新潟日報 平成12年5月26日


 東京のプロの演劇人の力を借りて市民でつくる野外劇「じゃじゃ馬ならし」のけいこがこのほど、七月の本番に向け長岡市の長岡リリックホールで始まった。
 野外劇は、市民に演劇の魅力を”体感”してもらおうと、同ホールが一九九六年から始めた演劇ワークショップの一環。過去三回のワークショップでは、参加者が演劇の基礎訓練を受けることが中心だったが、四回目の昨年からは、野外劇の公演を目標に実施している。
 シェークスピアの「じゃじゃ馬ならし」を上演する今回は、同市や周辺市町村の二十代の会社員を中心に高校生から五十代の約六十人が参加。役者のほか、大道具や広報係りなど裏方スタッフに分かれ、舞台をつくる。
 講師は、東京の劇団「山の手事情者」を主宰する安田雅弘さん。演出も担当する。参加者は五月中旬から週末ごとにホールに集まり、安田さんらプロの指導陣から発声やダンスなどのレッスンを受けている。
 昨年行った「夏の夜の夢」公演では、三日間で約千百人の観客が来場。また、今回の参加者のうち、約三分の一が同ホールで行われた演劇ワークショップの経験者といい、同ホールでは「これまでの成果が少しずつだが、広がっているのではないか」と話す.。
 演出の安田さんは「今後は、参加者が勤め先に気兼ねなく参加できるよう、地元企業に協力を要請するなど、地域ぐるみで公演を応援する仕組みをつくる必要もあるのではないか」と提案している。
 公演は七月二十一、二十二、二十三日、同ホールの野外ステージで行う予定。

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