸がうっすらと見える

もちろん脱衣所は別々になっているが湯船は大きな湯船が一カ所

中で一緒になるという仕掛けになっている

確かに中に入ってみると女性用の脱衣所からの出入り口がある

先ほど脱衣所の入り口でのれんを分けて入っていったあの女性が

きっと湯煙の向こうの女性用脱衣所出入り口の戸を開けて

今にもガラガラと音がして入ってくるのではないかと期待する

湯船の中に首まで浸かってジーーーっと待っているが

いつまでたっても扉の開く音はしない

おかしいと思いながらも、きっと恥ずかしがっているのかななどと勝手に想像して

ただただひたすらのぼせるのも顧みず湯船に浸かって待っている

いよいよのぼせてしまうのであきらめて湯から上がって岩の縁に腰掛けて

のぼせ上がった頭を冷やし待つがやはり戸はグラッとすることさえない

私の頭の方がクラクラとしている

あとで聞いた話では、なんでも女性用の脱衣所には混浴へ通じるとびらと女性専用の湯船に通じるとびらがあるという

 

ここの旅館へのイントロ、吊り橋と水車だ

やはり彼女は怖いといって渡らなかったが、この吊り橋は揺れないように工夫されていた

前に戻る 目次に戻る