(財)長岡市芸術文化振興財団 第5回運営懇話会 議事要旨

  ○日時:2002年4月25日(木)19:00〜21:00

  ○場所:長岡市立劇場・中会議室

  ○出席者:

メンバー:安達、家田、今井、大原、小柳、川上、菊地、佐藤、久須美、高野、高見、永井、長尾、村山、芳野、渡辺 ※村山氏は、中村氏の代理

事務局:神林事務局長、五十嵐市立劇場長、金子総務課長、岡村市立劇場副主幹、植木事業課係長、滝沢総務課主任、仙海事業課主事

オブザーバー:長岡市国際文化課 矢沢課長補佐、山田主任

○議事等


1神林事務局長からの開会の宣言
2渡辺座長のあいさつ
3議事

  (●「座長」、▲「事務局」、・「参加メンバー」の発言を表す。)

@財団事務局の組織改正について(事務局報告)

(事務局から添付資料をもとに説明)

(1)これまでの施設主体の事業から財団主体のもっと幅広い事業展開とするため、芸術普及活動などを視野に入れた事業体制を確立することを考慮し、組織を編成した。
(2) 市民との連携を密にし、これまでの係体制から課体制に変えることによって、課長にある程度の決裁権限を持たせ、スピーディーな対応ができるようにした。
(3) いわゆる3セク派遣法が4月から施行されたことにより、市から派遣される職員の派遣期間に制限ができ、財団独自の職員雇用制度を含めた今後の職員体制の見直しを行うこととした。
(4) 館長、副館長退任に伴い、その制度を廃止し、今後の事業運営体制の再構築を行うにあたって、組織の見直しを行った。
以上、今回いろいろな条件が組み合わさった結果の組織改正と言える。

  ・前回の懇話会で館長が必要だと言う意見が多かったのに、館長制度を廃止した理由は?

  ▲これまで、リリックホール館長という職は、財団全体の文化事業を牽引していく役割としての存在で、規程上もそうなっていた。たとえば、財団事業を市立劇場で行う場合のプログラムなのに、リリックホール館長の名前で挨拶を掲載するというような場面もあったりした。事業はリリックホールだけでなく、市立劇場でも実施しているし、今後は施設を離れて実施する事業運営を展開する中で、いわゆる施設の長が、文化事業のコーディネーターとしての役割を果たさなくともよいのではないかと思われる。事業の牽引者の必要性は強く感じており、これからよく検討していきたい。ホールに固有されない役職名としたい。専務理事がその役をすると決定したわけではないので、誤解のないようにお願いしたい。

  ・財団事務局の職員体制、派遣職員、契約職員等の人員数は、どのようになっているか?

  ▲リリックホール、市立劇場併せて、市からの派遣職員は11人、4月からの新しい制度により身分切替を行った契約職員3人、月額臨時職員1人、日額臨時職員が8人である。財団の正規職員化については、今年度から、臨時職員からの身分切替を行える制度を始めた。専門職員を育てる必要性もあり、正規職員となるためのステップとして、一定期間の臨時職員期間を経て、能力判定、本人の意思確認を行った結果、契約職員として再雇用することとした。このことについては、今後も十分検討していきたい。

  ・文化振興を牽引していく人の必要性は、かなり強く感じているので、早急に検討していただきたいと思う。

  ・前回の懇話会では、この会で話し合われたことが理事会に報告されるとか、また議会では、この会で聞いた意見を運営に役立てたいと企画部長が答弁したにもかかわらず、前回の懇話会終了後、まもなく理事会で承認されたり、新聞報道されたりして、決定した部分を後の報告という形だけで済ませるような、この会の意見が何ら反映されていないような気がする。事務局の姿勢に疑問を感じている。この会はどこまで話をすることができるのか。

  ▲この会を設置するときに、懇話会の趣旨を説明させていただいた。決定になるまでのステップとして、皆さんの意見を聞いてそれを事務局でまとめ、よりよい形として表した結果が、今回の改正結果である。

