古典って面白い!!
◎ 題名について
『じゃじゃ馬ならし』。よく使うけれど、「じゃじゃ」って一体何に由来しているの?なんて細かいことが気になるのは職業柄のせいかしら。辞書によると・・・どうも、地団太、駄駄を捏ねるなんかと同源みたい・・。「じゃじゃばる」(我を通す)なんてのもあるわ。『浮世風呂』が出典かあ。ということは、近世の言葉なのかな。「じゃじゃ」は芝居の喝采の言葉でもあったそうです。ちょっと面白いと思いませんか?
◎ 文体について
シェークスピアの文章も古語(英語)だから、翻訳も「?せぬ。」「?ござりまする」など古典的、文語調に自然となってしまうのでしょう。古文に馴染みがないとちょっと読み難いかもね。翻訳者によっても結構、印象が違います。比較してみるのもお勧めです。
◎ 作品とその時代について
(日本で)古典作品と言うと『源氏物語』に代表される平安王朝、豪華絢爛な貴族のハイソな暮らし、雅な世界をイメージする人も多いでしょう。(余談だけど弐千円札って必要なもの!?)中世?近世になるとその作品に庶民のエネルギーが感じられます。同様にシェークスピアの作品(喜劇)にもそれがあるように思います。当時のイギリスはエリザベス一世の統治の下、中産階級(ブルジョワジー)が力を増していた頃で、日本でも、士農工商と言いつつ、豪商や町人が文化の担い手だったから、その点、同時代的な勢いといったものがあるかな、なんて。
男女の恋愛は永遠のテーマだけれど、近世の作品にも「じゃじゃ馬」を扱ったものは多いみたいです。それに、「言葉遊び」が好きなのも共通点でしょう。日本人は『万葉集』の時代から和歌、連歌、俳諧、狂歌、川柳と伝統的に「言葉遊び」が得意です。封建制の中で「笑い」をパワーにして、言葉を現代よりも身近に楽しんで使っていた時代、田楽、能、狂言、歌舞伎、浄瑠璃と演劇、芝居も発展していった時代と16世紀のイギリスを少し重ねてみてみるのもいいかも知れません。
◎ 「古典」の魅力について
「古典作品」に限らず、どの作品にもその生まれた時代の空気のようなものが底にある気がしますが、「古典作品」の場合、当時の習慣、風俗、流行などがわかって楽しいし、それを知ってるとまた違った面白さがあります。キャタリーナやペトルーチオは流行の髪型や服装をしていたのかな?とか何が美の基準だったの?召使って地位は?給料は?なんていろいろ想像してみても・・・。(日本じゃなぜかチョンまげ大流行。)だけど、やっぱり、いちばんの魅力は登場人物になりきって演じる・観ることよね。日本の古典も寸劇に出来たら楽しいだろうなあ。 (佐藤)