サックス事始め 楽器購入編

高野 裕

2003年12月29日 柏報掲載

楽器を買う決意をした

まず先生に相談してみた
どんな楽器が良いのかと
そうしたら、とにかく良いのを買うか安いのを買うかどちらかですよ、と
良いのを買えば、いやになったときに売れますよ
安いのを買えば、いやになってもあきらめがつきますよと
なるほどなるほど

そこでやすいものを購入することにした
インターネットで値段を調べてみた
日本製のものは10万円以上
特にやすいものを探したら2万円台があった
練習に行っている楽器店に電話して聞いてみた
安いもので良いのだがサックスフォンはあるかと
あるという
ケース付きで3万4千円だと返事が返ってきた
もっと安いものはないかと聞いたら調べて取り寄せだと
そんなことをしていたらクリスマスに間に合わない
よし、それでいいと腹を決めた

早速楽器店まで出かけていった
聞いたら中国製のものらしい
それで良いから購入するといったら
ヒョイとそこに展示してあるものを手にとって渡してくれた
なにかほこりをかぶっていそうな感じがしたが
ま、安いのだからしょうがないか、と自分に言い聞かせた

店員が私に楽器を確認してほしいという
どうやって何を確認したらよいのかわからないと返事をした
逆に私は、あなたに確認してほしいと店員に言ったら
お客様こそサックスを習っているのだから自分で確認すべきだと・・・
しぶしぶ私は楽器を手に持った
何をどうチェックすべきか全然わからないのだ
店員は言う、音色とか感触とか気に入ってもらえるか確認してほしいと

楽器をとまどいながら組み立ててみた
まだ人前で音が出るかどうかも不安だったが吹いてみることになった
おい、人前で恥をかかせるなよと思ったが
どうもこの儀式を通り越さねば購入できないようだ
おそるおそる吹いてみた
ドレミファソラシドと音が出た
冷や汗ものだ
ソソクサと店員に言った、これでいいから購入すると
なんでこんなに恥をかかなければ購入できないのかと思った
やはり私には楽器を購入するには早すぎたのかと落ち込み始めた

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