メーテルリンク/青い鳥(1908・新潮社)
MAETERLINCK/L'oiseau bleu
堀口大学 訳


物語が始まるのはクリスマス前夜。”かあさんがサンタのおじいさんにお願いに行けなかった”ため貧しいチルチルとミチルの家には今年はサンタさんが来ない。向かいのお金持ちの家で華やかに行われているパーティーを見ながら遊んでいる二人のところに妖女が現れ、病んでいる娘のために青い鳥を探してきて欲しいと頼む。妖女にもらった帽子のおかげで、人でないものの声を聞くことができるようになったチルチルとミチルは、「光」「イヌ」「ネコ」などと共に青い鳥探しの旅に出かける。
 「思い出の国」では死んでしまったおじいさんたちと話し、「森」では木々や動物たちの人間に対する怒りを聞き、「夜」では世界のあらゆる暗い影を見、「幸せの国」ではお金や地位よりもっとかけがえのない幸せがあることを知る。
 結局青い鳥を捕まえられずに家に戻ってきたが、そこは、今までと同じ家であるにもかかわらず、すべてが美しくすばらしいものに見える。ふと見ると、チルチルの飼っていた鳥が美しい青い色をしている。こんなに近くに青い鳥がいたことに気付くが、最後に鳥は逃げてしまう。
 「青い鳥を探して下さい。僕たちの幸せにはあの鳥が必要なのです。」というチルチルの言葉で劇は終わるが、はたしてそうなのだろうか?青い鳥がいることが幸せなのではなく、どこでも青い鳥(幸せ)を探せると知っていることが幸せなのではないかと思う。

http://www.key.ne.jp/ako/Xbooks/bluebird.htm 


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