○日時 2001年11月8日(木)19:00〜21:00
○場所 長岡市立劇場・中会議室(3階)
○出席者
- メンバー:安達、家田、山崎、内山、大原、川上、菊地、佐藤、鈴木、高見、永井、中村、長谷川、芳野、渡辺 ※山崎氏は、今井氏の代理
- 事務局:松木長岡リリックホール副館長、神林事務局長、五十嵐長岡市立劇場長、渋川事業係長、金子管理係長、植木事業係主任、山田事業係主事
○議事等
1 神林事務長から開会の宣言
2 松木副館長から開会の挨拶
3 メンバーの自己紹介
4 運営懇話会の運営方法について事務局から提案
- @懇話会の進行役は、メンバーの中から互選で選出する。
- A会議の記録は事務局で作成し、各メンバーに送付する。あわせて、市民に公開する。
- B参加した懇話会メンバーは、全員が発言をする。
- C原則として懇話会メンバーの意見に財団が応えるという構図ではなく、財団は全ての意見を謙虚に受け止めるというスタンスで望むこととする。
- D懇話会のメンバーから出された意見を事務局でまとめ、財団としての方向を示すこととする。
5 運営懇話会の運営方法についてメンバーから発言
@ 進行役の互選
- 懇話会の進行役は、熟知した人物でないと駄目だ。突然指名されても、まとまりがつかないこともあるのでは。
- 進行役は固定しないで、交替制にしたほうがよい。
A会議記録の公開
- ホームページでの議事公開は、誰の意見かわかるような形にしたほうがよい。誰の意見か分からなければ、公開しても意味がない。
- 名前を入れても問題ないだろう。
- 公開の席に来て発言するわけだから、市民全員が傍聴者だという観点からすれば、ホームページに発言者の名前を入れてもよいのでは。
- ホームページに名前を掲載すると、会で発言しづらくなることもある。
- 文化振興の推進を図るため、広く意見をうかがうということが重要であって、誰が発言したかは重要ではない。
事務局
- 発言を要約し、意見を羅列した形で、メンバーに記録を送付する。そこでは誰の発言か分かるように名前を入れておくが、校正後、ホームページで公開する際は、名前を削除することとする。
E 会議の傍聴
メンバーから、懇話会のメンバー以外の方にも、傍聴を認めたらどうかと提案あり。
- 傍聴の可否は、傍聴希望人数にもよる。適当と思われる人数であればよいのではないか。懇話会の側からの依頼で、特定の分野の方々を招いて、話しを聞くという手法もあると思う。
- 傍聴は賛成だ。ホームページで公開するくらいなのだから。
事務局
- 事前に傍聴希望者を募りたい。リリック通信などで広報をする。
6 配布資料の確認
7 事業運営についてメンバーから発言
- 申請事業のすべてを許可すると、収拾がつかなくなる恐れもあるので、枠は必要だ。ただ、芸術・文化といったものは、抽象的・感覚的なものだから年々試行錯誤をしながら向上していくというものではないか。
- 企画を公募して、それを自主事業として採用するだけでは駄目だ。それでは、アンケートの中の提案を採用するのと変わらない。提案者と財団、そして市民が一緒になって作り上げていき、そのノウハウを蓄積していくことが大切だ。買い取りだけの公演では、意味がない。苦労しても、チラシやポスターなどの細かな点まで、実行委員会と一緒に作り上げていくようなシステムにすることこそ、文化活動と言えるのではないか。
- 公演が成立するまでの過程も、事業を構成する大切な要素だ。「東北の昔話」では、チラシの配布一つとっても、ごぜ唄ネットワークと協力しあい、そういうことの繰り返しこそが大切だ。
- 音楽の分野で、プロを招いて市民が参加する企画をやれたら、よいのではないか。内容のよいミュージカルも実施してもらいたい。舞台の大きさなど、いろいろ制約はあるだろうが…。
- 事業には1年単位のものと中長期的な視野に立ったものがあるが、何年後にどんな事業をやるのかが決まった段階で、市民にアピールすることも必要だ。
- 自分も、財団の事業でボランティアをしたことがあるが、ボランティアを募集し、その登録制を実施したらどうか。当然、ボランティアでできる仕事とそうでないものはあるが、リリックホールのスタッフだけで全てをしようとするのは、大変だ。
- 事業内容がクラシックに偏りがちという意見があったが、リリックホールのスタッフは、クラシックの専門家だけではなく、他の分野に精通したスタッフも育てていったらどうか。
- 芸術文化の発表の場として、情報ラウンジを活用しては。
- 財団の事業に市民の意見を取り入れるとしても、公演の内容によっては、いろいろな意見を取り入れると、かえってやりづらくなるものもあるのではないだろうか。
- 財団は、もっと外に目を向けてほしい。客席がまばらで、よいものをやっているのに、もったいないと思うことがある。財団の行っている事業がよいものだということが分からないでいる人に、それを教えてやる活動も大切。事業の内容については、市外の方から、長岡はよくやっているという声は耳にする。
- 自分が参加しているアンサンブル・リリックでは、他の市町村から参加している人が多く、自分個人としては恩恵を感じているが、他の地域の人によいものを取られてしまっている感がある。
- 長岡音楽文化協会に所属する音楽団体は、ホールの使用でも一般の貸館扱いで、四苦八苦しているのが現状だ。市民の中から、文化を育て上げていく土台がない。それを財団で育んでいければよいと思う。
- ほとんどの公演を見たが、いいステージがたくさんあり、感心した。
- 事業係のスタッフが行っているアウトリーチ活動は、この勢いで進めていってもらいたい。街角で、市民が「あれっ、何をやっているのだろう」と目を向けるような活動も行っていけば、空席がもっと埋まっていくではないだろうか。
