「三人姉妹」

チェーホフ作/佐々木彰訳
エキスパンドブック/Win版 156KB Mac版 145KB/テキストファイル 68KB
定価:400円

プローゾロフ家の三人姉妹、若くて、美しくて、才能のある三人(オーリガ、マーシャ、イリーナ)が、将軍の父の死後、田舎町の低俗な環境の中で、しだいに若さを失い、きりょうも衰え、才能もむだについえてゆく物語を軸に、働くことのなかに人生の意義のあることが強調されている。物情騒然たる二十世紀初頭のロシヤ社会の空気のなかに、作者チェーホフが身をもって感じた近づく革命を予測する言葉が登場人物の口を借りて語られる。一九〇一年にモスクワ芸術座で上演するために書かれた。

http://www.gutenberg21.co.jp/3sisters.htm グーテンベルク21


三人姉妹

チェーホフ
湯浅 芳子 訳

◇ 赤 622-4
◇ 体裁=文庫判
◇ 重版中
◇ 1932年9月15日 発行
◇ ISBN4-00-326224-7
小さな町にすむ三人の姉妹が,現在に満足している人たちにとりかこまれ,空しく朽ちて行く姿を描く.当時のロシア社会が理性ある人間にとってどんなにたえがたいものであったか.幕切れに姉妹が,憧れの首都に呼びかける「モスクワへ!」という言葉は絶望的停滞のなかにも希望の失われていないことを印象づける.一九○一年.

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/32/7/3262240.html 岩波文庫


 

三人姉妹
1995/6/14〜7/30(ベニサン・ピット)
三人姉妹
“孤独の深さを丁寧に描く
夢も希望もあったはずの生活が色あせ、思わず「こんなはずではなかったのに」ともらしてしまう。
一人ひとりのため息が聞こえそうなほど、孤独の深さが丁寧に描かれた。だからこそ、終幕部で三人の姉妹が繰り返すせりふが生きてくる。「生きていかなければ」。悲壮な覚悟の言葉が力強く響き、人に対する優しさとなって現れた。”(読売新聞・杉山弘)

“豊かなドラマたたえる神経の行き届いた演出
家具調度の位置や質感から俳優のちょっとした仕草までの「目に見えるディテール」と、登場人物の希望と絶望、自己過信と自己不信、甘い悲哀感と辛い滑稽感などの「目に見えない内心の葛藤」と、その両方にルヴォーほど神経の行き届いた演出を見せた例は珍しいだろう。”(産経新聞・小田島雄志)
“密度の濃い舞台
チェーホフは、ドラマの経過を姉妹たちの家庭のなかだけで細密に描きながら、外部で起きる事件は視野からはずし、作者の主観も吹き消している。そのため現実に侵食されていく生活のありさまが、あたかも時の流れに風化される人間存在の永遠・客観の相といった印象を与える。そこに時代を超えた普遍性がある。ルヴォーの演出はそういう作品の性格を確かに押えている。”(日経新聞・川本雄三)

美しい夢が現実と衝突し無惨に枯れていく憂鬱な日々のなか、時の流れの向こうに未来を信じ、自分自身の生活を求めて生きていこうとする三人姉妹の物語。

http://www.tpt.co.jp/1995-2/ シアタープロジェクト東京

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