〈授業の目標と概要〉
 テネシー・ウィリアムズの戯曲『ガラスの動物園』を読む。日本でも何度も上演された彼の代表作である。ガラスの動物園は孤独な娘が愛してやまないガラス細工を意味していると同時に,彼女が閉じこもる内的な世界,過去の華やかな夢に生きる母親,詩作を目指しながら映画へと走る息子など,それぞれの人物が現実を逃れ,幻影を求める姿を象徴している。これといった事件がおきるわけではないが,読んでいくうちに登場人物の人間像が浮かび上がってきて面白い。会話を通して,Situation,気持ちなどを考え,理解しながら読んでいきたい。

〈授業の進め方〉
予習をしてきてほしい。at randomに指名して,英語と日本語で「演じて」もらいたいと思っている。

〈成績評価の方法〉
出席状況,日頃の授業参加状況,定期試験により評価する。
使用テキスト Tennessee Williams:The Glass Menagerie(英宝社)
参考文献  

http://www.ge.niigata-u.ac.jp/Syllabus/1998/G6209.html 新潟大学


私は誰?



ある時、知人が言った。
「それから」の主人公は自分だ。
え?自分?
「この本の登場人物は私」
そんな風に本を読んだことがなかった私はびっくり。

この本はおもしろい。この先のストーリーはどんなだろう。
この登場人物は素敵、あこがれるな、こんな人になりたいな。

でも「この人は私」そんなこと思ったこともなかった。
では、私は誰?
無理矢理探すこともないんだけど、
どうしても自分とイコールの登場人物を見つけたかった。

タフで優しい人になりたいと思うけど、マーロウは私じゃない。
ガープも好きだけど、ライ麦畑のホールデン好きだけど、
ジェーン・エアの激しさにもあこがれるけど、
でも、違う。
うーん、うーん、誰だ?

いた!私がその本の中に!


「ガラスの動物園」のローラ。


そう彼女が私。
多分周りのみんなは「違うよ、全然似てないよ」って言うだろうけど。
あなたの知らない私がそこにいるの。

彼女は私。私は彼女。とっても似ている。
私のある部分は彼女なの。
私がこの本に惹かれる理由は、私がその中にいたから。

あなたは「この人は私」って思える登場人物に出会ったことがある?



 参考:「ガラスの動物園」 by テネシー・ウィリアムズ
    「それから」 by 夏目漱石
    フリップ・マーロウ・シリーズ by レイモンド・チャンドラー
    「ガープの世界」 by ジョン・アーヴィング
    「ジェーン・エア」by C・ブロンテ

http://www.coara.or.jp/~yumi/book/essay/who.html   yumidas


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