○日時:2002年3月14日(木)19:00〜21:00
○場所:長岡市立劇場・中会議室
○出席者:メンバー:家田、内山、小柳、川上、菊地、高野、永井、長尾、中村、野上
長谷川、渡辺
※野上氏は、今井氏の代理
事務局:神林事務長、五十嵐長岡市立劇場長、渋川事業係長、金子管理係長
滝沢管理係主任、植木事業係主任
○議事等
1神林事務長からの開会の宣言
2内山座長のあいさつ
(事務局から、都合により欠席したメンバー3名の意見を配布) → 詳細はこちら
(中矢館長退任表明後の経過報告)
事務局
・中矢氏が、長岡リリックホールの館長を辞任したいとの正式表明がされたのが、2月15日。
館長が市長に直接会い、辞任の旨意思表明をし、理事長はそれを受理した。
・辞任の理由は、今年4月から1年間、大学の研究休暇制度を利用するため。
・財団では、これを受けて館長が不在になるので、体制の検討に入ったところだ。
・3月議会で、議員からリリックホールの館長制度について、一般質問が出された。3月7日、
市議会の本会議席上、市長は、館長の辞意理由と今後の方向性について、答弁をした。要
旨のみ紹介すると、次のとおり。
@いますぐ後任を探すことはしない。
Aこれまでの枠組みを大きく変えるつもりはない。
B館長・副館長制度については、見直しも検討したいが、現在財団で行っている運営懇話会
で皆さんの意見も聞いて、対応したい。
・財団の現在の考えはここまでで、このことは本日のテーマにもなっているが、様々な意見を聞
いたうえで、最終的に財団で考えていきたい。
・これに付帯することとして、3月8日、副館長から辞職願いが財団事務局に提出された。これを
受けて、理事長から副館長に、館長の後任としてどうかと打診をされたと聞いている。副館長
からは、館長の任にはあたらないと断られた。それなら、縁の下の力持ちとして、何らかの形
で協力してもらえないか、という要請に対しては、考えておくという返答だった。
・事務局内で、財団・事務局の体制について、様々な案を検討している。理事長から、運営懇話
会の皆さんの意見を聞くよう指示が出ているので、本日の議論を整理し、最終的に理事長に報
告を上げて、判断を仰ぐことになる。
・最終的な決定については、3月27日開催の、財団の理事会、評議員会に最終案をまとめて諮
っていく。
3議事
(●「座長」、▲「事務局」、・「参加メンバー」の発言を表す。)
(野上氏自己紹介)
@長岡リリックホール館長・副館長制度について
●現在の組織体制はどうなっているのか?
・自分は、事務局の体制や、それがどのように機能しているのか、よく分かっていない。現時点
で、館長・副館長が不在の状態で、今までの体制と変わってしまうのは大変なことだ。機能・
融通性など、あらゆる点で、今までと異なる方向性が出てきたときに、事務局の仕事量も勘
案すると、どちらのほうが効率的だと考えているか? 基本的に、この懇話会は、市民の意見
を聞く場所だが、まず事務局側の現状での意見・考えをたたき台として参考にしたうえで、メン
バーから意見を出してもらったらどうか? 館長・副館長制度の実情も聞かせてほしい。
▲リリックホールの館長が、財団の事業運営のトップと位置付けられていた。リリックホールとい
う建物の館長が、運営母体である財団の事業運営のトップという構図になっている。新しい施
設を建設したときによくあることだが、リリックホールという建物が先行して完成し、そのヘッド
が先に決まってしまった。施設の整備が進む中で、リリックホールの運営母体を考える作業が、
かなり遅れてスタートした。これが平成7年ごろ、一方リリックの建設計画のスタートは平成4
年だ。本来なら、運営母体の財団の中に、市の建物を管理するセクション、事業を構築するセ
クションがしっかりしていて、そこに誰を当てるかという構造であればよかったが、館長が先に
決まり、後から財団だったので、少し無理があったように思う。直営ならば問題はないが、財団
が後から立ち上がり、館長が平理事に就任するというギャップが生じた。これは、いずれ修正し
なければならないと、財団事務局では認識していた。財団に常務理事なり、リリックホール担当
理事がいて、その人が館長も兼務するのであれば、分かりやすいのだが。このことが、組織の
