(財)長岡市芸術文化振興財団

 第3回運営懇話会 議事要旨

  ○日時 2002年2月7日(木)19:00〜21:00

  ○場所 長岡市立劇場・中会議室

  ○出席者 メンバー:安達、家田、内山、江口、大原、小柳、佐藤、鈴木、高野、高見、永井、長尾、中村、長谷川
                  ※江口氏は、今井氏の代理
         事務局:中矢長岡リリックホール館長、神林事務長、五十嵐長岡市立劇場長、渋川事業係長、金子管理係長、植木事業係主任

  ○議事等

  1 神林事務長からの開会の宣言

  2 座長のあいさつ

  3 中矢館長のあいさつ
    14年3月をもって退任するので、懇話会への出席は今回が最後になる旨、あいさつあり。

  4 議事

    高野委員、江口委員代理の自己紹介
   
    以下、財団の事業運営について懇話の内容
    ( ●「座長」、▲「事務局」、・「参加メンバー」の発言を表す。)

   ●懇話会の基本的な運営に関わることだと思われるが、ニューパブリックからファックスがリリックホールに届いているので、このことについての説明をお願いしたい。
   ・懇話会の1回目、2回目と様々な意見が出され、資料ももらった。それに基づき、自分たちのグループの中で、いま問題にすべきことは何かを話し合ってきた。それを資料としてまとめたものだ。
    (提出資料の要旨)
    (1)「懇話会」の性格が明確になっていない。(懇話会の位置付け、演劇グループとの「懇話会」、メンバーへ送付された依頼状と会との相違)
    (2)「懇話会」のあり方について(代表者の不在、議論方法、議論できる場の保障)
    (3)議論のあり方について

   ▲懇話会を設置するにあたっては、委員の皆さんに趣意書を差し上げてある。それに了解していただいた上で参加してもらうことで、当初お願いしたものである。公募の方についても、財団の意思をご理解いただいた上で参加していただいた。ここに参加されている皆さんは、この懇話会は何のためにということをすでにご理解いただいた上で参加してもらっているものと判断している。ニューパブリックの会則や規約、メンバー構成、活動内容などについて、事前に資料をもらった。その中の項目の1つとして、「芸術文化振興財団の運営について考える」ということが明記されていた。そういった意味では、いろいろ意見が出てくると考えていたが、今回のような件について、意見が出てくることは理解に苦しむ。演劇グループとの懇談会は、演劇分野では毎年ワークショップなど、アマチュアの育成事業を実施している。13年度の育成型演劇事業が終了したので、これに関わった人たちに集まっていただき、13年度の反省を含めて、懇談会という形でやっているもので、この懇話会とは全く違うものだ。演劇事業については意見をいただいているが、財団の組織や施設管理などに踏み込んだ話しにはなっていない。個別の分野について意見を伺っている。この懇話会とは性質が違う。
   ●懇話会は自由に話しをする場で、その話しを聞いて、事業企画審査委員会、理事会といった場に反映させていくものだ。
   ▲議決機関の理事会、諮問機関の評議員会、事業企画審査委員会、そしてこの懇話会、合計80数名の方から財団の運営に関わってもらっている。この会の意見だけを財団の方向性の決定に生かすのではなく、それぞれの会でいただいた意見を集約して、財団の運営を考えていきたい。

