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JTRI 租税法研究 知新会 会報
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発行人 菅納 敏恭
<Talking on tap>
「悪魔の辞典」
A.ビアスという作家を知っていますか。英米文学を学んだ方なら名前ぐらいご存知でしょう。日本で言えば明治時代にカリフォルニアで活躍した短編作家、ジャーナリストで辛らつな皮肉家です。彼が皮肉とユーモアで解説を書いた辞典が「悪魔の辞典」です。いくつかの項目を紹介しましょう。
会社〔名詞〕
個々の人々が責任を伴わないでそれぞれ自己の利益をあげ得るように巧みに工夫された仕掛け。
結婚〔名詞〕
共同生活体のひとつで一人の主人と一人の主婦と二人の奴隷から成り、それでいて全部合わせても二人にしかならない状態もしくは境遇。
講演者〔名詞〕
一方の手をあなたのポケットに突っ込むと同時に、舌をあなたの耳に差し入れながら、あなたの辛抱強さを固く信じて疑おうとしない者。
自明の〔形容詞〕
すべての他の者は別にして自分自身にとってのみ明白な。
金銭〔名詞〕
そいつを手放す場合を別にすれば、いくら持っていても何の役にも立たないという結構な代物。
雄弁〔名詞〕
「白とは白であるように見える色を指す」と愚かな連中に思いこませる技術。
その中にはどんな色でも「白」だと思わせる天賦の才能も含まれる。
熱狂〔名詞〕
青年がかかり易い病気で、経験という外用薬を用いるとともに後悔という内服薬を少量ずつ服用すればこの病気は直る。
論理学〔名詞〕
・・・論理学の基礎をなすのが、三段論法であって・・・一例をあげれば、
大前提 ー 60人の者が一緒にやれば一人でやるよりもある仕事を60倍も早くやってのけることができる。
小前提 ー 一人でやると柱を立てる穴を掘るのに60秒の時間がかかる。
結論 ー 60人のものが一緒にやれば同じ穴を掘るのは1秒間で足りる。
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Last Updated: 8/4/96
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