リリック戯曲ワークショップリポート第1回目を終了してリリック通信2003年1月号4頁より転載
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「戯曲」という言葉を聞いて「なんだ、それは?」と思う人は多いのではないでしょうか。「戯曲」とは、『上演する目的で書いた、演劇の脚本。台本。(「新村出編広辞苑第五版」岩波書店より)』とあります。それでは、「戯曲」と「小説」はどう違うのでしょうか?「戯曲」は必要最低限の状況を指定する「ト書き」がある以外は、全て会話で成立している点が「小説」との大きな違いです。 長岡から優れた戯曲家を育てようというコンセプトで、今回初めて戯曲のワークショップを開催しました。全4回のワークショップ。目標は、10〜15分の自分の作品を仕上げること。受講者は課題で選考された6名。第1回目から活発な講座が展開されました。 そして、講師は、東京で活躍している「演劇企画集団THE・ガジラ」代表の鐘下辰男さん。第一線で活躍される鐘下さんの熱の入った言葉は、時間を忘れるぐらい引き込まれる内容でした。特に「戯曲とは人間を書くこと」という言葉が印象的でした。 このワークショップの見学を希望される方は、財団事務局までご連絡下さい。 ≪鐘下さんに1問1答≫(Q1) なぜ、戯曲を書こうと思ったのですか? (A1) 20代前半、まだ俳優志望だった頃、なかなか自分が発したい台詞に出会えませんでした。ならば自分でその台詞を書けばいいと思ったのがそもそものはじまりです。あくまで戯曲を書くという行為は二義的なものでした。 (Q2) 戯曲を書き上げるポイントは何ですか? (A2) 体力だと思います。下手な運動よりも物を書くということは体力を使います。後半に息切れをしないよう常に力を溜めておくことです。その体力を維持するためにも、普段からの観察眼などが重要になるのではないでしょうか。 (Q3) いままでの鐘下さんの作品で印象に残る作品は何ですか? (A3) 初期の頃の作品にはほとんど興味ありません。やはり最新作ともいえる『藪の中』や『ルート64』などが印象深いといえば深いのですが、あえて挙げろというなら『PV』『ベクター』『tatsuya』などでしょうか。 (Q4) 演劇の魅力とは何でしょうか? (A4) 常に新しい出会いがあるということ、濃密なコミュニケーションなしには成立しないということ、結果、人と出会うことに楽しみが持てるということです。 |
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リリック通信2003年1月号4頁より | ||||||
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