体制を分かりづらいものとしている。事務局としては、どのような組織が一番良いかをまず考え、
その次に誰を当てはめるか、その適任者はいるかという形で、整理していきたい。
・第二次新長岡発展計画の「文化振興推進体制の確立」中、『文化振興指針の策定』『芸術文化
振興財団の設立』『文化協会の設立・支援』という記載は、分かりやすい。文化振興をどのように
行うのか、市民が同意できるようなコンセプトにのっとって、財団が文化協会と協力して文化振興
を図っていく、そのような構図が望ましい。『文化振興指針』は、12年度までに出来なかったし、
文化協会も市がどのように考えたのか分からないが設立されていない。中矢館長が市長に白紙
委任を受けたというのは、『文化振興指針』の部分についても一任されたと考えられるのではない
か。市のスローガン「個性豊かな国際文化都市・長岡」に結びつけて自主事業を考えると、2月に
発行されたアートエクスプレスに掲載されている「東西の芸術の出会うホール」というタイトル、これ
が一番リリックホールに当てはまると思う。様々な苦情・提言が出てきた背景には、リリックホール
のコンセプトが十分に浸透していなかったことによるのではないか。あるいは、市民の間から盛り
上がってきたコンセプトでなかったのでは。こういったことに取り組む必要がある。5年間に、ホール
の係員が何回か交代しているが、それらのスタッフが館長の掲げる理想を十分に消化していたか
は、疑問だ。終わってみると、半分も聴衆が入っていなかったし。コンセプトがしっかり出来ていれ
ば、否応なしに、それを実現するために、皆の話し合いの中で、チケットが売れないという問題など
もクリアーできていくのではないだろうか。コンセプトが良い悪いではなく、体制が整わないままに
走り出した観がある。コンセプトは重要だ。
・もっと、人を入れることを考えるべきだ。
・コンセプトについてだが、当初、三善先生が出された提案書には、指針になる素晴らしいこと
が書かれているし、今日配布された欠席者の意見の中でもいろいろ触れられている。以前配
布された資料も含め、それらをたたき台にしながら、この場でコンセプトについて討論を重ねて
いったらどうか。
▲欠席者3名の方の意見をベースにして話し合ってもよいし、個々に賛成、反対を述べてもらって
もよい。小出郷文化会館のシステムは、前回までの話し合いの中でご存知だと思われるが、他
の会館がどうなっているかを紹介したい。りゅーとぴあは、新潟市芸術文化振興財団が運営母
体だ。新潟市は文化施設を多く抱えており、それらを財団が市から受託を受けて管理している。
事業については、財団の中の事業課が事業の組み立てを行っている。ただ、専門のアドバイザ
リー・プロデューサーから意見を聞く制度を導入している。演劇1人、音楽が1人で、そのプロデュ
ーサーが企画を行っている。新潟県文化振興財団は、文化施設の管理運営を県から受託し、よ
り多面的な経営になっており、長岡の県立歴史博物館や新潟の自然科学博物館も運営してい
る。県財団や新潟市の財団に比べて、長岡の当財団の基本財産は1億円と少ない。低金利の
時代で、基金を運用した結果発生する果実(利息など)は、ほとんどない。したがって、長岡の財
団では、長岡市からの補助金が一番大きな財源で、それに事業収益をあわせて、8,000万か
ら9,000万の事業を組み立てている。そういった点で、新潟市や県とは、財団の運営に若干の
違いがある。公的な施設の受託管理という点では、3者全く同じだ。リリックホールも市立劇場も
当財団の管理だが、リリックホールの館長を採用して、その館長が財団の立場で事業のプロデュ
ーサーをしていたことが、財団の組織を皆さんにとって分かりづらいものとしている。りゅーとぴあは、
施設管理のためのセクションがあり、支配人がいる。事業は、事業課・アドバイザーがいて、それを
構築している。長岡とは、若干システムが異なっている。長岡は、施設の長と事業のプロデューサ
ーが一体化しており、分かりづらくなっている。そのせいで、館長が辞任したから、それでは次は誰
だという話しが出てくる。
●3月27日に理事会が開催されるが、懇話会としての大方の意向をまとめておいたほうがよいと思
う。
・館長は、事業の担当でなおかつ施設の担当だったとのことだが、それは定款(寄附行為)上、その
ように規定されているのか?
