2004年8月4日柏報掲載 高野裕
演劇でいよいよフィナーレの最高潮に達したとき
すべての演出をこの最高潮にあわせて高めてゆく
これは当たり前のことである
ましてや観客が多ければ多いほど
その演出の手腕が問われる
数千人入る演劇場では当然のこと
数万人入れる野外コンサートなどなおさら当然である
なのに数十万人も集める野外イベントで事は起きた
もっともっと細心の注意が払われた演出が求められるべきである
例えば、最後のフィナーレでスターが舞台上に出てくる
観客は一斉に舞台に注目してお待ちかねのスターの出番を
いまか今かと待って気分を高めているときに
「警備担当からのお知らせです」などというアナウンスをするわけがない
ところが、これをやってすべてを台無したイベントがある
それも数十万人を集める一大イベントで、である
何のために観客が集まってきたのか
何のために足代宿代をかけて見に来たのか
すべてはメインの三尺玉打ち上げを見るために来た
いまお目当てが出てくると言う直前に
観客がいまか今かと注目して静まりかえった瞬間に
ものの見事にすべてを台無しにするアナウンスが流された
「迷子のお知らせをいたします、××町の○○ちゃん、お母さんが長生橋東詰めで
待っています」
全体の目的を理解せず、自分の担当のことだけをする担当者がいる
全体の目的を理解せずに単に自分の「部署」のことしか考えない上司がいる
いや全体のことなど「考えられない」人種があつまってしまった
いやいや、末端まで目的を明確に意識付けられない組織運営の問題が見えてくる
もっと端的に言えば
全体の目的を明確にした組織運営ができない「権限のない」リーダーが
「お飾り」で居ただけの「うごうの衆」という寄せ集め集団でしかない
そんな組織運営で数十万人の観客に満足いただけるイベントが続けられるのだろうか
普通のイベントであれば大失敗である
翌日の新聞などには酷評がなされるはず
それが普通なのに
いままで、行政絡みのイベントだからしょうがないとあきらめていた
しかし、今後の長岡のイベントとしてもっと観客に満足していただける
そういうイベントにするには、きめの細やかな対応が大切なのに
私はあえて言いたい
「これでいいのか長岡花火」
嘉瀬さんの尺玉が上がりますとアナウンスしておきながら
結局上がらない、数十万人の観客には何もインフォメーションはない
商工会議所とどこかの保険会社が共同して上げた花火が終わらない内に
次の韓国花火の説明が始まる
花火を堪能したいのに
花火を楽しんでもらいたいのに
すべてを台無しにすることばかり
イベントとしては大失敗だったと言われてもおかしくない
昨日の花火大会で、遠来のお客様を接待しながら私が感じたこと