   (1)財団の事業運営

   〔事務局から、第1回、第2回運営懇話会で出された意見をまとめた報告書について説明〕
   @事業展開
   ▲クラシックに偏重しているのでは、など手厳しい意見や、独自性を出しているという別の意見もある。市民の要求も多様化しており、いただいた意見については、今後の事業展開の中で考慮していく。
   Aアウトリーチ活動
   ▲2年前から、試行的に小規模ながらさせてもらっている。14年度からはもっと本格的に取り組んでいけるような体制をとっていかなければならないと考えている。教育委員会との調整も必要になる。完全週休2日制や総合学習の時間などとの絡みも含め、そういった関係機関とうまく連携して事業を展開していくことができるか、模索していく必要がある。
   B市民との連携
   ▲単発的には、いろいろな連携をさせてもらっている。財団の事業全体として市民ニーズをきちんと把握して、事業運営に生かしていく必要がある。これからの検討事項ととらえている。
   C事業運営方針の明確化
   ▲市民に対する方針の周知という点では、保守的であったことは否めない。事業の目的、内容、効果をもっと皆さんに事前に周知して、事業を展開していく必要があると考えている。
   D市民への還元
   ▲この問題については、きちんと見据えてやっていく必要があると考えている。
   E評価・検証方法
   ▲いろいろな機会をとらえて、反省をしなければならない。どの時期に、どのような手法で検証するかについて、できるところからやっている。それを市民にフィードバックして、意見を事業に反映するシステムを構築することが必要だろう。演劇については、それについての懇談会を設けており、それも評価・検証の手法の1つととらえている。
   F市民企画公募型事業
   ▲従来の枠を越えた画期的な試みだった。実際にやってみて財団側として出てきた課題、提案した側の課題などが出てきているので、試行錯誤しながら、継続的に取り組んでいきたい。
   G事業運営体制
   ▲スタッフは、連日オーバーワークの中で仕事をしている。ボランティアを活用できないかという意見もあり、財団としてもそれを願っている。どうやったら、ボランティアをうまく活用できるのか、これについても研究課題として取り組んでいきたい。
   H広報、宣伝活動
   ▲既存概念にとらわれた広報宣伝手段だけではなく、切り口を変えた具体的な提言については、参考にしたい。
   ▲ここで議論したことに関しては、例えば、事業企画審査委員会でも、さまざまな提言をいただいている。それらも加味し、もう少し整理した形で懇話会に提示したい。