▲規程上、そうなっている。
・館長は、理事会で選任するのか?
▲館長は委嘱となっている。
・館長は財団の理事になっているようだが。そのあたりをはっきりさせておく必要がある。
▲理事長の任命事項となっている。
・館長になると、自動的に理事になるのか?
▲そうではない。現実として、館長が辞任する。それに引き続き副館長も辞表を提出した。4月1日
になった途端に、席はあるが人がいないという状態になる。この状況でも事業は実施できる。皆さ
んの意見を聞いて、将来的に館長という職が必要なのか、ということになる。事業のプロデューサ
ーは必要だが、その人が館長である必要があるのか。これは、あくまでもネーミング、肩書きの問
題だ。
・理事長の任命とのことだが、理事会に諮って、その結果に基づき理事長が任命するということでは
ないのなら、館長は重みのない役職だという印象を受ける。理事会にも相談されないような。そんな
感想だ。
・いろいろな人の様々な意見が出されているが、組織図について、懇話会の場で、こうあったら良いと
いうことを討論しあって、良い提案を作っていき、会として提案していけたらよい。採用される、されな
いは別にして、市議会の場での市長の答弁も、懇話会の意見を聞いて、ということは、その意見を反
映させたいということにもとれるし、期待されているともとれる。
・市長の答弁や、理事長の任命という決定の方法論を考えあわせると、そもそも、どれくらい煮詰め
ることが許されているのか? 理事長がすでに任命しました、という既成事実ができてしまえば、
次の館長が決まってしまうという可能性もあり得る。そうすると、ここで話し合う意味がなくなってし
まう。自分たちが知らない間に、理事長による館長の任命が行われるということが、あり得るのか?
▲先ほどの説明でも触れたが、事務局としては急がないというスタンスでいる。どこまで急がないか
については、現在、平成14年度事業の構築が終わり、すでに実施の準備に入っている。秋口には、
平成15年度事業の構築に入るので、その時期までには体制を固めないと、事業のプロデューサー
の意見を15年度事業に反映できなくなってしまう。したがって、急がないといっても、1年までは待て
ない。ただ、3月、4月ということではない。
・評議員会とこの懇話会は、どういう位置付けなのか? 評議員会は決定機関ではないにしても、財団
の中では大きな影響力を持っている会だ。懇話会の意見が、どこでどういった形で反映されていくのか?
・自分は市議会を傍聴していた。そこでは、懇話会の意見を聞いてという言い方もあったが、企画部長と
理事長は懇話会で検討中だと言っていた。理事長の勘違いなのか? 食い違いがあるのでは。
▲食い違いというより、ニュアンスの問題だ。言葉じり1つ1つで判断するのではなく、懇話会のコンセプト
は、従来から説明しているとおりであるし、その認識は理事長にも報告してあり、同じ認識だ。
・ここで検討しあったことが、最終的な結論に反映されるのか?