  ・この組織を見る限り、我々の意見が反映されているとは言いがたい。芸術顧問や事業企画審査委員会が事務局の中に入れられていない点、理事会・評議員会が財団事務局と結ばれず図に表されている点など、考えさせられることが多い。今回の懇話会が最後で、次回は最終のとりまとめをする会だと聞いている。そんな時間の制約の中で十分な検討ができるのか、話し合いをできる場がこれ以上ない。次回の総まとめという場で、懇話会の意見としてこうだということを提案し、理事会にはかるというような流れを考えていた。何のためにこれまで話し合ってきたのかわからない。結果だけを報告して済ませる問題ではないと思う。これまでの事務局の意見として、組織については急いで変えなくとも、この会で時間をかけて検討したいと言っていたにもかかわらず、言っていることが違うと思う。

  ▲今回改正したのは事務局の中のことだけで、それ以外の体制は変わっていない。事務局は日々動いているものであり、事務局の体制の改編は年度の切替とともにスタートし、機能させなければならない。ただ、事業や運営の方針については、もっと時間をかけて、いろいろな意見を聞いて十分検討をしていく必要があるし、事務局のほかにつながる機関、委員会、役職等は、今後変えていく必要があると思うので、その部分はこれまでの体制を変えてはいない。

  ●いろいろと考えさせられる部分があるかと思うが、この懇話会の意見がまったく反映されていないとは思いたくないので、残り少ない機会ではあるが、ほかの方も個々に意見を出してもらいた

A施設運営について

○リリックホールの申込に関する新サービスについて

(事務局から、5月から稼動する予約システムについて、資料に基づき説明)

以下、質疑及び意見交換

・現在の財団のホームページ上の紹介画面では、施設の料金については触れていないが、新システムでは、価格などは確認できるのか。施設の中にも、価格を表示するような場所はないか。以前は、パンフレットがどこにでも置いてあって、すぐ知ることができたが、今は置いていないようだ。インターネット上でもいろいろ紹介して欲しい。

▲各施設の紹介画面を見ることができるので、その中で表示を考えている。以前作成したパンフレットの在庫がなくなり、この新システムの稼動を反映させた新しいパンフレットの作成を検討中である。今は、パンフレットをコピーしたものを配布させてもらっており、利用者に理解をいただいている。

仮予約を入れることにより、その有効となる期間の制約はあるのか。システム上に反映されるのか。一定期間仮予約が続くと、その期限を過ぎたら無効になるとか。

▲仮予約は長岡市の規則上は決まっていないことであり、一定の期間、使いたい意志をメモしておくためのもの。これまでも、仮予約してから1週間くらいのうちには返事をしてもらうようにしている。システム的には仮予約が無効になることはない。ただ、システム化することによって、これまで以上にその抽出が早くでき、本予約へのすすめを事務局側から働きかけやすくなると思っている。

セキュリティ対策はどのようになっているのか、ほかの団体の名を語って悪意で登録をするなど、出てこないだろうか。

▲利用者コード、パスワードの入力が必要なので、今のところ考えていない。

・申し込んだ人へのフィードバック方法など、たとえば確認メールを事務局から送るなどの方法はあるのか。

▲回答メールまでのサポート部分は予算の問題もありすぐに実現は難しい。今のところ、事務局から正式な予約への移行を促すほかない。

・使用料は前払いとなっているが、決定と使用料の支払いの関係はどうなっているか。お金を払っていないから、決定ではないということになるのか。

▲許可書がでたら、それは決定となり、速やかに使用料を納めていただくことになっている。

・こうしたシステムは、運用していく中で不具合を検討し、対策を練っていけばよいのではないか。

・インターネット上では、施設の空き状況は特にスタジオは3ヶ月後までしか確認できず、予約開始となっていざ申し込もうとすると、自主事業やらですでにふさがっていることがある。新システムでは、閲覧状況、予約の開始など、みんな同じスタートラインで確認できるのか。