   ・自分がこの場に参加させてもらう上で、スタンスを考える必要が出てくると感じるところがあった。自分は、この懇話会に一般公募で参加している。市民として普通に疑問に感じることを質問させてもらいたい。具体的には、「隅田川」について、事務局側は、批判があることは受け入れるし、意見を言う前に資料を揃えてほしいとのことだが、それでは自分はどれだけ資料が揃えられるのか。皆さん、揃えられる資料は揃えようと思って参加しているはずだ。資料が揃わないと質問できないのかと思った。むしろこういう会なのだから、各自が調べれば分かるのかもしれないが、疑問を持っている人からは質問してもらい、きちんと説明できることに対しては必ず回答することも必要だ。前の懇話会で資料に掲載されている質問をしたときには、明確な回答は無かった。自分は自分なりに調べてきたのだが。的外れな質問だったのか?
   ▲そういう批判があったら、事前に事務局に質問してもらえば、答える準備はある。今までも、そういう姿勢は崩していない。バランスエンジニア・マスタークラスについて説明すると、これはもともと副産物だった。長岡で、「ふゆのたびフェスティヴァル」を行ってきた。せっかくやっていることなので、リリックレーベルのようなCDを作って発表したらいいと考えた。費用もそれほどかからないし。そのためには何が必要かと考えた。素人が作ったようなCDなら、誰も買わない。そのためのエンジニアはイギリスから呼んで、そのための渡航費も負担し、1回のレクチャーにつき謝礼がいくらという資料も残っている。常識から言うと、非常に安い費用で招聘し、録音もしてもらっている。いろいろなマスタークラス、ワークショップを行っているリリックホールなのだから、同じ手法でできないかと考えた。NHKの録音技術者の方に面会に行き、相談した結果、技術者を養成する場が無いという思惑が一致し、職員を研修で派遣したいということになった。専門的なワークショップになるので、そういった専門的な書物を読んでいる人に目につくように、「プロサウンド」誌に掛け合って、広告1ページを無料で掲載してもらった。その結果、韓国からもそれを読んで参加する受講生がいた。広報の仕方が悪いと言われたら、そこまで行き届きませんでしたとしか、言いようがない。
   ・そのことは、あまり問題視していない。良質なものという話しが出てきたが、質が高すぎたのではないか。質が高いか低いかというボーダーの切り方自体に微妙なものがあるが、それはジャンルに関することではないと自分は思っている。このマスタークラスに関して言うと、質が高いという話しだが、ジャンルが偏ったという方向に聞こえなくはない。せっかくエンジニアが来るのだから、という発想自体は理解できる。もったいないからと、日本のエンジニアに還元するにしても、どこから費用が出てくるのか。資料の提言の中でも触れているが、マスタークラスを行うことがいけないのではなく、それ自体国家レベルの必要性の問題だと思う。韓国からの参加者もあり、業界としての質を上げるチャンスだとしたら、それをどこの予算を使って行うのか。マスタークラスの実施について、外部組織に働きかけ、経済的な支援を受けるのであれば、お金の使われ方として正しいと思うのだが。他のマスタークラスも含め、どういうお金はどういう方向で使われるべきかということを考えたときに、良質なものであるから、より広く還元していいのかというと、聴いたり見たりする立場としてだけでなく、納税する立場としても、ちょっと検討してもらわなければならないのではないか、というのが率直な意見だ。
   ▲マスタークラスによって得られる収入もある。それに使われる費用の一部が、全額とは言わないまでも、回収されている。見学者にも公開している。おおっぴらに皆さん来てくださいという呼びかけはしていなかったが、外部の興味ある人は来ていた。質なのか、量なのかの兼ね合いが難しい。民間のイベント会社が仕掛けて行うようなことは、公立の芸術ホールではやるべきではないとは言わないが、市から補助金をもらっているのだから、その補助金で通常はなかなかできないような質の高いものに予算をつぎ込むべきだと思う。美術の世界では、良いものを見ないと見る目が養えないという話しがある。音楽でも、演劇でも同じだ。単にブランドではなく、素直に聴いていただければ、ああ良かったと皆さんが感激して帰れるようなものを、最優先して考えた。海外から招聘するアーティストにしても、まだ若くて、才能のある、出演料の安い、そのうち10年もしたら、海外で名を上げて、自分は日本ではリリックホールでデビューしたんだと言ってくれるようなアーティストを呼んで、ある程度長岡に滞在してもらう間に職員や市民の方々と交流できるように、企画を進めてきた。不十分だと言われれば、そういう面に関しても努力しなければいけないと思っている。ふゆのたびで招聘したシュテファン・ゲンツも、長岡だけでなく、東京公演も行ったが、早く長岡に帰りたいと言っていた。というのは、あんなに響きの良いホールはない、ピアノの状態も良い、お客様も反応がいいし、温かみがある。そういったアーティストに長岡に戻ってきてもらえれば、長岡の誇る、芸術の成果の1つだと言えるようになるのではないか。そのようなことが、長岡の文化的な財産になる。
   ・自分は、そのような方向性を否定するつもりはない。ただ、財団が使える予算枠の中で、市から白紙委任を受けたとのことだが、自分がリリックホールができる前に、利用が見込まれる方々の懇話会で聞いていた方向性と、市から白紙委任があったという方向性は違うのではないか。それに違和感を感じていた。クラシックであろうと、オペラであろうと、とても良いことだと思うのは、ブランドではなく、これから伸びるであろう人たちの登竜門としての役割を果たすことであり、財団が選ぶ自主事業の中で、企画の数を減らすことは、登竜門としての門戸も狭まることになるが、それはネックにはならないのではないか。質を落とせということではなく、市民からホールに足を運んでもらうため、例えば公募型事業にしても底をつきつつあるとのことだが、公募に近い形で、市民がどういうものを求めているのか、広く市民の思いを汲み取る必要がある。バブル期より、経済的な事情で、貸し館に対する自主事業の割合が大きいのであれば、民間から出てくる声に対しバックアップする予算も、財団の予算全体の中での位置付けとして、見直さなければならないのではないか。
   ▲公募型事業を一昨年発表した際に、最初にいただいた質問が、どれだけ予算をもらえるのかということだった。自主事業に費やしたものと同じレベルのものであれば、当然できるし、当時一番予算をかけたもので2,000万円程度のものもあったので、2,000万円に値するものであれば、そういったものに使いたいと答えてある。最初の年はかなり応募があり、今年は2本。これから考えなければいけないことは、誰かアイデアありませんか、と問い掛けるだけでは、応募はない。財団の職員が市民の活動の中に入っていって、この団体なら、こういうお手伝いをすれば、素晴らしい企画を立ち上げてくれるかもしれない、そういうことを把握しながら、そのような流れに導いていくことが必要だ。先細りは、長岡だけの状況ではない。税金を使うのだから、良い形に持っていけるよう、指導することが大切だ。これが、公募型での一番大きな課題だ。企画が多すぎるというのは、逆だ。それを数多く行うことによって、職員が事業の組み立てを体で覚えることができる。失敗を繰り返して、いろいろなことを学ぶ職員がいないと、市民の提案をお手伝いすることが、能力的にできなくなる。
   ・特に、コンサートホールでのキャパシティをどれだけ埋めたのか、"ぜい肉"だとは思わないが、企画をする意味合いとして事業の数を確保したいということになると、イベントに対するフィードバックができていないから、集客が少ないのではないか。全体のバランスから考えて、数を減らすべき。事業係スタッフの負担も考えると、数が多くて酷なのでは。1つのイベントに対して本来注げるものを、数が多いことによって注げていないのでは、意味がない。市民の税金を使っていて、どこにフィードバックすべきかを考えた場合、全国公募で高いクオリティーの人たちを育てることに比べて、長岡のアーティストを育てる場合、育ったところのクオリティーは高くないかもしれないが、講習型のイベントとしての質は、けっして低くないと思う。地元の人にフィードバックする方向に視点を転換してほしい。

