二通の手紙

カテゴリー: General- 高野 裕 @ 23時39分01秒 記事編集

二通の手紙が届いた
二通とも結婚のお知らせだ

一通は幸せそうな純白のウエディングドレスを着た花嫁が写っている
そう、彼女は5年ほど前、チェーホフの作品で同じ舞台に上がった仲間だ
その舞台が彼女にとっては初めての役者だった
そして、それがきっかけだったのか
地元では大きな会社に勤めていた彼女は会社を辞めて
東京で役者をやると、ある大手劇団の研究生になった
そしてしばらくしたら、今度は英国からメールが届いて
今、英国で留学しているという
しばらく静かになったかと思ったら
こんどは結婚しましたと連絡が来た

もう一通の手紙は
そう、シェークスピアの作品で私が初めて舞台に立ったとき
やはり同じ舞台で初めて役者をやった彼から結婚の案内だ
かれはこの舞台をきっかけにいろいろやって
結局は自分で劇団を旗揚げして、現在はその劇団の団長を務めている

演劇に係わっていると
演劇によって見る人の心を動かすものがあるだけでなく
演じている役者もその人の人生を動かす力があるようだと感じる

私は演劇で感情にも筋肉があると教わった
感情の筋肉も使わなければ退化してしまう
おかしいときはきちんと笑う
悲しいときはハッキリと泣く
怒りたいときは声を出して怒る
そう、自分の感情をハッキリと表すことは大切なのだと
その訓練を演劇で行うのだと
そうすることで心が豊かになってくるのだと
私は演劇をすることが自分を見失わないためにも大切なのだと思っている

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税理士会ブログ2005年08月24日掲載


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