▲施設の申込については根本的には変わっていない。紙の台帳がなくなるだけで、確認する手段が変わっただけと思ってよい。これまでも、市の大きな事業、財団自主事業、ホールとの併せ貸しなどによって申し込み期間以前に場所を確保する事はあり、月の初日の一斉申込時には使えない日があることはあった。今後も、申込については、月の初日に次年度、あるいはスタジオなら3ヵ月後の分が必要な際は、その日の9時に直接来館した人が優先される。それは今後も変わらず、9時に来館した人たちの情報を整理し、システム上に反映させた段階で、午前10時からネット上の予約を受け付けるものである。

○平成13年度の施設利用状況について

(事務局から、資料に基づき説明)

○貸館業務における課題について

●貸館業務における課題について何かご意見はあるか。

・施設への要望として、舞台等の後片付けなどに費やす時間が比較的かかるため貸出時間の延長ができるようにならないだろうか。高崎の会館では、貸出時間を午後11時まで引き伸ばしたために、職員を2名採用したということも聞かれるが。市立劇場の三尺玉をイメージしたシャンデリアが非常に暗く、イメージがよくないと感じるので、もう少し明るくできたらよいと思う。これからは、高齢化社会に対応した施設がもとめられており、市立劇場内にはもっとバリアフリー対策を検討して欲しい。施設の管理にはたくさんの人がかかわっていると思うが、清掃に携わってる人たちが、鑑賞にきた人の目の前で気兼ねなく仕事を始めてしまう姿を見ると、客側の余韻に浸っているような時間が奪われてしまうような気がして、そのあたりの心配りを望んでいる。

・こうしたことは、常に利用している立場の人から意見を聞いてお互いに知恵を出し合って検討を重ねていくことが大切だと思う。利用している人のグループ分けをしてあまり大人数にならない形で、利用者懇談会などをやる必要性がある。この1回限りの会で意見を述べるだけの会にはしたくない。

・以前は、市立劇場などを会場として実施していた利用者懇談会を、たとえば年に1,2回など定期化して実施したらどうか。

・普段リリックホールのスタジオを良く利用している人たちの話であるが、スタジオ内の備品の確認方法ができていないということを聞いた。どのスタジオに何がいくつあるのか、足りない場合はどこの倉庫から持ってくるのか、など詳細に示して欲しいとの事である。これらのことやスタジオ内の補修のことなど、これまで、利用者としてどこにお願いしてよいのかよくわからなかった。それも含めて、利用者の声を吸い上げてくれる場所がどこなのか明確にして欲しい。大型の打楽器を常設して欲しいという要望も聞いている。

▲利用者の声を吸い上げる場所として、財団の総務課が窓口となっているので、ぜひそちらに話をしてもらいたい。楽器など施設内にある備品は長岡市のものなので楽器等の設置に関する要望は、市の主管課である国際文化課にしていただきたい。

・利用率と使用料金の相関関係はどのようになっているのか。

▲(配布資料により、使用料徴収額について補足説明)例にあげると、平成14年度予算ではリリックホールの施設管理費は1億8千万円の施設維持費が必要とされており、それとは別に大きな修繕費などは市からいただいている。13年度実績で見ると、使用料の徴収額は2千万円程度となっている。比較すればこれだけの施設維持費を確保するには、これに見合うような使用料をいただかなくては、完全な独立採算にはならない。しかし、市の公共施設の使用料の考え方は、受益者負担の制度があって、市民のお金を使って維持費を確保しているのだから、利用する人からも何かしら負担していただくという考え方である。

・利用率の向上をめざし、さらに利用者の負担を少なくするために、もっと財団組織の見直し、たとえば、企業などは赤字を解消するために人員削減などによる経費の軽減をはかり運営するなど、意識をもったほうが良いのではないだろうか。利用するものとしては、使用料が安いに越したことはないので、たとえば利用率が上がらないときは減価償却を考慮し、使用料を設定するなどの見直しができたらいいと思う。

