第1回市民劇 上杉祥三作演出「舞台役者症候群像」
練習日記6 平成13年7月10日(火)〜7月15日(日)
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本文
- 7月15日(日)午後0時〜午前1時
- 今日はとにかく暑い日、それも蒸す
- 昨日のように野外ステージで練習したら倒れちゃいますね
- 夕方まで役者は抜き稽古、我々はスタッフワークをせよとのこと
- リハーサルを午後7時から行うという
- そこで4時からスタッフの演技練習を自主的にしようということになった
- 練習場が取れたのでスタッフワークは4時までに終了させて自主練習となった
-
- 昨夜、スタッフワーク中のみんなに声を掛けて
- 我々の出番の練習をやろうということになった
- 何をどうしたらよいのかもわからず
- スタッフワークも見えない中で
- 何もかもが見えない中で
- ステージでまともに指導を受けるチャンスがなく
- 気がついたら本番まであと数日にせまり
- 何とかしよう、このままでは我々がみじめな思いをするという危機感で
- 余計なことをするなと怒られるかもしれないが
- もはや待っていられない
- 我々だけでこっそりと練習をしよう
- 我々が考えたベストなことをやっておこう
- そんな気持ちの中で我々の自主練習が始まった
-
- 昨夜は場所がなかったので野外ステージを使った
- 夜中なのに蒸し暑い
- 我々の出番は、ほんの2,3分しかないステージなのだが
- スローモーションで動くことが非常にエネルギーを激しく消耗してしまう
- 汗びっしょりになる
- しかし、みんな何となくうれしそうだった
- 考えてみればまともに体を動かすのは久しぶりだ
- 毎回、すぐにスタッフワーク、役者は抜き稽古というパターンであった
- 汗をこんなにかくのは半月ぶりであろうか
- みんなは体を動かして汗をかくことに心地よさを感じている
-
- あまり時間がとれなかったが、久しぶりの汗をかいて心地よかった
- 昨夜に続いて今日も練習をしようということになった
- 外はカンカン照り、こんな状況では外の練習は体力が持たない
- 室内を事務局が用意してくれた、感謝
- 4時から1時間ほど練習をした
- だいぶまとまってきたようだ
-
- 7時からリハーサルという
- しかし、結局9時過ぎから始まる
- 我々の出番で少し変更した演技がある
- この事について演出からなんで勝手なことをするのだと
- クレームが付けられなければいいがと不安が残った
- しかし、やってしまえとばかりに演じてしまった
- 私が以前、演出家にあまりに練習のチャンスがないので自主的に進めるため
- 最初の場面をこのようにしたいと思っているのですがと申し入れたら
- 「それは私が決めることです」とピシャリと言われてしまった
- それ以来引き下がって自主練習を進めなかった経緯がある
- そんなことから勝手なことをしたとお叱りを受ける覚悟でのリハーサルだ
- 演出家からどんなダメ出しが出されるかとビクビクしていた
- 終了したのはやはり真夜中0時を過ぎていた
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- ダメ出しが始まる
- 我々の場面は真っ先である
- 勝手なことをしてと怒られるのだろうか
- みんなに迷惑を掛けてしまうのであろうかとビクビクしていた
- 演出家のコメントを待っている
- そして、演出家は言った
-
- 君たちは練習不足だ、もっと練習しろ
- と言われる
- あっけにとらわれた
- まさに頭の中が
- ×○?□×△○&?○#*
- 続いて
- タイミングをキチンとあわせろと言われる
- 今までのジレンマは何だったのだ
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- ダメ出しのあとでスタッフが集まってタイミングの合わせ方を取り決めた
- そして、どういうわけか明日、明後日は練習なしに変更されているスケジュールを変えて
- 我々で自主練習をやろうと言うことになった
- やっと動き出したようだ
- やっと
- 本番の5日前だぜ
- なんでいままで動けなかったのだ
- なんでいままで動かさなかったのだ
- 30人の人間を一つにまとめてゆく手段と手法を持ち合わせていない集団
- こんな集団を下から動かすことの難しさ
- しかし、動き出せば大丈夫
- まだ間に合う
- これからでも間に合う
- やれる
- やれる
- 頑張ろう!!