   ▲そういう視点でやっている。
   ・2回目懇話会は自分は欠席だったが、その議事録で、県財団のような助成事業を実施してほしい、という意見があったように記憶している。財団が現在行っている文化活動助成事業は、何年前から実施しているのか?
   ▲13年4月からである。
   ▲前からアイデアはあった。開館5周年ということで、スタートさせた。
   ・助成事業を市民の人たちがどれだけ知っているのか。意外に、知らない人が多いと思われる。外に向けて、広く認識させてほしい。みな、良いものは大いにやってもらいたいし、誰もが参加できる会館にしてもらいたい、と同じことを考えているはずだ。考えていることが意外にリレーション(話し)されていないところに、誤解が出てきて、トラブルになっているのでは。だから、この懇話会の開催はいいことだ。自分の相対的な考えだが。
   ▲市民への周知という意見だが、本日民間スーパー・原信の協力を得て長岡市内の店舗すべてに、財団のチラシコーナーの設置が終わった。そこに行けば、財団の自主事業や助成事業、公募型事業のパンフレットすべてを置いてある。日常生活圏内の中に情報を出していくということで、民間企業の協力が得られた。
   ●市民センターにも、そういうコーナーはあるのか?
   ▲市民センターにも、情報コーナーを持っている。
   ・公募型事業が先細りという話しがあったが、自分は公募型事業については、多くの提案があることがベターだということにはならないと思う。初年度は、夢を持っている方も多く、応募数も多かったが、大変な予算がかかるし、市民挙げての長期計画なので、半年や1年ではできないだろうし、満を持して2年計画という腹積もりでいる方も多いと思う。ただ提案すればいいというものではないだろう。ヴェルディ「レクイエム」は素晴らしい企画で実現しようとしているし、来年度は予算が少ないとのことで、その中で昔から根付いている第九演奏会が公募型事業として採用され、順調に進行しているのではないかと推測される。また、次には、長期的な視野で企画を練っている人もいるはずだ。
   ▲事業を発表する際も言ったことだが、具体的なアイデアはなくても、こんなことをやりたいと思っていることを相談に来てほしいと呼びかけてある。あまり難しく考えないで、気軽にリリックホールの職員に声を掛けてほしい。
   ●ただ好きだというだけで、何をどうやったらいいか分からない方も、事務局が支援したらいい。
   ・他の会館や市町村と比べ、客観的に見ると非常に点数が良いのではないか。自信を持って、5年目からさらに膨らませていけばいいと思う。
   ●息の長いということが大事。育てるという、温かい気持ちがあれば一番いい。