・私は異なる意見をもっている。確かに光熱費などの経費は効率的に使うべきことはいうまでもないが、文化事業は儲かるものではなく、お金のかかるものだと思う。儲からないものであることを前提としないと文化事業はなりたたない。文化事業に企業性の概念を持ち込むのには、賛成しかねる。国際文化都市を標ぼうしてきた長岡市は、そのイメージをあげるためにも、予算面の配慮を行うべきだと思う。

・将来、広域的な事業展開や地域を巻き込んだ文化振興を考えているのなら、もっと底辺をしっかりさせて、たとえばひとつの企業性をもたせた劇場の法人であるという運営を目指して芸術を発展させるという気持ちも大切だと思う。市の税金の有効活用を考えて欲しい。

○創造型自主事業における施設利用について

▲当財団は、市民の芸術文化振興を目的とした事業を積極的に実施しているほかに、広く市民一般の発表の場を提供するため、貸し出しも行っている。地方には鑑賞型を中心としたホールも多いなかでその利用率を伸ばしている。しかし、ただ単に利用率を上げる目的だけではなく、ホールを地域に根付かせていくための芸術普及活動を展開していくことにも取り込んでいる。その中には創造的なものも多く、そのための準備に費やす施設利用も多くなっている。創造型事業を行うにあたって起こるさまざまな制約についても、計画の段階でも市民に開示していくなど、市民への理解を求められるようつとめることも大切だと思う。

・リリックホールで、両方のホールの使用が重なったとき、お互いの時間や共有部分を使うならその場所等当事者同士でもっと話し合いの場を持ちたい。

▲最初から貸館者同士の話ではなく、お互いの意見を聞いて相手に意志を伝えるように総務課で調整、橋渡し役をしている。施設側の判断でなく、できる限り、使用者の希望に応えられるよう柔軟に対応するように心がけている。

・財団に寄付されたピアノ活用をもっと計画して欲しい。既設のホールだけでなく共有部分のフロアの使い方も視野に入れて計画をしてみたらどうか。

・共有部分の使い方は、この5年間でずいぶん変わった。以前は、「前例がない。」という理由や、設計上の問題だからといって使い方が制限されることが多かったが、次第に流動的な考え方になってきたことはよいと思う。

・コンサートなど終わったあと、余韻に浸る場所が整っていたり、喫茶スペースをもっと有効に使えるように工夫が欲しい。また、障害者用の駐車場をみると、一般の駐車場よりホールに近い場所に確保してあるが、特に冬場は、屋根からの落雪により非常に危険な場所となっているので、もっと安全性に配慮した対応をお願いしたい。

・このような恵まれた環境での芸術文化活動が行えることは非常に喜ばしいことであり、市民一人一人が楽しめる場所として発展すればよいと思っている。同じ芸術振興という意味で、長岡市には県立美術館以外の市立の美術館を整備して欲しいと思う。

・同じように、子供が自由に絵のことを楽しめるような場、触れられる美術館を希望している。

・時間上の制約があったため、冒頭の発言にたいして意見を述べられなかったが、ぜひとも言っておきたいので発言をお許しいただきたい。それは、運営懇話会は財団組織外の会であって、市民の声がどのあたりにあるのか、財団の気づかなかったことがないかなどを自由な発言によって、広く聴く会であるということだ。したがって、まとめたり結論をだしたりする会ではないと思う。

・財団は、この会での発言を業務運営上に生かしたり、参考にしたりするものであって、拘束されるものではないことを確認しておきたい。

4閉会

渡辺座長が、次回座長に小柳委員を指名。

事務局から、財団の運営、方向性、事業の評価、検証結果についてこの会での意見だけでなく、これを参考にしてまとめたいと述べ、次回開催を6月後半から7月はじめを予定していると伝え、閉会を宣言した。

(財)長岡市芸術文化振興財団事務局

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