人が集まるということ

高野 裕

人が集まるということ
日曜日
海岸沿いの道路を走っていて思った
何処か良いところがあったら止めて浜にでも下りてみようかと
しかし、車で走っていると
あ、いいな、と思っても後ろから車が続いていると
急に車を止めるわけにもいかず
結局、何か決定的なインパクトのあるものや
事前に予告してあるようなインフォメーションのあるもの
そう、あそこに行こうと思ってから実際に車を止めるまでの間に
何らかの段階を踏んで車を止めて下りてみるというアクションを起こす
だから、良いなと思ってもすぐ通り過ぎてしまうようなところでは
ひとは車を止めるまでにはいかない
事前に、看板なり建物なり大きな施設なりが運転手に情報として
伝わっていないとそこに行こうという意識にならなく、結果として
行動にまで至らない
だから自然の景勝地などいいなと思っても
大きな駐車場なり他の人がいっぱいいるとか
それなりの情報や状況がないと通り過ぎてしまう
結局、大型の施設など「人工的なところ」に行ってしまう
自然を満喫できる良いところがあったら車でも止めて・・・
などと思って走っていたが、結局止める場所は
俗っぽい大型施設のある場所
思っていることとやっていることが違うじゃないか
などと自分でにがわらいしてしまった 

国道を走っていると「甘いスイカ」などという看板を
50Mごとにおいていて道路脇で即売をしている車があるが
あれは、人の心理を十分つかむ作戦をもった販売方法だと再確認した

柏報2002年4月30日掲載分

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