子供の高校合格発表、見に行ってきた
もしも落ちていたらすぐに私立の受験手続きをしなければということで
その段取りを妻から指示されて発表を見に行ってきた

ものすごい人だかりだ
時間になったらブラスバンドの演奏とともに掲示板の覆いがとれ
ドドドと人が押し寄せてきた
ここで、ハタと困ってしまった
子供の受験番号がわからない
周りでは「ヤッターーー」「キャーー」等と騒いでいる
そんななかで私は一人ボウゼンとしていた

そういえば子供が
「どうしよう発表見に行ったらサー、400番、401番・・・・・」
などと自分の番号だけ飛んでいたらどうしようと話していたことを思い出した
そう思ってもう一度掲示板を見直した
400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410
全ての番号がある
そこで「いや、待てよ、410番台だったかもしれないな」と思って410番台もチェック
全てある
何となく合格したのではないかと思い始めた

本人を見つけだせば問題ないはずと思い、本人を捜したが見あたらない
携帯に電話が入るはずだったのだが入らない
じっと掲示板が見える位置で息子を捜していたが見あたらない
だんだん人が少なくなってくる
何人か私の知り合いの顔が見える
皆ニコニコしている
私はニコニコするわけにもいかず、かといってガッカリしているわけにもいかず
知り合いから挨拶をされても軽く会釈する程度
そうなると相手はそれ以上、気を遣ってか、話しかけてこない

そうだ、長女に聞けば受験番号知っているかも
と思い直して電話をしてみる
長女が電話口に出た
「おい、ヒロヒサの受験番号わかるか?」
「うん、403番だよ」
「ちょっとまて、今確認するから」
なにも再度確認しなくても
403なら合格と何回も見ていたからわかっているはずなのに
ついつい確認しないと安心できない
合格者発表掲示板の番号を読み上げる
「401、402、403、あ、あるな」
さも、初めて確認するような口調で淡々と言う
喜んでいる自分の気持ちを表に現すことが
恥ずかしと思ってか淡々という
「合格だ」

 

私のエッセイレポート集メニューへ

高野裕のコーナー・メニューへ