   〔リリック友の会について〕

   ▲友の会会員は約350名で、横ばい状態だ。どうやったら会員を増やしたらいいか、試行錯誤の中で運営をしている。
   ・各地区の公民館やコミュニティーセンターに行って、営業はしているのか?
   ▲そういう勧誘はしていない。
   ・底辺を広げるには、地域を利用したほうが良い。地区公民館だけでも、30近くある。
   ・組織構成図に友の会がないが。
   ▲会員の皆さんが期待しているのは、財団からのサービスで、友の会から財団への見返りがすぐに見えてこない。また、組織図を作成する際に、友の会のことは意識しなかった。
   ・どういう役割を果たすかということが問題だ。友の会を発足させたときに、財団としてどういう役割を期待したかを聞きたい。現実には、年会費を払って、1割、2割のチケット料金の割引がされ、リリック通信が郵送される、それぐらいのものだ。某デパートの友の会は、時々イベントや講演会を行っている。そういうものすら無い。
   ▲全く無かったわけではない。財団の活動をバックアップしてもらえるものが欲しいということで、スタッフに全国の各ホールの友の会を調査してもらい、リリックの今の体制でどういう形で展開できるかの報告を受けた。友の会だけの特典も用意しなければならないと、いくつかの仕掛けは行った。例えば、リハーサル見学やフランス歌曲の際のディナーショーでの割引など。全くやっていないわけではない。クラシックに力を入れる中で、会費を積み立てながら、東京の公演に行ったりする友の会であってもいいと考えたが、その段階ではそこまでは無理だった。
   ・魅力が全くない。チケット料金が多少安くなるだけだ。年間に3,000円のものを1本しか観ないのであれば、会費を払うこと自体がばかばかしい。友の会会員も市民であるわけだが、それらの人たちの意思が形成され得るはずだ。例えば、懇話会に友の会の代表が来ているとか、そういうことも必要だ。単なる安売りチケットのためならば、友の会など無くてもよい。小出郷文化会館では、企画運営委員会に代表を出している。その企画運営委員会が、館の中心的な役割を果たしている。友の会という存在が、1つの意思、人格を持っている。
   ▲友の会会員が、リピーターになってほしいという願いがあった。
   ・最初の発足の仕方がまずかったと思う。
   ・リリック友の会は聴衆の会だ。ただ、リリックホールに一番足を運んでいるのは、自分も含め、練習スタジオの利用者のはずだ。そういう人たちを対象とした友の会は作れないか?公募型事業先細りという話しもあったが、それも練習スタジオを利用するためリリックホールへ行っているのに、財団職員とコミュニケーションがほとんどとられていない。ただ挨拶だけ。何回足を運んで、やっと助成事業があることに気づく人もいるはずだ。自分も、昨年助成事業があることを知って、30年この活動をしているが、初めてたくさんの助成金をもらい、公演を開催させてもらった。こういう活動をしている人はたくさんいるので、できるだけ知らせてあげるべきだ。そういう人たちも対象に、友の会という形があって、その会に実質的な力があるのであれば、参加したいという人は多いと思う。団体で参加するという形態も考えられるだろうし、使用料の割引もあれば、参加したいとも思う。その結果、こういう人を呼んでほしい、こういった講習会を開いてほしいとか、この公演のときには自分たちがボランティアをするとかいうことが、広がっていくのではないだろうか。財団にお願いしたいのは、その核となる役割を果たしてほしいということ。同じような境遇の人、団体の意見も聞きたいし。そのようなことによって、長岡の文化の核となるような財団へとつながるのでは。
   ・「ふゆのたびフェスティヴァル」という名称は、的を得ている。音楽の企画が多かったかもしれないが、自分は非常に思い入れがあるし、あれだけのロケーションのホールは全国探してもそう無いのではないか。周辺の環境が素晴らしい。企画のやり方によって、"使える"ホールだ。音楽偏重だけでなく、いろいろな用途に活用できると思う。
   ●演劇の見方や、郷土芸能の鑑賞方法など、解説付きのセミナーを開催するのも、1つの手法だ。
