「二段かつ」

高野 裕

2002年12月23日記

里味の「二段かつ」を食べたことがあるだろうか

過日、家族で長岡の里味に夕食を食べに行った
そこでメニューに「二段かつ」なるものを発見した
早速私が注文してみた
出てきた
その「二段かつ」なる物を見て
家族そろって「おーーぉ!!すごいーー」と声が出た
なんとどんぶりに大盛りのご飯の上にカツが3枚
ご飯が見えないくらい、そしてドンブリの上にとんがったように
かつが3枚やぐらのごとくのっている
これにはおどろいた
もちろんご飯を食べ進んでいくと中から2枚埋め込まれている
わたしはついにご飯を食べきれなかった

その後、今度は里味の川崎店に行ってみた
もちろんそこでも「二段かつ」を注文した
あの「おーーぉ!!」という驚きを再度体験したくて注文した
こんどは注文したのは息子である
出てきた
あの驚きに期待を寄せて見守った
「ありゃりゃ・・・」
たしかに大盛りのご飯の上に3枚のカツがのっている
しかし今度はご飯がよく見える
あのカツがやぐらのように盛り上がってはいない
ドンブリにちゃんと載せられてはいるがご飯がたっぷり見える
もちろんご飯の中にも2枚埋め込まれてはいるが
あの驚きがない
前回の驚きを100点とすれば50点くらいだ

息子と話し合った
これはアッチの店のほうがカツの盛りが良かったと

翌日息子とまた里味に行った
もちろん今度はアッチの長岡店である
そして当然「二段かつ」を息子は注文した
出てきた
注目した
「んーーーん」
前夜の川崎店よりはカツがやぐらのように組まれて盛り上がっている
しかし、あの「おーーぉ!!」がない
点数にして70点である

これは里味の本店に行ってみなければわからないと議論が進んだ
こんど見附の本店に行ってみようと息子と話し合った

翌日、気が付くと息子と二人で見附の里味本店にいた
当然「二段かつ」の注文を店員に胸を張って告げていた
じっと待つ
さあ、今日こそはあの「おーーぉ!!」を期待して
わざわざ見附の本店まで行ったのだから
里味さんよ、頼むぜ
店員が運んできた
じーーーっっと見つめる
来た、来た
「はい、おまちどおさまです、二段かつご注文の方」
店員が告げた
テーブルに置かれた
見た
「んーーん」

80点
まあまあなんだけど
あのやぐらを組んだようなとんがりがない
あのとんがりがポイントなのにあれがない
だから80点

連日の二段かつで息子は言った
「もういい、もうカツは要らないよ」
この日を限りに里味にはしばらく足が向かなくなってしまった

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