なぜ税理士法人なのか高野裕 2004年01月01日号 税理士会長岡支部会報 掲載 |
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長岡支部会報「なぜ税理士法人なのか」 はじめに私は以前から「2003年を明治元年と思え」と話してきた。この話の前提は、「今、我々は時代の変わり目にいる」という時代認識を持っての話である。この時代の変わり目を乗り切ってゆこうと考えたとき、今までの体制で乗り切れるのかと「私に」質問されれば答えは「否」である。ここから全ては始まる。 お客様今のままで生き残れないと言う真意は、私どものお客様を見ていればわかる。お客様がとにかく必死で売上確保に取りかかっても、現実は厳しい。どんどん受注単価は落ち込み、今までの3割増で仕事量をこなしても単価が3割ダウンして結局売上は伸びず、逆に残業代がかさんで赤字。ボーナスをカットして何とかつじつま合わせ。こんな先の見えない不安な経営にトップも社員も疲弊。そこで顧問税理士にどうしたらいいのだろうかとお客様は相談する。 税理士業は「時代の変化に対応した経営をしてゆかねば企業は淘汰される」、そう淘汰(とうた)される。だからこそ、次の時代を見据えた経営をすることが経営者の仕事なのだと税理士はいう。「言う」はたやすい。では私自身どうであったのだろうか。私自身、時代に対応しているのだろうか。ふと考えた。私は2代目。何だかんだと言いながら、結局親のおかげで今は何とかやれている。だが今後、税理士業は成り立つのであろうか。成り立つのかもしれない。成り立たないのかもしれない。しかし、その答えは結局お客様が支持してくれるかどうかにかかっている。こちらの理屈ではなく、お客様の理屈が答えを出す。お客様の便宜生を優先することが大切であると考えた。 時代に対応さらに、時代に対応したとはどんな事務所なのだろうか。何だかんだといいながら、結局、時代のキーワードは「オープンなネットワーク社会」と私は認識した。そうであれば、これからは個で対応することだけではなく、ネットワークを通じた複合対応がキーポイントとなる。それもオープンな組織でなければならない。 位置づけ 海外旅行などで、ホテルのチェックカウンター近くのロビーに洒落たデスクランプをつけた事務デスクで仕事をしている人を見たことがないだろうか。単なる事務員風ではなく、ベルボーイとも違って威厳があり、身なりもしっかりしていて知的で、それでいて目が合うと笑顔を返してくれる。彼の名前は「コンソルジュ」と呼ばれている。ホテルのお客様のために何でも相談に乗ってくれ、観劇やレストランの予約から調べもの、緊急の病院の手配など何でも相談に乗ってくれる「お客様のための」総合窓口をこなしてくれる人だ。そんな「お客様のための」中小企業のコンソルジュを目指して動き出した事業が「パートナーズプロジェクト事業」だ。そして、その目標に向かうファーストステップとして、私の中では税理士事務所の法人化が位置づけられている。 |
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