   ・自分は以前事業企画審査委員だったことがあり、一番最初の会議に何か企画があったら持ち寄ってほしいということだったので、リリック・サポートクラブを作ったらどうかと提案した。それは、いつか立ち消えになってしまった。当時のスタッフの人とも、ボランティア団体を立ち上げて、それを母体にして企画を作っていったりする組織に将来的にしていったら、という話し合いも少ししていた。そのうちに、友の会を作るという話しを聞いて、1年目は会員になったが、コーヒーの割引券とチケットの割引券が来て、これからあと何があるのかなと思っていたが、何も無かったし、1年でやめてしまった。演劇関係者にとっては、友の会がお客様の確保という意味合いもあるし、公演当日にスタッフをお願いしたりとか、いろいろなネットワーク作りに活用できるのではないかとも思っていたが、なかなかそういう風にはならなかった。財団側の怠慢ともとれるが、友の会を再編成して、組織化していくとよいのでは。それは、財団だけに頼るのではなく、我々から呼びかけて総会をやりましょうとか、会員から立ち上げていく手法もあると思う。練習スタジオ利用者の団体という話しがあったが、友の会という位置付けでもいいし、利用者協同組合みたいな位置付けにも持っていけると思う。スタジオロビーには、練習後に集まっている団体が多いが、他の団体には声を掛けづらい。そこをうまく整理することもできるのではないか。以前から言っているが、情報ラウンジを喫茶店にして、マスターを置いて、チケットも売るお店にするのもよい。そうすることによって、人も集まってくるし、交流の場が生まれるのでは。急には難しいだろうが、今後そういった方向性も考えてほしい。
   ・いつも感じているのは、リリックホールに足を運ぶことが非常に不便だ。車も運転できないし、バスは開演時間前に終わってしまう。終演が午後9時だと、それからタクシーを呼んで、ということがとても不自由だ。いいコンサートをやっていて、行きたいと思っても、そういう点から二の足を踏んでしまう人もいると思う。シャトルバスなど、良い方法はないか? 周辺も暗くて、寂しいし。
   ・車を運転されない方からは、リリックホールは不便だという話しはよく耳にする。
   ・その問題がクリアーできれば、友の会に入る人も増えると思う。
   ●循環バスがもう少し便利だと助かる。
   ▲財団自主事業では、必ず終演後にバス、またはタクシーを手配して、いずれも利用者はバス料金で利用可とし、足りない差額を財団で負担している。
   ▲終演バス、終演タクシーの行き先は、長岡駅限定ではあるが。終演後15分か20分をめどに発車している。
   ▲入場者数の多いときはバス、少ないときは乗り合いでタクシーを手配している。
   ・リリック友の会は、長岡市民限定か?
   ▲市民限定ではない。
   ・長岡に住んでいる、長岡に事業所がありそこに勤めている人を優遇することを検討したことはあるか?
   ▲今日は、市内の方、市外の方の比率は即答できないが、市民だけの優遇は考えなかった。
   ・新潟のりゅーとぴあでは、東京で観たら10,000円くらいのものが3,000円くらいで観ることができ、自分たちはありがたい。長岡市は大きな町で、周辺市町村にサービスをしている面もあると思うが、自分の考えは変かもしれないが、市内の人にはもっとサービスしてほしい。
   ・今の意見と逆になるが、自分は小出郷によく行くが、会館そのものにはあまり行かない。そこは出前コンサートをよく行っている。湯之谷村のトンネルの中や広神村の役場等々で、100人規模のコンサートを行い、ピアノ持ち込みで、ボランティアスタッフが手伝っている。チケット料金は、1,000円くらいだ。はるかに支出の方が多いと思う。いろいろな考え方があると思うが、リリックホール主催のものを栃尾市など周辺市町村で行ってはどうか。
   ・自分がリリック友の会に入っているのは、リリック・ファンクラブという感覚でしか入っていない。ここに、友の会についてという議題が出たこと自体、財団が友の会について話し合いをしていなかったということの裏返しでは。組織化はきっちりとやるべきだし、そのことによって友の会は何をするべきかが分かってくるはずだ。自分はそのあたりの事情が分からないので、ファンクラブくらいの気持ちでいたが、そういう人もたくさんいると思う。これだけの事業を実施していて、リリックホールに対する思い入れを持つ人もたくさんいるはずだ。そういう人たちにもっと呼びかけをするとか、組織化とセールスは必要だ。営業に関しては、周知するために、会員募集を事業のポスターに入れたりするのもよい。そういうことはしているのか?
   ▲チラシは作っている。ポスターは無い。
   ・入ってもらった方がいいし、リピーターも増える。友の会会員数は、何人くらいを予定しているか?
   ▲多ければ多いほどよい。
   ▲職員の数などの点で、そこまで組み立てている余裕が無かった。
   ・会員期限が切れても、継続加入を催促されることがない。
   ▲問題意識を持って、取り組みたい。
   ・自分もリリックホールへ何度も行ったが、友の会の誘いを受けたことがない。他の会に2つくらい入っているが、例えば県立歴史博物館では、館長の講演の際はその最後にPRをする。そうすると、全員ではないにしろ、入会する人はいる。リリックホールも、公演のその場にパンフレットを置いて受付をすれば、それなりの効果があるのではないかと思う。
   ▲カゲアナでのアナウンスは行っているが。