- 年間の事業本数には、驚かされる。全国に数ある美術館の中で、黒字のところはほとんどないのでは。文化とは、そういうものなのではないだろうか。
- 長岡の音楽人は幸せだ。美術関係のギャラリーは、ほとんどないのが現状だ。
- 公立館の活性化を考えるうえで、建物はできたが、人が集まらないという現象は、全国どこでも起こっている、共通の問題だ。市民と連携を深めるのが一番よい。財団の事業の6割から7割はクラシック音楽関係だが、その愛好者は市民の中でどれくらいいるのか疑問だ。自分は、クラシックファンの割合はわずかなのではないかと思うが…。市民を呼べる企画として、クラシック以外の音楽の事業も行ってはどうか。
- 「わらべ唄」は、ユニークでよい企画だ。落語など、庶民的な企画も、もっとやるとよい。
- 「カーリュー・リヴァー」など質の高いものは、ある程度予算の持ち出しが多くなってもやむを得ないが、2〜3年の企画の中に組み入れていくことがよい。「角田川」に出演した能楽師などは、やりたいという意欲はある。問題は、地域の人たちがそれに応えてくれるかどうかだ。
- 企画公募は、従来の範疇を飛び出した、多彩な事業が展開された点で、画期的だ。ただ、1つ懸念するのは、提案者の独りよがりであってはならないということ。提案された事業が、市民が関わっていけるものであれば、大変よいことだ。主催者側の意図だけで、事業が展開されていくのは、好ましくない。今年度実施したものについては、内容もあり、バリエーションに富んでいて、よかった。
- 今年の公募で採用された7事業については、成果を急がないで、継続して取り組んでいってほしい。まだ、試行錯誤の段階だし、自分たちも企画の内容について考えていきたい。
- 「ヴェルディ合唱団」の205人とオーケストラが、市立劇場の舞台にあがるのはすごい。
- 財団の活動の70%はクラシックではないか。ほかのジャンルに属する方々は、どのように思われているのか。邦楽が少ない。「カーリュー・リヴァー」を見てもわかるように、時代が進むと、日本とヨーロッパの音楽を別々に考える必要がなくなってくるのでは。邦楽こそ新しいという内容の事業があればと思う。
- 少ないスタッフでよくやっている。
- 公募型事業で、採用されなかった事業についても、なぜそれが採用されなかったのか、それを知らせることも必要だし、財団としての視点が分かるとよい。
- 文化をより多くの市民にフィードバックし、さらに調査をし、その意見を財団の事業に反映していけたらよい。懇話会を行っていく中で、アンケートなどでリサーチを行い、なおかつ、ホールに足を運べない方の意見も取り入れていけたら…。
- 「カーリュー・リヴァー」は、収支予算に偏りがあるのでは。ただ、このようなビジネスを度外視してできる事業こそ、財団が実施できる事業であるのも事実で、それを厳選する財団側の良心は、信じている。自主事業の質の高さには、疑いを持っていない。
- 2〜3週間前の長岡新聞に掲載されていた中矢館長のインタビュー記事が、気になった。他の公共ホールにはない企画力があるという自負を持っておられ、このことは地元としても誇らしいのだが、財団側では、独りよがりになってはいないか、もう一度足元を見つめなおす必要があるのでは。質がよいということと、それが必要かということは、別の問題だ。
- マスタークラスを受ける人は全国公募される。他のホールではないことだと言っているが、それはリリックホールが優れているという見方もできる一方、他のホールがあえてそれに取り組まない理由があるのではないか。財源の何割かが長岡市からの補助金とのことだが、誰に事業の成果をフィードバックすべきなのか。それら質の高いマスタークラスなどは、一地方がするのではなく、本来文化庁などがすべきではないか。
- バランスエンジニア・マスタークラスは非公開だったとのことだが、それが開催されたこと自体、知らなかった。受講者は、ビジネスでレコーディングをしている方が多いと推測されるが、録音エンジニアの技術力の向上は、本来企業がすべきことで、財団がすべきことなのかは疑問だ。予算の枠の中で、選りすぐりの質の高いものをやっているという自負があるのはわかるが、予算のたれ流しはよくない。市民の税金を使っている以上、市民のコンセンサスが必要だし、そのためのPRもしていかなければならない。
- マスタークラスを行うことは、いけないことではない。例えば、文化庁など、中央の諸団体が行うマスタークラスに、会場を積極的に無償提供していく文化発信のやり方もあると思う。
- 地元での底上げが必要だ。広範囲のエリアを念頭に置くではなく。
- 公費を使う事業には、事前の審査とは別メンバーによる、公演後の市民サイド評価システムを導入する必要がある。なるほど芸術創造活動は、市民個々の趣向の問題もあり、評価することが難しいが、公費を使う場合は、できる限り事業内容を厳しく審査し、いろんな市民団体の活動を発掘し、広く支援することが大切であろう。
- 「魔笛」や「カーリュー・リヴァー」などは、過渡期のせいか、案外オリジナリティに欠け、啓蒙的だった。今後事業内容を早めに公開し、もう少し事前に吟味、検討し、事後の第三者評価をしながら、さらに進めてほしい。
- 独りよがりというものが、個性につながっていくとよいと思う。新潟の"りゅーとぴあ"などはかなり多方面で、オリジナルな展開がなされている。
- 自分は事業企画審査委員会に参加しているが、そこで採択され、実施された事業を、一般の方々がどのように受け止めているのか、大変気になる。
8 閉会
次回開催を12月20日前後、開始時刻を19時とすることを決定し、神林事務長から閉会の宣言
(財)長岡市芸術文化振興財団事務局
http://www.nagaoka-caf.or.jp/unnei1.html
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