この劇を見る前に登場人物についての基礎知識があった方が理解がよいと思う。

登場人物

男(5人)

女(5人)

仮配役(6月2日現在)

男性陣の配役

(勇次郎) (一郎)   (雅人)  (利明)   (豊)
井上公則、佐藤昌裕、小池匡、小林則夫、山本修司
アンダー
本間広和、高野裕、佐野純、土田一男、渡辺朋和

女性陣の配役

(明日香)   (笑子)   (悦子)    (愛子)  (琴美)
田中みゆき、池田晴美、矢島亜矢子、植木由美、菅沼美織
アンダー
五十川直子、川俣佳子、柳沢裕子、若月史子、榎陽子

 

以下、上杉祥三著「舞台役者症候群像」モーニングデスク刊158頁、159頁より引用、写真は別。


石川啄木(1886−1912)いしかわ たくぼく
明治期の詩人、歌人。与謝野鉄幹の知遇を得て、「明星」に詩を発表。代表的歌集に『一握の砂』『悲しき玩具』がある。結核のため、27歳で死亡。

金田一京助(1882−1971)きんだいち きょうすけ
大正・昭和期の言語学者、アイヌ語学者。「現代かなづかい」制定にも主導的役割を果たす。石川啄木と親交を結び、彼に金銭的援助を行っていたことでも知られる。


与謝野晶子
(1878−1942)よさの あきこ
明治ー昭和期の歌人、詩人。与謝野鉄幹(寛)と結婚し、「明星」を代表する歌人として活躍する。代表的歌集に『みだれ髪』。

木下杢太郎(1885−1945)きのした もくたろう
明治ー昭和期の詩人、劇作家、評論家、医学者。北原白秋らと「パンの会」をおこし、小説や戯曲でも活躍。白秋と共に耽美派の代表的存在になる。


吉井 勇
(1886−1960)よしい いさむ
明治ー昭和期の歌人、劇作家、小説家。「明星」で活躍後、北原白秋らと「パンの会」を結成。のち「スバル」創刊にも加わる。


北原白秋
(1885−1942)きたはら はくしゅう
明治ー昭和期の詩人、歌人。「明星」で活躍後、文芸運動の会である「パンの会」を結成。詩集『邪宗門』、叙情小曲集『思ひ出』、歌集『桐の花』など各分野で大きな足跡を残す。実弟鉄雄は3歳年下。
人妻松下俊子との姦通事件で投獄され、出所後結婚。離婚後江口章子(あやこ)と結婚、後離婚。白秋の『雀の生活』連載(雑誌「大観」の際に尽力した、池田林儀と章子との”事件”が一因ともいわれる。

鈴木三重吉(1882−1936)すずき みえきち
明治・大正期の小説家。児童文学に進出し、「赤い鳥」を創刊。芥川龍之介、有島武郎らに勧めて児童文学の筆をとらせる一方、北原白秋らの詩の作曲を山田耕筰に依頼するなど童話・童謡運動も展開した。

芥川龍之介(1892−1927)あくたがわ りゅうのすけ
大正期の小説家。代表作に『羅宗門』『鼻』『芋粥』『地獄変』『河童』など。谷崎潤一郎との間に「文学的な、あまりに文学的な」での言及に始まる<小説論争>を行っている。将来への「ぼんやりとした不安」を感じ、35歳で自らの命を絶った。


平塚らいてう
(1886−1971)ひらつか らいちょう
大正・昭和期の評論家、社会運動家。作家森田草平と心中未遂事件を起こしたのち、5歳年下の画家奥村博史と共同生活に入る。明治44年、婦人文芸雑誌「青鞜」を発刊。創刊の辞「元始、女性は太陽であった」は女性の解放宣言として反響をよぶ。「青鞜」にはのちに伊藤野枝、神近市子、尾竹紅吉らが会員として加わった。また、初期に毎月表紙を描いていた画家長沼智恵子は、のちに詩人高村光太郎夫人となり「智恵子抄」のモデルとしても有名。

森田草平(1881−1949)もりた そうへい
明治ー昭和期の小説家。夏目漱石の推挙により、平塚らいていとの心中事件を小説『煤煙』に描いて発表する。他に『輪廻』、評伝『夏目漱石』など。

神近市子(1888−1981)かみちか いちこ
大正・昭和期の婦人運動家。恋愛関係のもつれから、大杉栄刺傷事件を起こす。服役し、出獄後「婦人文芸」などで文筆活動を行う。のちに政界でも活躍。

伊藤野枝(1895−1923)いとう のえ
大正期の無政府主義者、婦人運動家。「青鞜」に参加し、やがてその発行を引き継ぐ。辻潤と別れたのち大杉栄と結婚。震災直後、大杉と共に甘粕正彦らに虐殺される。

大杉 栄(1885−1923)おおすぎ さかえ
大正期の無政府主義者。「近代思想」を発刊。「労働運動」を主宰する。震災直後、甘粕正彦らに伊藤野枝らと共に虐殺された。

甘粕正彦(1891−1945)あまかす まさひこ
大正・昭和期の陸軍軍人。大正12年大杉栄夫妻ら殺害の首謀者として逮捕され懲役刑を受ける。出所後、満州国建国に協力し、満州映画協会理事長も務める。戦後、新京(長春)で服毒自殺した。


谷崎潤一郎
(1886−1965)たにざき じゅんいちろう
明治ー昭和期の小説家。代表作に『刺青』『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『老人瘋癩日記』など。昭和5年、佐藤春夫との間に妻譲渡事件が起こり、この事件は『蓼喰う虫』の背景にもなった。その妻千代子の実妹せい子は、『痴人の愛』の主人公ナオミのモデルともいわれる。


佐藤春夫
(1892−1964)さとう はるお
大正・昭和期の詩人、小説家。小説に『田園の憂鬱』『都会の憂鬱』『小説智恵子抄』など。谷崎潤一郎夫人千代子と恋愛。その苦悩のなか『殉情詩集』をまとめる。のちに千代子と結婚。


島崎藤村(1872−19**)浪漫詩人藤村

高村光太郎(18**−19**)智恵子と共に