▲反映される。この議題についての意見を聞かせてほしい。理事会、評議員会の位置付けについて説明
すると、財団の成り立ちを規定する根本的なものとして、寄附行為がある。財団は寄附行為によって設
立され、それに付随する規程によって運営されている。財団の構成上、一番上に理事会がある。理事会
の長が理事長。理事会とともに設置されているのが、評議員会。これも、寄附行為に規定されたものだ。
相互に牽制することにより、一方が暴走することを抑制している。最近は、その両方を設置するよう指導が
なされている。懇話会は、寄附行為によって設立された会ではない。財団を運営する上で、皆さんの意見
を聞いて、事務局としての案を作成し、それを検討してもらう場だ。
・さしあたり、自主事業は事務レベルで進められるなら、考えられるだけ考えたらよい。市長の答弁どおり、
懇話会の意見を吸い上げてもらい、それで足りない分を新たに諮問機関などを作り、その場で討論しても
らい、館長・副館長は必要なのか、事業・管理の2つのポジションの棲み分けをするのかなどを考えていっ
てほしい。ただ、個人的には、リリックホールの館長がいて、市民が何かをする場合に、顔をいつも出して
くれて、市民それぞれの意見を吸い上げて、市民の視点で見てくれる人がいてくれたら、うれしい。
・館長は、長岡の人でなくてもよいが、市民と一緒に事業を見ていってほしい。
・館長という役職は、あったほうがよい。それから、中央に顔が利く人がよい。水戸芸術館が、まさしくそうだ。
中央とのパイプが広いと、何か企画するときに助力してもらえたり、その顔で新たな展開が見出せる。館長
には、このタイプと常駐して市民に密着するタイプがある。どちらが良いかということになる。中矢館長は、前
者だ。これだけ大きな組織で、一年中事業を行っていると、館長がないというは問題なのでは。
・自分は専門外なので詳しいことは分からないが、そもそもどうしてこの懇話会が必要になったのか。皆さんの
話しを聞いていると、リリックホール開館時のことが尾を引いているのか、ともとれる。館長の考えが市民の考
えと遊離しているとのことだが、この部分が一番の論点だと思われるが、いかがなものか?
●開館から5年経過したので、1つの契機としてリリックホールのあり方を見直すときにきていたのではないか。
・皆さんが、リリックホールの現実に不満を抱いているという印象が強い。開館時のことなど、過去はさておき、
これからどうするかが問題だ。美術館は学芸員で動いている。館長がいなくても動く。ただ、総合的なリーダー
としての役目の館長は、美術館よりも必要性が高い。館長に求められる資質として、地元よりは、世界に顔・
名前が通る館長の方が有利だ。近代美術館館長の前川氏のように。世界的な企画を立てるのであれば、な
おさらだ。
・リリックホールが開館したときから、市民対財団・館長という変な構図が出来てしまった。その中で、誰も館長
の味方にならなかったのではないか。周りの人が皆で館長をバックアップすればよかった。市民の声が反映さ
れていないという議論があったが、このあたりで過去を清算して、新たに考え直したほうがよい。今のままであ
ると、誰が館長になっても、またこのような対立が起きると思う。現場にいる市民がコンセンサスを持っていない
と、館長が、地元の人だろうが、中央の有名な人だろうが、結果は同じだ。このあたりの問題を解消していくこと
が、我々の課題だ。
・自分の意見が通らなければ、市民の意見を聞いていないと主張する人が非常に多い。それは、おかしいと思う。
それが積み重なると、館長批判へとつながる。もう少し、公正に物事を考える必要がある。
●開館時のスタッフ体制も考え合わせると、中矢館長は当初大変に苦労されたと思う。館長の個人的な問題や、
時期的なものを考え合わせ、中矢館長は辞任されたが、現在のスタッフならば、自分がいなくても大丈夫だとい
う考えがあったのではないか。館長は、外へ向けての顔であるし、急がず、じっくり検討していった方がよいと思
う。
・コンセプトを持っていることの大切さを痛感する。最近は、どこの館も方向性がない。きっちりした方向性を見つけ
なければならないという全国的な風潮のときに、中矢氏が館長に就任した。自分の考えをきっちり出し、顔として
の館長の責任を果たしたと思う。グローバルなことを長岡で実施したことは、評価してよい。顔としての館長は、