   (2)財団の組織体制

   〔財団の組織体制について事務局から資料をもとに説明〕

   ・先ほどから職員を育てていくという話しがあったが、プロパー職員は1年契約の臨時職員と聞いたが、矛盾するのではないか。1年、2年で辞めていく人もいるし。
   ▲立ち上げ当時に、プロパー職員の待遇をどうするかは、市でも検討してもらったが、難しい問題もあり、最初は4回更新で最大5年ということにした。市の同格の職員と待遇を同じくらいに引き上げてほしいと市に交渉したが、今日に至るまで実を結んでいない。ただ、今後は、改善の可能性が無いわけではないと思うが、自分からは何とも言えない。
   ▲この4月から三セク法案が施行される。公務員が第三セクターの団体に派遣される場合は、3年が限度となり、本人の同意も必要となった。派遣期間は、最長でも5年だ。市の派遣職員については、順次入れ替えの措置がとられる。プロパー職員で事業を構築していくシステムの必要性が生じてきて、そういった職員の働きやすい職場環境を作ってやることについて、待遇を含めて市と協議してきた。外郭団体は芸文財団だけではないので、一律とはいかないが、市からもその方向性について理解してもらったという状況だ。
   ・専門性を高めるという意味で、中矢館長からは底上げをしてもらい、スタッフの意識も高くなった。事業係スタッフの問題がいま重要となっている。継続的な事業展開の中で花開くのだろうが、財政事情や他の財団との兼ね合いから実現しなかった経緯がある。市職員であると、人事異動もあり、ノウハウを蓄積できない。今後、そういう風に考えてもらえそうな方向が出てきたところだ。
   ●限られた人数でするのではなく、先ほどの話しにあったサポーターシステムのように、その少ない人数を補うボランティアの活用も有効だ。そういったものを組織の中に組み入れてみてはどうか。縁の下の力持ちも必要だ。
   ・組織図の中から、館長職、副館長職は、来年は無くなるのか?
   ▲それについては、事務局だけでは判断できない。財団のトップである理事長の考えも入ってくるし、最終的には3月までにどうするかを検討して、理事会に諮るスケジュールになる。どうするかは、未定だ。
   ●東京で仕事を持っている方ではなく、地元の人ということになるのだろうが、いずれにしろ館長不在というわけにはいかないだろう。
   ▲舵取りは必要だ。地元の人がリーダーシップを取れれば。
   ・中矢館長は、さまざまな情報を持っておられるだろうし、サポートしてもらうことはできないか。
   ・組織構成図の意味合いとして、現在の館長がたまたま理事ということなのか、それとも館長が必ず理事を兼ねるのか?
   ▲前者だ。

   〔中村委員、家田委員から、それぞれ追加資料が全員に配布される〕

   5 閉会
     事務局から、次回開催を3月中に予定していること、その際の座長を内山委員にお願いすることを伝え、閉会を宣言した。

 
  (財)長岡市芸術文化振興財団事務局

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