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- 7月14日(土)午後1時〜午後10時半
- 今日は午前中から役者は自主練習だという
- 12時から練習と急に変更になっていることに前日気がついたが
- すでに仕事が入っているので結局1時間遅れで参加となった
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- 練習場に入ったら役者の人が抜き稽古をやっているがスタッフは見あたらない
- 確認したら2時から通しをやって夕方にはシアターを退去しないといけないらしい
- その後は第1スタジオで役者は抜き稽古
- スタッフは各自の作業で10時に解散だという
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- 今日、舞台脇から通し稽古のビデオを撮影した
- 私も何だかんだと細かく裏方の仕事がある
- そんな合間を縫って撮影している
- そんな中で、今日は衝撃的シーンを撮影した
- そう、あの池田晴美の不倫シーン
- いままでいろいろ工夫をしていたが
- なかなか思うような演技にならなかった
- 彼女が相手を誘う場面だ
- 卒業という映画のミセス・ロビンソンのような役だ
- いままでスカートをまくって足を見せるチラリズム
- これはこれでいいのだが、インパクトに欠ける
-
- そして今週に入ってから彼女は宣言し始めた
- 役者仲間に打診している
-
- 「私、服を脱いで黒のスリップになろうと思うのだけど、どう?」
-
- 本人はそれこそ清水の舞台から飛び降りる心境なのだろうが
- 周りの人はアッサリと
- 「いいんじゃない、やれば〜」
- 何人かが賛同してくれた
- さらには、ブラはこれがいいとか何だとかとアドバイスまで聞かされる
- こうなるともう引き下がれない
- だけれどもまだ自分の中に抵抗感がある
- そこで、また他の人にうち明ける
- 相手から「そんなまでする必要ないよ」と言って欲しくて
- ところが「いいんじゃない」と返事が返ってくる
- もう引き下がれない
- だんだん自分を奮い立たせて
- やるんだわ、私は役者なんだから、やれるのよ、私は役者だから
- 思い込みに火が付き始める
- 思い込みの人なのだ、池田晴美という女優は
- どんどんはまり込んでしまう
- そして、いよいよその場面を演出家の前で演ずることとなった
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- その時がやってきた
- 舞台袖で待機している役者・スタッフから声が上がった
- おいおい、脱いじゃったよ
- 完全に入っているよ、トランスしてるよ
- 私はビデオにしっかりとその場面を写してしまった
-
- 練習終了後、本人にその場面を見てみるかいと話したら
- 見たいというので再生して見せた
- そうしたら、いつの間にか回りに人だかりができ
- すごい、すごい、池田さん、頑張ってるね
- などと声援が入った
- どうやら池田晴美の新境地が開けたようだ
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7月13日(金)午後6時半〜午前1時
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上杉氏が10時に到着
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早速全員を集め台本のカット部分を宣言される
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役者はこれから抜き稽古をする
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スタッフは帰って良いと言い渡される
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スタッフは結局何だかんだと作業がある
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そんな帰れるわけがない
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今、スタッフはどんな作業をしているのか
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そしてそれはどこまで進んでいるのか
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誰も把握している人がいないといって良い状況
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おいおい、どうなっているのだ
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スタッフの状況を把握していないから帰って良いなどと・・・
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ま、愚痴が出始めましたね
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結局、役者は真夜中の12時半くらいに終えて
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上杉氏と話をしながら帰っていったが
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そんな時に2階の事務局では
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「日本」という台本の表紙印刷と製本準備に大わらわ
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リリックの事務局員も、帰るに帰れないつらさ
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ま、スタッフは帰って良いと言ったのに、勝手に遅くまで作業していた
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そういわれればそれまでですが
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何とか自分の仕事をきちんとやろうと打ち込んでいる人がいる
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今回はいろいろ勉強させられますね
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役者に選ばれなかったことから
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私はいろいろ勉強させてもらっています、ハイ
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7月12日(木)午後6時半〜午後10時
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結局時間に行っても数人しかいない日が続く
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上杉氏は週末までこない
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リーダーは時間にいない
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出欠取る人も号令掛ける人もいない
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ま、各自の仕事を遂行すればよいのだろうが
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その仕事たるや、何をすればいいのかわかるようでわからない
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全体が見えない
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何となくこんなことが必要なのだろうとやり始めたものをやっている
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指示があるようでない
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それでいて、突如、指示がある
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それもそんなのなんでやってないのだというように
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むくわれない、スタッフはむくわれない
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そうなると意地になって、ムキになって自分の作業を完璧にやり出す
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あんたに文句は言わせません
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とでも言い切るために
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ムキになって作業を完璧に、さすがというレベルまでやり出す
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7月10日(火)午後6時半〜午後10時
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当初からの予定通り
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今週から平日の練習となっている
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しかし、上杉氏は週末以外来られないと言う
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拍子抜けしてしまう
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