絶対必要だし、最後に責任を取る立場である必要がある。
・理事長が、財団といえども聖域でないと言われたのは、財政的なことを言われたのではないか。地方財政も厳し
い状況であるし。館長は非常勤だったとのことだが、報酬・給与はどうなっていたのか? それで、良い悪いを議
論することはできないが。
▲市長が言う、財団も聖域ではないというその意味だが、長岡市からの補助金は2つに区分される。1つは、館長
報酬やプロパー職員の給与など人件費を含む運営費補助、もう1つが自主事業を行うための事業費補助だ。今
回、補助金の削減の対象となったのは、事業費の部分だ。一律10%削減と、市の財政当局から指示があった。
運営費補助については、削減は無かった。
・財団の設立当初に、市で作成した文書の中で、ホールを始めとする文化施設がその責務を果たすためには、専門
的知識と経験を有する人材による運営体制を確立することが不可欠だと、書かれている。それ以前に、どういう風
に事業を構築していくかのコンセプトがないから、それにあたった人が自分なりの考えでやるしかなかった。自分も
館長は必要だと思うが、白紙委任だとその場限りで、一貫した方向性がなくなってしまう。少なくともこれからは、市
民が理解できる言葉で、館長にこのようにやってもらいたいというコンセプトのもと、先頭に立ってもらいたい。
▲市民の意見がどう財団の運営に反映させていくかのシステムの問題だ。そのシステムが、今まで全く無かったわけ
ではない。今年度からスタートした企画公募を始めとして。
・小出郷文化会館は、企画運営委員会が組織図の上部に位置している。最高の意思決定機関として、そこには館長
や職員もメンバーとして入っている。執行する側と享受する側が同じテーブルで議論している。実際運営するとなる
と、難しいだろうが。市長のコンセプト自体が十分に確立されているとは言えない。小出郷のシステムが絶対ではな
いし、きっちりした館長にしっかり任せた方が、はるかにうまくいくかもしれない。しかし、市民と話し合いをする価値
はある。小出郷は、今後の指標となり得る運営方式だし、こういうものも含めて、検討していく必要がある。
▲小出郷文化会館は、広域行政組合によって設立されたものだ。6町村の首長や広域行政組合の局長などからな
る最終的な議決機関があり、その下に企画運営委員会がある。そこには、様々な人が参加しているが、小出郷自
体、行政組織の大きさや人口、文化団体の数が長岡とは全く異なる。小出郷のシステムを、長岡にそのまま当て
はめることができるかは、別問題だ。
●今までの意見の中で、芸術顧問の三善先生の話しが出なかったが、先生は日本はもとより、世界的にも知名度
が高く、現在も中心的に活躍しておられる。今後は、形を変えてもっと利用するというか、アドバイスを取り入れたら
よいと思う。
・副館長の仕事、存在意義は? よく分からない。
▲館長が非常勤であるので、不在の間の補佐をしてもらうことを目的として設置したものだ。中矢館長が立てた企
画を実行できる専門スタッフがいなかったこと、各種助成団体への精通など、人材育成も含め、館長を補佐する
役目として採用されている。
●館長、副館長制度について、いろいろ意見をありがとうございました。要約すると、今後館長が必要であるとして
も、急がず、十分検討した方がよい。地元の意向を反映し、世界に向け発信できるような、顔と見識を持った人が
好ましい。事業、企画の体制がしっかりしていれば、役職としての副館長制度は不要なのでは。以上で次に進み
ます。
A市民意見の反映手法について
B事業運営における市民参加のあり方について
▲県内での利用者懇談会の実施状況を紹介したい。りゅーとぴあは年2回、春・秋の開催。メンバーは33名。事
務局で指名しており、専門的立場で意見できる人、大学教授や新聞社を始めとしたマスコミ、文化団体の代表
者などからなる。任期は2年。県財団は、年1回、年度末の開催。対象は、定期的に会館を利用している人、主
にイベンターやマスコミの事業部、新潟大学の関係者、バレエ団体やピアノの大規模なスタジオなど。ギャラリ
ー利用者も対象として、別に1回開催しているとのこと。上越市は、現在は設置していないが、今後設置を検討
している。ジャンル別での開催も考えているとのこと。見附市は、設置していない。
・利用者懇談会は、貸し館で利用している立場の人の会か?
