「ザックリ」とよめば会社が見えるTakano Management Consultant and Co,.Lte. はじめに決算書は宝の山である。しかし、余りにも宝が多すぎて自分にとって何が本当の宝なのかわからずじまいとなっている人が多い。そんなときは余計なものは見ないことである。「ザックリ」とつかめばよい。数字はアタマ3桁で十分。B/Sは流動資産合計、流動負債合計、そして総資産合計額。P/Lは総売上高と経常利益だけでも十分。この5っの数字さえ押えれば決算書は読める。もっと突詰めればB/Sの総資産合計額とP/Lの経常利益だけでいい。これだけの数字で決算書をザックリと読むことができれば十分である。あとは図形化すれば会社の内容が押えられる。 決算書は数字のかたまりだ。しかし、その決算書の裏には人間がいる。社長を先頭にした人間組織が見える。会社の経営は様々な判断の連続だ。その一つ一つの判断時点で右に行こうか左に行こうかと判断して行動をした結果を数字で表したものが決算書である。だから決算書には会社の意識が表示されている。会社の性格が現れている。ただ、決算書を数字の固まりとしてみていると会社の性格がなかなか見えない。そこで、図形化してみると顔が見えてくる。ハッキリと見えてくる。最低2っの数字を見れば輪郭がつかめる。5っの数字で性格がかなり見えてくる。あとは変動費を押えればクッキリと見えてくる。 決算書を読みこなすようになれば会社の問題点が見えてくる。経営分析によりさらに見えてくる。問題が見えたらその改善計画を立てることを考える。改善計画も図形化して考えるとより鮮明になる。こんなレベルまでくれば決算書は宝の山だと理解できる。そして、数字の裏にある人間の感情が伝わってくる。 ぜひこの本を手にしてくれた読者に、決算書の中から伝わってくる人間のぬくもりを少しでも感じとれるようになってもらいたい。そんな願いを込めて本書は作成された。なるべく理解しやすいようにと心がけて作成したつもりである。用語でわからなくなったら末尾の索引を活用してほしい。 本書は株式会社タカノ マネージメントコンサルタント診断業務部研修担当スタッフ全員の協力により作成されたが、入門編は小林満理子スタッフが基礎編と実用編は本木晃スタッフが中心となって作成されたことを記しておきたい。 Last Updated: 3/30/96 |