▲他の市は、当該施設の利用者を対象としている。
・むしろ、全体的な企画運営に市民の声を反映させるかが重要だ。
・毎年でなくても、ホールの使い心地について、意見を聞く機会があった方がよいし、ジャンル別だと好ましい。
▲利用する立場になって、物事を考えることが大切だ。管理する側では、見えない部分もある。
・利用者懇談会を開いても、その意見が実際の運営に反映されるのか? 組織の中の仕組みとして検討して
もらえたら、ありがたい。
・理事会とリンクした市民運営委員会のようなものを、システムの中に取り入れたらよいと思う。その参加者の
人選にしても、より多くの長岡の団体を把握してもらい、それらの人の中から公正に代表が出て、市民の意
見を反映させることができるようにしてほしい。
▲今の長岡の現状で、どうやったら公正に選ぶことができるかを提案してほしい。
・例えば、バレエ、洋舞関係のスタジオがたくさんある。100%ではないにしろ、8割は把握できると思う。大き
な団体に照会するのも、1つの方法だ。地元団体に関する情報を収集するために、行政の中の、様々な部課
をネットワーク化したらいい。常に見直しをしながら、委員会を運営していくべきだ。
▲市民や文化団体が自分たちの意識の中で、ネットワーク化を図るべきで、行政や財団が仕掛けるべきでは
ない。
・代表者を出してほしいという要請に対しては、ネットワーク化が可能なのではないか。
・この会を大きくするようなイメージの会なのか?
・違う。この懇話会は期限付きだ。広く市民の意見を把握してもらえるような運営委員会があばよいという考
えだ。例えば、洋舞踊の関係についてなら、依頼があれば自分で調べる用意がある。
・公立の美術館でも、市民の声に耳を傾けていなかったという反省が見受けられる。ただ、余りにも市民の声
を聞きすぎると、主体性を喪失してしまう可能性もある。市民参加型本来の意味を踏み外している事例も見
受けられる。理念をしっかり持って、その上でいかに市民の声を反映させていくかが問題だ。色々なジャンル
の方が自己主張するのは結構だが、自分たちの意見が聞き入れられないからといって、それが公正に欠け
ると言うのは問題だ。自己主張が強すぎるのは、危険だ。強い意見だけが尊重されてしまう。リリックホール
がしっかりした理念のもと、それぞれの分野の人たちの意見をうまく吸い上げていけたらよい。
・利用者懇談会も結構だが、それを作れば全て解決されて、バラ色の財団運営になるというのは幻想だ。皆が
集まって好き勝手な意見を言って、それで終わりということになりかねない。例えば、演劇も活動が下火にな
っている状況がある。それをいかに活性化させていって、若い人材を育てていくか。若手で、自主的に劇団を
作って活動していこうという人が皆無だ。財団のワークショップに参加して、それで満足しているようにも、見
受けられる。利用者懇談会や運営懇話会のような会を作ることが問題なのではなく、若い人をどうやって育て
ていくかの方法論や、市民が自発的に活動し、財団がそれをサポートしていく意識が重要だ。今まで、過度
に財団に期待しすぎた。財団に、ああしろ、こうしろと圧力を掛けるのが、市民の役割ではない。文化活動を
しいている人たちの主体性が大切だ。
▲次回会合終了後、皆さんの意見を事務局で1回オーソライズし、それを再提案させてもらう。
○ 閉会
内山座長が、次回座長に渡辺委員を指名。
事務局から、次回開催を4月後半から5月連休前後を予定していることを伝え、閉会を宣言した。
(財)長岡市芸術文化振興財団事務局
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